日頃からお世話になっている家族や友人、いつも心にかけていながらご無沙汰をしている親戚や知人はいらっしゃいますか? 今後も引き続き、変わらぬ親交を持ちたいのであれば、日本独自の贈りもの文化である「お中元」を活用して、季節の挨拶を兼ねた感謝の気持ちを贈ってみてはいかがでしょうか。
毎年恒例となっているお中元では、定番のお酒やジュース、海鮮や肉類、日用品の詰め合わせなど、ワンパターンで新鮮味のないギフトになってしまいがちです。本記事では、貴重な贈答機会を最大限に活かすために、センスが良くて心遣いがしっかり伝わるおすすめのギフトをご紹介しますので、是非とも参考にしてみてください。
目次
お中元の品物を選ぶポイント
お中元やお歳暮、誕生日、父の日や母の日など、毎年恒例で贈るようなギフトは、過去に何を贈ったかを記憶しておくことが大切です。相手に対して贈ったことのないジャンルの品物を選ぶことが理想的で、初めて贈るのであれば定番のギフトの中から選んでも良いかもしれません。
過去の贈り物と重複しないようにするには、その年の旬で目新しいものをデパートや百貨店などで探してみるのが手っ取り早い方法です。また、SNSやテレビなど巷で人気を呼んでいる品物を選んだり、贈る相手が地方在住であれば、都市部で流行している品物を選んだりすることも効果的です。
ただし、毎年定番のギフトを贈っているのであれば、あっと驚くような知る人ぞ知るギフトを選ぶと、相手に対して感動を与え、あなたのセンスの良さを認めてくれることでしょう。お中元に絞って考えると、季節的には初夏に当たるため、涼を感じることができる夏の暑さ対策の品物が良いでしょう。
相手にまだ小さい子供がいるのであれば甘いスイーツやアイス、女性であれば紫外線対策や夏用のコスメ、ビジネスマンであれば仕事先で使えるようなマグボトルや冷感グッズなどがおすすめです。親しい間柄であれば甚平や作務衣、暑さを軽減してくれるような素材を使ったパジャマやルームウェアなども候補に挙がります。
ギフトを贈るときは、相手が好きなものを選ぶというチョイスが真っ先に考え付くものですが、既に自分達で揃えている可能性も高いので、相手にとって足りないパーツを埋めてあげられるような品物を選ぶことがポイントです。また、自分では買わないような “ちょっといいもの” を選んであげるとより喜ばれるはずですよ。
さり気なくデキると嬉しいお中元マナー
お中元ギフトを贈るときは、品物選びに最も力を注ぐことになりますが、お中元は日本古来から続く伝統的な贈答習慣であるため、贈り方のマナーにも気を遣わなければなりません。下記のリンクでは、お中元ギフトに関する包み方や渡し方、熨斗や送り状などの細やかなマナーをご紹介していますので、是非とも参考にしてみてください。
お中元ギフトでNGなものとは?
お中元は、普段からお世話になっている人への感謝やお礼を示すという性質上、プライベートでもビジネスシーンでも、目上の人に贈ることが傾向としては多いようです。お中元に限らず、目上の人にギフトを贈るときは、いくつか注意すべきことがありますので、参考までに知っておく必要があります。
相手が特別望んでいるのであれば問題ありませんが、贈り物にはそれぞれ意味を持つことが多く、避けた方が良いといわれている品物が存在します。最終的な判断は各個人となりますが、ここでは目上の人に対して避けた方が良いとされる贈り物の一例をご紹介します。
- 現金・商品券
見下したイメージがあり、プレゼントを選ぶことを放棄した、と捉われる可能性がある。
- かばん・時計
勤勉に励んで欲しい、という意味を持つため、目上の人には失礼にあたる。
- ベルト
もっと気を引き締めて、腹をくくって、という意味を持つ。
- 筆記用具・文房具・ボールペン・万年筆
もっと精進して、という意味を持つ。
- くつ・靴下・下着
仕事上の関係だと、靴・スリッパなどの履き物や絨毯・玄関マットなどの敷き物は、踏みつけて出世すると捉えられる可能性がある。また、靴下や下着などの「下」が付くものも控えるべき。
- ハンカチ類
ハンカチは漢字で手巾(てぎれ)と書くため、手切れを連想させる。
- ネクタイ
女性から男性に贈ると、あなたに首ったけ、という意味を持つため、恋人以外には注意が必要。
- 刃物(包丁・はさみ)
縁が切れる、という意味を持つ。
- 櫛(くし)
「苦(9)」「死(4)」を連想させるため、贈り物には不向き。
- 印鑑
今後の自立を促す、という意味を持つため、目上の人には失礼にあたる。
おすすめのお中元ギフト⑦選
それでは、実際にどういったお中元ギフトを選べばよいのか、おすすめの品物をピックアップしてご紹介します。暑さ対策や発汗対策、涼を感じ取ることができるようなジャンルに重点を置いていますので、夏ならではの心遣いが伝わるギフトになるかと思います。
完全無農薬で、茶葉の甘みを楽しめる日本茶
蔵前にある日本茶専門店「NAKAMURA TEA LIFE STORE(ナカムラティーライフストア)」から、日本茶のギフトをご紹介します。こちらで取り扱う日本茶は、静岡県藤枝市で100年続く、中村茶園で育てられた完全無農薬栽培の厳選された茶葉を使用しています。「いつ、どこで、誰が、どうやって作ったかわかるお茶」を提供したいという想いで、すべてのお茶に品質保証書が付いています。
日差しが照り付ける暑い日中に、氷を入れてキンキンに冷やしたお茶を頂くのは、日本の夏ならではの楽しみ方ですよね。水出しで茶葉の旨みをゆっくり抽出すると、苦みが抑えられ、よりまろやかでさっぱりとした味わいになります。
複数種類の茶葉を詰め合わせたギフトセットもあるため、緑茶やほうじ茶、玄米茶など、様々な味わいを楽しむことができます。ご家族全員が安心して飲める日本茶で、夏を乗り越えるお手伝いを贈るなんて粋な計らいをしてみてはいかがでしょうか。
夏もしっかり肌美人、伝統製法の和風コスメ
金沢に本店を置き、東京にも支店を持つ「まかないこすめ」から、肌をいたわる和コスメをご紹介します。まかないこすめは、金箔屋のまかない(裏方・製造現場)の女性が、過酷な作業現場でも綺麗でいられるように工夫した知恵を活かしたコスメブランド。誰でも使える肌に優しい商品が揃います。
さらっとした使い心地が人気のハンドクリームや、こんにゃく100%で作られたお顔の角質・産毛取りができる凍りこんにゃくスポンジが人気です。冷蔵庫で冷やしてひんやり使える「薄荷レモンハンドクリーム」も、夏季限定のおすすめ商品です。さらに、金沢店・神楽坂店・梅田蔦屋書店では、ハーブが爽やかな加賀棒茶や米粉ドーナツなど女性に嬉しい甘味「美用食」も揃っているため、コスメと組み合わせた贈り物セットを作ることができます。
涼し気な竹籠のギフトボックスもあり、初夏のご挨拶を兼ねたお中元としても喜んでいただけます。女性の心を掴む素敵なお中元ギフトを、伝統的な和コスメの専門店「まかないこすめ」で探してみてください。
生姜の刺激で暑さ吹き飛ぶ!ジンジャーシロップ
キリッとした生姜の刺激が爽快なジンジャーシロップを取り揃える「銀座のジンジャー」より、3種類の夏フレーバーと炭酸水がセットになった「夏のおすすめ3本セット」をご紹介します。夏の人気ジンジャーシロップを一度に味わえる、季節限定セットを是非ともお試しください。
宮崎県産のアップルマンゴーを贅沢に使った濃厚でとろけるような美味しさの「宮﨑マンゴー」。ミルクと割ることでよりまろやかな味わいをお楽しみいただけます。
葡萄を思わせる真紅色、濃厚なアロマと、桃らしいコクのある深い味わいの「葡萄畑のピーチ」。お好みでシャンパンと割って、ペリーニとしてもお召し上がりいただけます。
厳選された日向夏と瀬戸内産レモン、2つの国産柑橘の爽快感のある飲み口の「日向夏と瀬戸内レモン」。はじける柑橘の芳香に、太陽の恵みをいっぱいに感じてお召し上がり下さい。
グラスにたくさんの氷を入れて炭酸で割り、キリッとお召し上がりいただくのがおすすめです。身体にみずみずしさを補給してくれるような、夏フルーツのジンジャーシロップで、爽快な夏を贈りましょう。
肌に触れるモノだからこだわる、なめらかタオル
生活雑貨や上質のリネンを使用したベッドアイテムなどを豊富に取り扱う「フランジュール」で、タオルギフトを探してみませんか?フランジュールのタオルは日本国内の今治や泉州で製織され、しなやかでツヤ感のある仕上がりが特徴。自宅でも外出先でも気持ちよく使える上品なタオルはもらって嬉しい贈り物です。
バスタオルなら、お風呂で汗を流しさっぱりした後、全身で心地よさを感じていただけます。ハンドタオルの詰め合わせなら、ご家族の皆さんが外出時に摩擦のストレスなく汗を拭くことができます。
様々なカラーや素材のタオルがあるので、贈る方の好みによって贈るタイプを選ぶこともできます。タオルに触れることが多い時期だからこそ、肌への負担が少ないタオルを贈りましょう。
寝苦しい夜を快適に過ごせるルームウェア
大人かわいいルームウェアブランドの「SLEEPY SLEEPY(スリーピー・スリーピー)」から、大人女子がときめくパジャマをご紹介します。「人生の3分の1から幸せに」というコンセプトを掲げる実力派の機能性パジャマで、夏の寝苦しい夜を快適に過ごしてもらいましょう。
とにかく眠りやすいことを一心に考えてデザインされたパジャマは、寝ているときに違和感を与えないよう、体にあたる部分にボタンやスナップを付けない工夫と、首元がスッキリするような襟幅がしっかり計算されたつくりになっています。
メゾンブランドが使うような最高級6Aランクのシルクや、肌触りと通気性に優れた独自配合のコットン(綿)など、素材にもこだわりが詰まっています。大切な方の眠りを改善する、心身ともにいたわった最上級の贈り物として、パジャマをギフトに選んでみてはいかがでしょうか。
一級品のハンカチで、夏の必需品をゴージャスに
夏のお出かけには、汗やグラスの水滴を拭いたりできる、ひとひらのハンカチーフが必需品となります。六本木ヒルズの開業当初より店舗をかまえ、いまや全国各地に出店する、世界で初めてのハンカチーフ専門店「 CLASSICS the Small Luxury(クラシクス・ザ・スモールラグジュアリ)」の一級品ハンカチをご紹介します。
様々な素材でつくられたハンカチーフが揃う中で、特におすすめの商品は「繊維の宝石」の異名をもつ海島綿(シーアイランドコットン)を使用したハンカチーフです。収穫量が限られた希少性の高い素材で、カシミアのような柔らかさとシルクのような光沢感をもつ、見た目にも美しい綿生地です。
イニシャルやモチーフを好きな場所に入れられる「刺繍サービス」も人気があり、ギフトで利用すれば宝物になるような世界で一枚だけのハンカチーフになります。特に夏は人目に付きやすいハンカチを、素敵なデザインと一級品質の贅沢ギフトとしてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
あったら重宝する、使い勝手のよい手ぬぐい
秋葉原と御徒町に挟まれた高架下で展開する、ものづくりをコンセプトとしてクリエイターや企業の集まる「2k540 AKIOKA-ARTISAN」。その複合施設に店舗をかまえる、手ぬぐいの専門店「にじゆら」からは、伝統的な技法と美しいデザイン性が光る注染手ぬぐいをご紹介します。
注染は、プリントと違って糸目をふさいでいないため、通気性・吸水性がよく、速乾性に優れていることが特徴です。早く乾くということは、雑菌が増えにくく衛生的ということ。お弁当箱を包んだり、ランチョンマットとして利用したり、汗拭き用にも使える手ぬぐいは、使い方のバリエーションが豊富な便利アイテムです。
グラデーションやぼかしが美しい注染手ぬぐいのデザインは、新進気鋭の作家やデザイナーが常に新しい創意工夫を施しているため、プレゼントする相手の好みに合わせた手ぬぐいがきっと見つかります。夏に重宝する使い勝手の良い手ぬぐいを、お中元ギフトとして贈ってみてはいかがでしょうか。
お中元と聞くと堅苦しい印象をもたれがちですが、自分が元気に過ごしていることや、相手のことを気に掛けているという気持ちを最大限に伝えられる貴重なイベントです。難しく考えたりせず、相手が夏を快適に過ごせる心遣いのお中元ギフトで、大切な親交をより一層深めてみてくださいね。
この記事を書いた人
河野 ひろこ
ギフトコンシェルジュ/ライター/縁起物アドバイザー。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きとショップ巡りをライフワークにしている。個人向け「ギフト提案サービス」の依頼を受付中。