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世代を超えて愛される逸品ギフト、職人が手掛ける「調理道具」の贈り物

世代を超えて愛される逸品ギフト、職人が手掛ける「調理道具」の贈り物
包丁とまな板が奏でる小気味よい音色。そして、すり鉢や卸金から立ちのぼる薬味の薫り。調理道具は単なる道具にとどまらず、日常にホッとする瞬間をもたらすライフツールです。調理の手間を軽減する機能性と見惚れてしまうほどの審美性を兼ね備えたなら、食事の支度が劇的にはかどり、ストレスを軽減させる右腕的存在となるはずです。 包丁を使った調理 そんな調理道具は、結婚・出産・新築・引越しなど、人生の節目にふさわしい贈り物にもなります。普段手頃な道具を使っている人ほど、上質な使い心地に魅せられ手放せなくなるでしょう。料理が楽しくなり創作意欲が湧いてきたと喜ばれたなら贈り手冥利に尽きるもの。切れ味鋭い包丁や端雅な手鍋など、ギフトならずとも欲したくなる調理道具をご紹介します。

その道を極めた職人が創り出す一級品のギフト

人生の節目イベントに贈るギフトなら、手間暇かけて作られたワンランク上質なものを選びたいところ。しかしながら、あまりにも敷居が高い専門店だと足を踏み入れるだけで緊張しますし、どこでも手に入る汎用品では相手自身が簡単に調達出来てしまいますよね。 日本橋木屋の本店日本橋木屋(本店)出展:日本橋木屋ホームページ そんなときは、東京都内を中心として日本全国に店舗を展開する調理道具の老舗店を知っておくと便利です。それぞれの道を究めた職人が手掛けた逸品を数多く取り揃える「生活の道具屋」が、その卓越した手腕であなたのプレゼント選びに一役買ってくれることでしょう。

寛政四年創業の「生活の道具屋」で選ぶ

上質な調理道具を豊富に取り扱う専門店として知られる「日本橋木屋(にほんばしきや)」。寛政四年(1792年)創業の日本橋木屋は、包丁を中心とした様々なライフスタイルツールを提供する「生活の道具」の老舗店です。今回は、交通の利便性も高い渋谷駅の中心地にかまえる、東急プラザ渋谷店を訪問しました。 日本橋木屋の東急プラザ渋谷店日本橋木屋(東急プラザ渋谷店) 包丁を始めとして、調理道具(鍋・鉄器・飯台・せいろ)、刃物類(剪定鋏・裁鋏)、理美容アイテム(漉き鋏・ヤスリ・グルーミング用品)などを扱います。包丁は、渋谷店だけで130丁もの取り扱いがあり、初見からその数に圧倒されます。1~3万円程度の価格帯の包丁が多く、中には1丁20万円する逸品も鎮座。用途や予算に合わせて選べる品揃えが嬉しいポイントです。

刃物の木屋としては230年の歴史がある

本家木屋の祖初代・林九兵衛氏は、元は大阪で豊臣家の薬種商として仕える御用商人でした。それが後に徳川家康の招きで当主の弟が江戸へ下り、大阪の本家と分かれたため、姓の林を二つに分け「木屋」を称したそうです。祖初の名を冠した「木屋林九兵衛商店」は、戦前まで塗物・漆器店でした。 開業から約10年後の木屋開業から約10年後(文化二年)の木屋出展:日本橋木屋ホームページ 刃物の木屋としての創業は、倹約令などの改革で揺れた江戸時代中期・寛政四年。桑名生まれの初代・加藤伊助氏が若くして塗物木屋に奉公し、本家木屋から暖簾分けを許され隣に店を開いたことから始まります。本家には、暖簾分けした店が同じ商品を扱わないしきたりがあったことから、刃物を扱うようになったそうです。 震災で焼ける前の木屋漆器店と木屋刃物店大正12年の震災で焼ける前の木屋漆器店と木屋刃物店出展:日本橋木屋ホームページ 本家から暖簾分けし、打刃物屋として名をとどろかせた木屋刃物店ですが、長い歴史を経て様々な生活用品を取り扱うようになり、生活の道具店として定着します。現在は包丁などの刃物を中心として、末永く使い続けられる伝統器や、愛着の湧く道具類を提供してます。

丹精込めて仕立てあげられた、調理道具の魅力

職人 日本橋木屋では、主に日本国内で製造された調理道具の類を取り扱っています。そんな伝統を受け継ぐ職人が作りだした道具の魅力について、日本橋木屋(東急プラザ渋谷店)店長の加藤廣也氏に伺いました。

実際に工場を見学したり直に話を聞いて感じるのは、素材や作り方に強いこだわりをもって作られた道具が多いこと。職人が自身の納得できる領域まで試行錯誤を繰り返した末に作り上げたものだからこそ、質が高いのだと思います。”妥協” という言葉は皆無だと感じます。

職人が心血を注いで作りだした道具の背景を知ると、自信をもって贈ることができるはず。近年では、ものづくり業界でも高齢化が進み、廃業を迫られる工場も少なくないと言います。その希少性からも、大切に使い続けたいという想い入れが生まれるのではないでしょうか。

生活の神様が宿る、「道具」を贈るということ

調理道具や理美容品など、お祝いで道具を贈ることには、どのような意味が込められるのでしょう。付喪神(つくもがみ)に代表されるように、日本では古来からモノに神様が宿ると考えられてきました。生活に欠かせない道具を新調することは、新たに神様をお迎えすること。その想いがあるだけで特別感のあるギフトになりそうな予感がします。 モノに宿る神様 また、日用品を贈ることには「不自由ない豊かな暮らしが送れるように」「温かな家庭が築けるように」といった祈りを込めることができると言います。さらに、道具によっては縁起の良い意味合いを持つものも存在します。ここでは、生活の道具をギフトで贈る意味、そしてセレクトポイントをご紹介していきます。

それぞれの生活の道具に込められた謂われ

包丁は、「切れる」「断つ」という意味合いを持つことから、かつて贈り物には不向きと考えられていました。しかしながら、近年は「困難を切り拓く開運の道具」という捉え方が生まれ、敢えて贈り物として選ぶことも増えてきています。特に新婚や新居をかまえた家庭には、実用的で嬉しいギフトにもなることでしょう。 困難を切り拓く また、日本では食事のセッティングで箸を横向きに揃えますが、これは神聖な自然界からの頂きものである食べ物と、俗な領域(人間界)との境を示す「結界」だと考えられています。箸は「橋」に通じることから、「神との橋渡し」と言われたり、人と人とのご縁を繋ぐ縁起物とされています。 橋 古来から受け継がれる道具の中には、日本の縁起物をかたどったものもあります。たとえば、鶴や亀をかたどったおろし金。「鶴は千年、亀は万年」と称されるように、長寿を象徴する縁起物です。お正月などの年中行事でなくとも、日常の中に縁起物を取り入れることで、神様に見守られている安心感があります。 鶴と亀

道具を選ぶセレクトポイントは千差万別

とは言えども、いざギフトを贈るとなると、どんな品物を選べば良いか迷ってしまうのが暮らしの道具。包丁一つとっても、形状や価格帯がピンキリで贈り手を悩ませる難しさがあります。今回は、刃物のプロフェッショナルである日本橋木屋に訪問する稀有な機会ということで、同店スタッフがどのように贈答品を提案しているのか伺いました。 東急プラザ渋谷店日本橋木屋 東急プラザ渋谷店 特筆すべきは、木屋の象徴とも言うべき包丁について。大きな特徴である素材は、鋼・ステンレス・合金などの違いで、切れ味や手入れのしやすさが変わります。また、形状は汎用的に使える鎌型(三徳)包丁や牛刀、用途ごとに使い分ける出刃包丁や正夫(刺身)包丁といった具合に様々。 日本橋木屋の包丁日本橋木屋の包丁出展:日本橋木屋オンラインショップ 日本橋木屋では、個々の包丁の特性を踏まえたうえで、その人の生活様式や趣味趣向、そして贈答機会などをヒアリングしながら最適な一本を提案していると言います。これは伝統に裏打ちされたノウハウと、種類豊富なラインナップを取り揃える木屋でこそ成せること。贈答品では、1万~3万円程度の価格帯がよく選ばれるそうです。 日本橋木屋の包丁 贈り物では見栄えを勘案して、同一ジャンルで種類の違う品物を掛け合わせたギフトセットがよく活用されます。日本橋木屋では包丁だけでなく、様々な生活の道具が揃えられているため、一年を通して使える道具や、あると便利なちょっとした調理道具を紹介して薦めてもらえます。 日本橋木屋の調理道具

実は、慶祝事に欠かせない道具が刃物

刃物類を贈り物にすることの意味合いについて加藤氏に話を伺っていると、目から鱗のエピソードを聞くことができました。 日本橋木屋の包丁日本橋木屋の包丁出展:日本橋木屋ホームページ 「近年でも、刃物は縁を断つから贈り物として相応しくないのではと心配される方もいらっしゃいます。しかしながら、実は旧来からお祝い事に刃物は付きものなのです。結婚式でのウェディングケーキ入刀、ビルや橋の竣工でのテープカット、船の進水式でテープカットをする斧など、要所要所で刃物は大切な役目を果たしているのです」 ウェディングケーキ入刀 これには、頷かずにはいられません。重要な祝賀シーンでこれほど活躍しているにも関わらず、巷では「縁起が悪い」と言われることに疑問を抱いてしまう気付きでした。華やかなパーティシーンでも活用されている刃物ギフトに、明るい未来を想像させる意味合いを込めたいものです。

日本橋木屋でしか手に入らない逸品包丁

数多の打刃物を取り扱う日本橋木屋が、その知見を集結させて販売する「エーデルワイスステンレス洋庖丁シリーズ」は、60年以上のロングセラーを誇るオリジナル商品。オーストリアから輸入した上質なステンレス刃物鋼を用いて、岐阜県関市で伝統的な製法によって作られた名品です。 エーデルワイスステンレス洋庖丁シリーズエーデルワイスステンレス洋庖丁シリーズ#180 鋼より錆が出にくいものの、切れ味は劣るというイメージが一般的なステンレス包丁。しかしながら、日本橋木屋のエーデルワイスステンレスは、高品質のステンレス鋼を使うことで切れ味が良く、理想的な包丁を実現させたもの。かつて大学で応用金属を学んだ前八代目当主(加藤俊男氏)肝入りの傑作です。 エーデルワイスステンレス洋庖丁シリーズエーデルワイスステンレス洋庖丁シリーズ#25

ハレの日に相応しい、生活道具ギフトのセレクト実例

結婚・出産、引越し・新築、結婚記念日、転退職祝いなど節目のお祝い事や、海外の方への贈り物としても選ばれている日本橋木屋の生活道具。磨き抜かれた輝きや端正なフォルムは、まさにハレの日にふさわしい逸品です。ここでは、贈答シーン別に選びたい生活道具ギフトの実例をご紹介します。 日本橋木屋の生活の道具日本橋木屋の生活の道具出展:日本橋木屋東急プラザ渋谷店Instagram

料理がはかどる本格的な「包丁」の結婚祝い

結婚祝いには、新婚夫婦の食事をレストラン級に昇華させる、本格的な「包丁」をプレゼントしてみてはいかがでしょう。鋭い輝きは見通せない暗闇さえも切り拓き、明るい未来を表しているよう。切れ味は、二世紀以上も刃物を取り扱う木屋のお墨付き。肉や野菜を美しく魅せる断面が、幸せな食卓を盛り上げます。 包丁 ギフトセットで贈るなら、包丁の “つがい” とも言うべき「まな板」がよく選ばれていると言います。木曽の高級檜材を使用したまな板は、刃当たりが良く腐朽にも強いことが特長。日本橋木屋の各店舗では、包丁研ぎやまな板の表面削りを依頼できるため、メンテナンスを施しながら末永く家族の食事番として活躍してくれます。 卓上まな板卓上まな板いちょう

季節を愉しむ「抜き型セット」の引越し祝い

新しい住居、新しい生活空間に添える調理道具であれば、一年を通して使える「季節の抜き型セット」をおすすめします。桐箱にいれられた抜き型は、桜や銀杏など12カ月の和モチーフが目を惹きます。 抜き型セット季節の抜き型セット出展:日本橋木屋東急プラザ渋谷店Instagram 抜き型で野菜をくり抜くだけで、お正月料理や旬の祝い料理により季節感を添えてくれます。クッキーや和菓子などお菓子作りにも使えるため、抜き型の利用シーンは意外と多いもの。親の手伝いをしたがる年頃のお子さんとのコミュニケーションツールにもなりそうな、素敵な調理道具です。 抜き型セット季節の抜き型セット出展:日本橋木屋東急プラザ渋谷店Instagram

得意料理の業が冴える「手鍋」の記念日祝い

東急プラザ渋谷店で艶やかな光を放つ手鍋の数々。鍋は大切に使えば半永久的に長持ちすることから「絆が末永く続きますように」という意味があります。また、丸い形をしていることから「円(縁)がつながる」という夫婦円満の願いも込められています。 玉子焼き鍋玉子焼き鍋 銅製の「玉子焼き鍋」や「やっとこ鍋」なら結婚7周年を迎える銅婚式で、アルミ製の「ゆきひら鍋」なら10年目の錫婚式(アルミ婚式)で。料理の腕が確かな人へ得意料理に適した鍋を贈ることは、大切に想う気持ちが伝わるはず。美しさと柔らかさを兼ね備えた手鍋を、友人の結婚記念日に贈ってみてはいかがでしょう。 ゆきひら鍋ゆきひら鍋

清潔感を保つ「グルーミングセット」の退職祝い

父の日や誕生日、転退職祝いなど男性へのプレゼントに人気な贈り物が、日本橋木屋オリジナルの「グルーミングセット KIYA」。グルーミングセットとは、身嗜みを整える道具を集めたキットのことで、いずれも小型の爪切り・鋏・耳かきがセットになっています。 グルーミングセットグルーミングセット KIYA 畳 衣類を包むための「畳紙」から着想を得た包みがスタイリッシュで男性ウケ抜群。重厚感のある黒色が冴え、女性が旅行用に購入することもあるそうです。片手で持てるコンパクトなサイズ感は、旅行や出張に丁度良く、移動機会の多い人への贈り物にもおすすめです。 グルーミングセットグルーミングセット KIYA 缶

商品も気持ちも包み込む、丁寧なラッピング

日本橋木屋のロゴが入った包装紙ラッピングは、贈り物にさらなる上質感をまとわせてくれます。また、プレゼント向けに刃物を購入した場合、縁起物について解説されたカードを添えているので、それぞれの刃物が持つ縁起の良い意味合いを伝え漏らすことがなく心強いですね。 日本橋木屋のラッピング日本橋木屋のラッピング

継続的な安心感を与えるアフターフォロー

日本橋木屋の各店舗では、同店で販売している包丁や一部の調理器具、理美容アイテムについて、有料で修理・修繕を行なっています。包丁だけでなく、まな板や鍋などもメンテナンスを受け付けているので、具合が悪くなったタイミングに駆け込みたいサービスです。 メンテナンス包丁や道具のメンテナンス出展:日本橋木屋オンラインショップ 日々のメンテナンスは自宅でもしておくと長持ちしますが、定期的にプロの仕上げを施して、使い心地を蘇えらせたいものです。ギフトを贈る相手にも日本橋木屋のアフターサービスがあることを伝えて、ぜひ長く使ってもらいましょう。

生活の道具を贈ること、その魅力について

種々累々のギフト商品やサービスが溢れかえる現代において、「生活の道具」を贈るということ。その魅力はどんなものがあるのでしょう。日本橋木屋(東急プラザ渋谷店)店長の加藤氏に伺いました。 日本橋木屋 「木屋では、親子三代かそれ以上にわたって包丁や調理道具を揃えていただいているお客様も珍しくありません。長く使える暮らしの道具だからこそ、贈られた道具に込められた想いや思い出を、家族や友人に受け継いでいってもらえるのだと思います。そして、その道具が現在でも使える状態にあることは、使い手の愛情と木屋の品質があってこそだと考えます」 日本橋木屋の刃物類日本橋木屋の刃物類出展:日本橋木屋オンラインショップ 「来店されたお客様のおばあ様が戦前から使っていた錆だらけの卸金を修理に出され、新品のような姿で戻ってきたことに大変喜ばれていた」というエピソードを聞くと、お客様自身もモノを大切に使っている印象を受けます。丁寧に使いたくなる「生活の道具」ギフトは、大切な人だけでなく家族の生活にも寄り添う、温かな贈り物になるのだと感じました。 おわりに 上質なモノを長く大切に使うことの尊さに気付かせてくれる、日本橋木屋の道具たち。汎用的で手頃なものに溢れ消費しがちな現代に抗い、子や孫の代まで使い続けられる逸品を、人生の節目に贈ってみてはいかがでしょう。料理を通じて五感を研ぎ澄ます調理道具は、必ずや相手の生活を豊かにしてくれることでしょう。

日本橋木屋について

河野 ひろこ

河野 ひろこ

ギフトコンシェルジュ/コンテンツライター/縁起物アドバイザー。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きとショップ巡りがライフワーク。

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