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腕元をかざるオシャレのマストアイテムといえば「腕時計」。手首で煌びやかに光るファッションのいぶし銀は、自分に合ったこだわりの一本を選ぶことも大きな楽しみのひとつです。特別な機会に贈り物としていただいた、思い入れのある腕時計を使っている人も多いことでしょう。
しかしながら、どんなに気に入っている腕時計でも、使い続ければ時に気分を変えたくなるもの。そんなときは「ウォッチベルト」の付け替えをおすすめします。付け替え可能な腕時計が前提となるものの、既成品のウォッチベルトとは全く異なる素材や柄ものと交換することもでき、心機一転で気持ちを新たに入れ替えるにはもってこいなのです。
今回は、革製品のアトリエから「オーダーメイドウォッチベルト」の製作体験が登場したと聞き、さっそく足を運んでみることに。ウォッチベルトを付け替えることは気分転換になるだけでなく、カスタマイズを考える過程までも楽しめ、腕時計ラバーやファッションにこだわる人に体験を贈っても喜んでもらえると感じました。
腕時計は、ビジネスシーンからフォーマルなオケージョンシーンまで、ファッションの決め手になり得る重要なエッセンス。お洒落で高級感を出しつつ、自分の個性をも表現したい男性への贈り物にもピッタリです。自身の感性を磨き、幅を広げるワンポイントチェンジを、ぜひとも体験・贈答してみてください。
PRO-MENER のオーダーメイドウォッチベルト
今回注目したオーダーメイドウォッチベルトは、東京都・蔵前駅にある「PRO-MENER(プロムネ)」の新サービス。財布やバッグ、名刺入れ、ペンケースなど、種々様々のオリジナル革製品を製作している工房(アトリエ)兼ショップです。
プロムネは、革小物メーカーやレザーブランドからもサンプル製作の依頼を受け、自身も著書出版など幅広く活躍している現役のサンプル職人・池田耕平氏が在籍。その確かな腕前は、皮革業界のプロフェッショナルとして多くの人に認められています。
プロムネの革小物は、デザイン性と実用性を自然な風合いで両立させたラインナップが魅力的で、ギフトコンシェルジュである著者もかねてより足しげく通うファンのひとり。その経緯もあって、新サービスの登場とあらばチェック必至です。
ウォッチベルトのオーダーメイドサービスには、「既製ベルト」「カスタムオーダー」「フルオーダー」の3つのプランがあります。職人の町・蔵前にかまえるお洒落なショップでオーダーメイドする体験もまた、非日常的に気分を上げてくれる要因です。
今回著者が体験したプランは「カスタムオーダー(¥12,100)」。カスタマイズできるポイントは、「革色」「ステッチ色」「尾錠(バックル)色」「ベルトの長さ(S・M)」「名入れ有無」です。手持ちの腕時計に合わせたベルト幅や、使う人の腕周りに最適なサイズ感でしつらえるためフィット感は抜群で、さすがのオーダーメイドと言わしめます。
アップルウォッチに合わせて作られた「既製ベルト」は、SとMの2つのサイズから選ぶことができます(金具色の変更可)。アップルウォッチはベルト交換が比較的容易にできるため、アップルウォッチユーザーを引き連れてサプライズギフトを計画しても時間を取らせません。名入れを施すだけでオリジナル感が生まれます。
革の素材から形状までカスタマイズできる「フルオーダー」は、理想像が具体的でオリジナリティを重視する人や、元のウォッチベルトを再現しつつ使用感を高めたい人におすすめです。革素材は、プロムネで取り扱っている最高級のコードバンやカラフルなイタリアンレザーなどから選びます。
カスタムオーダーでのウォッチベルト製作体験の流れ
ウォッチベルトのカスタムオーダーは、事前にサイズ測定が必要なため対面で行ないます。プロムネの店舗があるクラマエビル3Fから階段をのぼり、革工房のアトリエケーアイを訪問します。ウォッチベルトの交換可否を判定したり腕時計の採寸も行なうため、対象となる腕時計を忘れずに持っていきましょう。
まずは、メジャーを使って腕周りの採寸を行ないます。あらかじめ用意されたサンプル品を着用し、ウォッチベルトの小穴(尾錠を差し込む穴)の位置も入念に確認します。アップルウォッチ以外の場合は、近隣の腕時計専門店でベルトを外してもらいます。
その後は腕時計の状態チェックに移ります。もともと付いていたウォッチベルトを外し、付け替え部分の幅や長さを測ります。製作する革ベルトを正確に付け替えられるかどうか隈なくチェック。持参した腕時計は、当日に持ち帰ることができるので安心です。
肝心要の「パーツカラー」をオールセレクト
次は、オリジナル感を出すための見せ所でもあり、多くの人が最も楽しみな作業工程でもあるパーツカラー選定。革素材は、華やかで発色の良い「WAPROLUX CALF」が8色(ホワイト・インクブルー・トープ・ピンク・グレー・ベージュ・オレンジ・イエロー)から、洗練され贅沢感のある「CORDOVAN」が5色(ブラウン・ワイン・グリーン・ネイビー・ブラック)から選ぶことができます。アクセントになるハッキリとした色味や馴染みのいい柔らかな色味など、好みに合うものをチョイスしましょう。
体験中の著者も、持参した腕時計に合わせてみて、文字盤やフレームとの相性もしっかりと確認。フェミニンな印象の中にも大人かっこいいアクセントを出したかったため、シルバーのフレームに合わせてトープを選びました。
そして、約100種類もの糸サンプルを見ながらステッチ糸の色を選定。ステッチ糸の色まで自分で決められるのは、グッとオリジナル感がでて楽しい!同系色で統一感を出しても良いですし、反対色や高彩度の色でポップな雰囲気に仕上げてもお洒落です。著者は、文字盤に合わせてグレイッシュなピンク色をチョイス。
金具の色は4色(ゴールド・シルバー・ピンクゴールド・ブラック)から選べます。フレームに合わせてシルバーにするか悩みましたが、せっかくのカスタマイズだからと、ピンクゴールドで冒険することに。革の色×ステッチ色×金具の色だけで約3,200パターンもあり、人とかぶる確率がかなり低いことも嬉しいポイントです。
唯一無二の「名入れ」でオリジナリティを刻む
どんなジャンルのアイテムでもオリジナル感をかもす最たるものは「名入れ(名前入れ)」です。基本的にはベルト裏に「PRO-MENER」の刻印が押されますが、追加料金(¥1,000)で自身の名前やイニシャルを押すことができます。
名前を入れることは愛着形成の定番ですが、愛しのペットや推しの名前を入れれば、いつも時間を共にしているような幸せな気持ちになれます。著者も名前イニシャルを入れるか悩みましたが、ブランド刻印が格好良かったので、そのままにすることに。
パーツセレクトを終えて「納品」を待つ
現時点でのウォッチベルト製作期間は、およそ2~3カ月です。完成するまでの時間は、自分がカスタマイズしたウォッチベルトがどのように仕上がるのか、完成したらどこにお出掛けしようかなど、待ち遠しくも楽しみに感じられます。
完成したオーダーメイドウォッチベルトの仕上がり
ウォッチベルトが完成した際の連絡は、メールもしくは電話で受け取ります。再びプロムネに訪問し、ついにご対面!既製品からガラリと印象を変え、新旧のパーツがしっかりとシンデレラフィット。トープにピンク色のステッチが映え、キュートさとカッコよさが混在するウォッチベルトに仕上がりました。
カーフレザーのしなやかな触り心地に感動
完成したウォッチベルトをさっそく装着し身に着けてみると、カーフレザー(生後6ヵ月以内の仔牛の革)のソフトな着け心地が気持ち良く感じます。もともと付いていた金属製のウォッチベルトは重量があったため、着用すると肩が凝るような悩みがありましたが、革製ベルトに変えることで重さも軽減され、負担感なく使えるようになりました。
見ための印象も大きくモデルチェンジ
フレームもベルトも金属製だと堅い印象を受けそうですが、革製のウォッチベルトに変えることで柔らかい雰囲気を纏い、今までとは違うファッションにも挑戦ことができそうです。WAPROLUXの特徴であるツートンカラーの銀面が立体的なフォルムを出して高級感もひとしお。
ギフトシーンに最適なお洒落なラッピング
プロムネのオーダーメイドウォッチベルトは、ラッピングもお洒落でした。洗練されたホワイト調のボックスにリボンがあしらわれ、その上品さが受け取る人の気分を高めてくれます。ボックスにはメッセージカードを忍ばせて贈ってみてはいかがでしょう。
ボックスの中でウォッチベルトが動いて傷がつかないよう、丁寧に不織布で包まれているので、ギフト用途でも安心して利用できます。腕時計自体の贈り物ではなく、自分が大事にしている時計をアレンジして贈る新しい観点のプレゼントは、新鮮味があり過去すらも大切にしてくれている印象を与えるでしょう。
ウォッチベルトをオーダーするときの注意点
アップルウォッチであれば手軽にウォッチベルトの付け替えができますが、ベルトの取り外しに専用の道具が必要な腕時計もあります。難しい作業ではないものの、自身で取り外しができない場合は、腕時計の専門店などに相談する必要があります。ウォッチベルトの依頼前に、付け替えができるかチェックしてから臨みましょう。
大切な人の誕生日から、自分へのご褒美ギフトまで
ウォッチベルトをプレゼントとして贈るなら、毎年のことで頭を悩ませる誕生日祝いはもちろん、父の日・母の日・敬老の日などのファミリーギフト、クリスマス・バレンタイン・ホワイトデーなどのシーズンギフトにおすすめです。価格帯もカスタマイズレベルから調整でき、記憶に残るプレゼントになることでしょう。
男性パートナーやお父さんに贈るなら、手持ちの腕時計の文字盤に合わせて革色を選び、縫い糸に本人のラッキーカラーや好きな色を取り入れてみてはいかがでしょう。オレンジやイエローの革色なら、パワフルな印象を与えたり、ひと際目を惹く存在感も演出できます。いつも気になりつつ最終的に避けてしまいがちなピンク色も、気軽なアクセントとして取り入れやすいかもしれません。
ウォッチベルトのオーダー方法も、シーンに応じて使い分けられます。贈り手が相手の印象を基に選ぶも良し、カスタマイズ体験も満喫してもらうためにお店にエスコートするのも良し。モノだけでなく思い出としても相手の記憶に残り、腕時計に対する愛着がより生まれることでしょう。
オーダーメイドウォッチベルトは、自分へのご褒美ギフトにもうってつけ。1万円以下でお気に入りの腕時計の付け替えができるので、気分を上げたいときや仕事の節目などに、ささやかなご褒美として購入してみてはいかがでしょうか。学生のときに使っていた腕時計を、就職のタイミングでカスタマイズしても素敵です。
カスタムオーダーの工程を楽しめるとともに、手軽にオリジナリティを演出できるウォッチベルト。専門店が厳選した良質な革素材で作られるため、長い時間をかけ風合いを育てていく過程も大人の愉しみ方です。また、どこで作られたものかが明白なので、メンテナンス・修理・新調などの相談をしやすいこともありがたいことです。
おわりに
ウォッチベルトのカスタムオーダー体験をしてみて、部分的なパーツを入れ替えるだけで、全体の印象がこれほどまでに変わるとは驚かされました。腕時計の本体をズボン(ボトムス)に見立てると、ベルトも気分で変えたいものですよね。さらに服装に合わせて付け替えを楽しむようになれば、立派なファッションの達人。
また、自分自身でカスタマイズしたウォッチベルトは、想像以上に満足感を得られる一本に仕上がります。元から思い入れのある腕時計を、ますます大切にしたくなるサステナブルな精神も宿ることでしょう。大切な人や自分のほんの些細な、そして愛情が込められたプレゼントとして、オーダーメイドウォッチベルトを贈ってみてください。