本記事に書かれている内容は、2025年10月28日時点での取材に基づく情報です。
日々の暮らしの中で、心と体のバランスを整える“発酵”という知恵。その奥深さと美しさを感じられる場所が、東京ミッドタウンの「SAKE SHOP 福光屋」です。
金沢で400年以上の歴史を重ねてきた老舗酒蔵・福光屋は、自然のめぐみと微生物の働きを見つめながら、酒づくりを通して“健やかさの本質”を追求してきました。
店内には、日本酒はもちろん、米や麹を生かした調味料・スキンケア・スイーツなど、発酵の知恵が息づくアイテムが並びます。
発酵という科学と文化を、現代のライフスタイルへ——。今回は、SAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店店長・加藤さんに、福光屋が受け継ぐものづくりの哲学と、ギフトとして選ばれる理由を伺いました。

[ 取材対象者 ]加藤久美さん
SAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店店長。イチ押し&リピート使いしている福光屋のアイテムは、日本酒酵母美容液。

[ インタビュアー ]河野ひろこ/ギフトコンシェルジュ
看護師時代に培ったホスピタリティを活かし「人となり」を想像したプレゼントの見立てが得意。二児の子育てに日々奮闘しながらも、ギフトセレクトとショップ・カフェ巡りがライフワーク。
INDEX
寛永二年創業、金沢の酒蔵「福光屋」とは
1625(寛永2)年に創業し、400年ものあいだ金沢の地で酒造りを続けてきた福光屋。金沢で最も長い歴史をもつ酒蔵として、その歩みの中心にあるのは「米の発酵」と「自然との共生」です。
創業以来、米・水・微生物という自然の恵みを最大限に引き出す酒造りを追求し続けてきました。1960年にはいち早く契約栽培米に取り組み、霊峰・白山の麓から百年の歳月をかけて辿り着く清冽な仕込み水を使用しています。
こうした素材への徹底したこだわりと蔵人の技が融合し、2001年にはすべての日本酒を米と水だけで醸す「純米蔵」を実現しました。
しかし、福光屋の挑戦は日本酒造りにとどまりません。長年培ってきた米発酵技術を応用し、発酵の力を暮らしのあらゆるシーンへと広げていきます。
酒造りの知恵をもとに開発されたスキンケアや調味料はどれも、“発酵が生み出す自然の力”を日常に取り入れる提案をするもの。発酵がもたらす健やかさや美しさを通して、人々の心と体を整え、より豊かに暮らすためのヒントを届けています。
400年という歳月を経てもなお、福光屋は発酵を軸に自然と人、そして文化をつなぎながら、未来へと新しい豊かさを醸し続けているのです。
自然と響き合う、福光屋のものづくりの哲学
福光屋の酒造りは、単なる製造工程ではなく“美意識の連なり”といえます。米と水を見極め、発酵の力を最大限に引き出す。その中心にあるのは、数値では語りきれない「勘」と「感」を磨き続ける職人たちの矜持です。
効率や流行を追うことなく、素材と真摯に向き合う姿勢こそが、福光屋の酒を唯一無二の存在へと導いています。この章では、伝統を守りながらも、現代の感性に響く味わいを探求し続ける福光屋のこだわりをご紹介します。
発酵は、自然との対話から
福光屋の酒造りの根底にあるのは、「自然と共にある発酵の力」を信じる姿勢。 “酒をつくる会社”ではなく、“米を発酵させる会社”として、自然のリズムに寄り添いながら、米の発酵の可能性を追求してきました。
発酵によって生まれる成分には、人の体を整える力があることがわかっており、その作用を応用した商品開発にも積極的です。
人気の「VATEN」はその象徴。一般的な甘酒よりもクエン酸やアミノ酸が約3倍多いため、ミトコンドリアの数を増やして活性を保つ効果があるとされます。
開発のきっかけは、社内の醗酵研究所の所長が“甘酒でマラソンのタイムが上がった”という知人の体験を聞いたこと。金沢大学のスポーツ選手に臨床試験を行ったところ、運動中の血中乳酸濃度が抑えられる結果も得られました。
発酵の力を科学的に検証し、自然の恵みをよりよい形で暮らしに還元する——それが福光屋の姿勢です。
田からはじまる美酒づくり
福光屋の酒造りを支えるのは、60年以上にわたり取り組んできた契約栽培米。生産者との信頼関係のもと、農薬や化学肥料を極力減らした栽培方法で、高品質な酒造好適米を安定的に確保しています。
稲の生育状況を蔵人自らが確認し、田んぼごとに最適な収穫時期を見極めるなど、米づくりの現場から酒造りまで一貫して品質を管理。自然の恵みを大切にする姿勢は、素材の段階から徹底されています。
こうした努力が、酒の味わいだけでなく、発酵食品や化粧品においても確かな品質を生み出す基盤となっているのです。
霊峰白山が育む「百年水」が醸す味わい
福光屋の酒造りを支えているのは、霊峰白山の麓に降り注いだ雨雪が、地中深くに浸み込み、幾重もの貝殻層を通り抜けて100年の歳月をかけて辿り着く「百年水」。
この水は、鉄分が少なく、カルシウムやマグネシウムなど発酵に欠かせないミネラルをほどよく含む、酒造りに理想的な天然水です。
金沢がかつて海の底だった時代に形成された「大桑層(おんまそう)」を100年以上かけてくぐりぬけることで、中硬水ながらまろやかで清らかな味わいに磨かれます。
悠久の時を旅した水の力こそ、福光屋の酒の深みと生命力の源。その恵みがあるからこそ、創業以来、この地を離れずに酒を造り続けています。
感性を科学で裏づける、福光屋のものづくり
伝統的な職人の技を大切にしつつ、そこに科学的データを重ねるのも福光屋の特徴です。蔵では発酵の温度や状態などを細かくデータ化し、職人の感覚を科学的に裏づけています。
しかし、最終的な判断を下すのはあくまで人。微生物が生きる“自然のゆらぎ”を五感で感じ取り、最適なタイミングを見極める職人の技が、福光屋の味を支えています。伝統と科学の融合によって、安定した品質と個性のある味わいを両立させているのです。
命名やデザインも大切に
福光屋では、酒の中身だけでなく“どう伝えるか”にもこだわります。たとえば代表銘柄「百々登勢(ももとせ)」の名は、文化勲章受章者の詩人・高橋睦郎氏によるもの。
また「禱(いのり)と稔(みのり)」は、「minä perhonen」デザイナーで創業者の皆川明氏が、米一粒に宿る祈りの心を表現し、版画やドローイング、切り絵で3種のパッケージデザインを手がけました。
金沢らしい品格と温かみを感じさせるボトルデザインや命名には、“酒づくりは文化を届ける営み”という福光屋の哲学が宿っています。

インタビュアー
どれも華やかさと威厳を感じます。

加藤さん
そうですね、どれを贈り物にしても様になると思います。
発酵の知恵を贈る、福光屋の人気ギフト
SAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店では、日本酒を中心に、甘酒をはじめとする発酵食品など多彩なギフトが揃います。お中元やお歳暮、父の日・母の日といった季節の贈り物はもちろん、結婚や出産の内祝いにも選ばれています。
店内にある商品はどれも自由に組み合わせて箱詰めできるので、お酒が好きな人から健康に気遣う人まで、贈る相手の好みに合わせたセットを作ることができることも魅力。
お酒を包む手拭いや帆布製バッグ、水引きリボンなど、金沢らしい意匠を添えたラッピングも好評です。“気持ちを包む”という福光屋ならではの美意識が、ギフト選びをより特別な時間にしてくれます。
ここでは、加藤さんに伺った人気商品をご紹介します。
加賀鳶 純米大吟醸 吉祥
贈り物として最も人気の高い「加賀鳶 純米大吟醸 吉祥」は、誰に贈っても喜ばれる“万能ギフト酒”。契約栽培の最高級酒米・山田錦を40%まで磨き上げ、低温で丁寧に発酵させた原酒で、繊細な香りと豊かな旨味が調和する一品です。
フグ薄造りや松茸の土瓶蒸しなど上品な料理と相性抜群。金箔押しのロゴと金銀の掛け紐が華やかなボトルデザインは、「吉祥」の名の通り幸福を願う象徴として、お祝いの席にぴったりです。
「Kura Master 日本酒コンクール2022年度 純米大吟醸酒部門」で金賞受賞した本品は、昇進・退職・結婚祝いから季節の贈答まで幅広く選ばれる、福光屋を代表する一本です。

加藤さん
どなたに贈っても「美味しい!」とご満足いただけます。
調味料
日本酒づくりで培った発酵の知恵を、日々の食卓に届けるのが福光屋の「発酵調味料」。料理酒や本みりん、純米酢、塩糀など、いずれも純米蔵ならではの“米の力”を活かした逸品です。
調味料の中でも人気の「オーガニック純米料理酒」は、酒米農家とともに育んだ有機栽培米を100%使用した一品。3年間の熟成を経て、まろやかで奥深い旨味を実現しました。世界29カ国の有機認証を取得した確かな品質が魅力です。
「純米本味醂 福みりん」は、国産もち米と米麹、福光屋自慢の本格米焼酎のみで仕込み、添加物を一切使わずに醸した本物の味わい。3年、10年と熟成を重ねるごとに、香りと甘み、コクが増す逸品です。

インタビュアー
みりんや料理酒で料理の仕上がりが変わるからすごいですよね。

加藤さん
料理の腕が上がった気になれますよね。

インタビュアー
何回いただいても嬉しい贈り物だと感じます!
筆者も組み合わせて贈った経験がある上記のセットは、料理好きな方や、健康志向の方へのギフトとして重宝される贈り物になるでしょう。
VATEN(バテン)
福光屋が長年培ってきた米発酵技術を応用し、“ミトコンドリア”に着目して開発された天然成分100%のエナジードリンク「VATEN(バテン)」も、美容や健康に気遣う人への贈り物に選ばれています。
VATENは、米発酵エキス(VA-1)を100%使用し、アミノ酸・クエン酸・ポリフェノールなどを豊富に含有。
臨床試験では、VATENを摂取することで細胞内のミトコンドリア(細胞内でエネルギーを生み出す重要な器官)量がおよそ1.5倍に増加し、機能性が向上することで、持久力や疲労耐性、代謝機能の向上などに繋がることがわかりました。
保存料や香料を一切使わず、ノンカフェインの自然な甘味と爽やかな酸味が心地よい飲み口。日々の健康維持から運動後のリカバリーまで、幅広いシーンで愛飲されています。
また、アミノ酸や、クエン酸、ポリフェノール(フェルラ酸、p-クマル酸)の含有量を高めた「VATEN R」も、健康志向の方やエイジングケアを意識する方へのギフトに選ばれています。
酒造のスイーツ
福光屋の焼き菓子は、どれも「酒蔵ならではの発酵素材」を生かし、上品で深みのある味わいが魅力。手土産やギフトとして人気です。
人気の「酒かすていら」は、純米酒をブレンドしたシロップに浸した大人のカステラ。きめ細かくしっとりとした生地に、ふくよかな香りが重なります(アルコール約3%)。
そのほか、「果実の味醂羹」や酒粕グラノーラ、味醂粕グラノーラなど、発酵の恵みを味わえるスイーツが揃い、福光屋ならではの“やさしい甘さと滋味”を感じる贈り物として好評です。
ギフトを選ぶときのコツ
多種多様な福光屋の商品からギフトを選ぶときのコツは「性別、世代、飲酒の有無」と、加藤さん。
他にも、料理をするかどうかもチェック事項のひとつ。細かな好みを把握していない場合は、お菓子類やお茶、甘酒を選んでもよい、と加藤さんは提案します。
また、製品を自由に組み合わせることができるので、「お酒を飲むご主人と飲まれない奥さま」といった異なる嗜好の人に贈りたい場合も、一人ひとりに喜んでいただけるものを選ぶことができるのです。

インタビュアー
自由にギフト組みできる柔軟性の高さは嬉しいですね。

加藤さん
その際は、実際に箱に詰めながらお選びいただいています。
ポイントを押さえて、相手の好みやライフスタイルに寄り添ったものをお選びください。
時を味わう空間、SAKE SHOP 福光屋
六本木・東京ミッドタウンにある「SAKE SHOP 福光屋」は、金沢の伝統と美意識を受け継ぎながら、現代の都市空間に溶け込む洗練されたショップです。
扉には金沢の町屋を思わせる格子が誂えられ、入口には酒蔵の象徴である杉玉が飾られています。季節とともに色づく杉玉は、時間の流れや自然の変化を静かに映し出し、訪れる人を迎えます。
店内は、単なる物販空間ではなく、ギャラリーのような佇まい。空間を贅沢に使い、高い壁面にまで並べられたボトルが印象的で、酒器や酒肴なども含めたトータルな世界観で日本酒の魅力を発信しています。
日本酒を目的に訪れる方はもちろん、器やデザインの美しさに惹かれて足を運ぶ方も多いのだそう。
年に4〜5回の開催される企画展も、心待ちにしているお客様が多いそうです。例えば、2025年11月には石川の伝統工芸「我谷盆(わがたぼん)」や焼き物の展示が行われ、四季を通じて“暮らしと発酵文化の交差点”のような空間を生み出しています。
店舗限定商品として注目されるのが、純米大吟醸「瑞秀(みずほ)」のプレミアムヴィンテージ。
瑞秀は、酒米の最高峰・山田錦の中でも特に選りすぐったものを使い、搾りの際に最も旨い部分“中汲み”のみを贅沢に採取。さらに低温で長期熟成させることで、まろやかさと複雑な旨味を兼ね備えた逸品に仕上がっています。
中でもプレミアムヴィンテージは、10年から30年にわたる年月を重ねて熟成された希少な一本で、杜氏の技と時の力が共鳴する“芸術品”のような存在です。
伝統と革新が交わるこの空間で、金沢の美意識と日本酒文化の奥深さを五感で体感できる——。それがSAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店の魅力です。
400年の伝統が息づく、暮らしに寄り添う発酵文化
金沢で400年の歴史を重ねてきた福光屋は、米と発酵の力を通じて“健やかで豊かな暮らし”を提案し続けています。SAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店は、その伝統と美意識を現代の感性で体感できる空間。
日本酒や調味料、スイーツなど、手にするたびに職人の情熱と自然の恵みを感じられる福光屋の品々を、大切な人への贈り物にも、自分へのご褒美にもお贈りくださいね。
ショップの詳しい情報
| 店名 | SAKE SHOP 福光屋 東京ミッドタウン店 |
|---|---|
| 住所 | 〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-4 D-B123 東京ミッドタウン ガレリア地下1階 |
| 営業時間 | 11:00~21:00 |
| 休業日 | 営業時間・休業日は東京ミッドタウンに準じる |
| 最寄駅 | 都営大江戸線「六本木駅」8番出口直結 東京メトロ日比谷線「六本木駅」より地下通路にて直結 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」3番出口より徒歩3分 |
| 電話番号 | 03-6804-5341 |
| ホームページ | https://www.fukumitsuya.co.jp/ |
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