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日本最古の御香調進所でセレクトする、現代の暮らしに寄り添う「線香」ギフト

日本最古の御香調進所でセレクトする、現代の暮らしに寄り添う「線香」ギフト
目に見えずとも、鼻腔をくすぐることで心のバランスを整えてくれる芳香。香りを焚くことで気分転換のスイッチが入ることがありますが、逆もまた然り。具体的に持っていきたい気持ちがあり、そこに導いてくれる香りを選ぶといった視点での使い道もあります。リフレッシュやリラクゼーションを求める現代人の生活には欠かせないピースかもしれません。 線香 香りのアイテムと言えば、海外由来のアロマオイルをイメージする人も多いはず。しかしながら、日本にも古来から受け継がれる伝統的な「線香」があることはご存知でしょう。供養や祭事など仏事のお供えとして燻らせることは一般的に知られますが、日常の暮らしに溶け込むような線香もあるのです。今回は、そんな生活に寄り添うギフトとして人気な線香をご紹介します。

日本最古の御香調進所、文禄三年創業の「薫玉堂」

薫玉堂 今回ご紹介したい「線香ギフト」を製造するのは、京都に本店を構える香老舗「薫玉堂(くんぎょくどう)」。安土桃山時代の文禄三年(1594年)に、京都・西本願寺の膝元で薬種商を創業して以来、日本最古の御香調進所として伝統を守りながら現代の生活にも溶け込む香りを日々追究しています。 薫玉堂の線香 時代の流れとともに忘れられつつある線香の魅力。約420年もの長い年月をかけて、線香と向き合い続けてきた薫玉堂は、「供物や礼拝だけでなく、線香をより身近なものとして生活に取り入れてもらいたい」という想いから、香りを切り口にした総合ブランドへと変貌を遂げました。 香り商品 現在では、線香・香木・香炉(香立て)をはじめとして、キャンドル・フレグランスオイル・石鹸・ハンドクリーム・エアフレッシュナーなど、幅広い香りのラインアップを展開。オリジナル商品はいずれも伝統的に受け継がれたレシピを基に作られていて、日本人にとって懐かしさを感じる香りが揃います。

線香とお香の違いは?そもそも線香とは何か

タブの木 線香とは、椨(タブ)の木の皮を基材として、香木や香料を調合してつくられたお香のことを指します。正式には「綫香」と書き、綫という文字は細長い糸を表わすことから、細長い棒状や渦巻き状の形状を定義づけています。仏教では、線香の香りを通じて故人と交流したり、自分自身や空間を清めるといった用途で使われることが一般的です。 薫玉堂の線香 線香には、社会通念上仏事で使われるものとお部屋で楽しむものがありますが、薫玉堂ではどちらの線香も製造しているため、気に入った香りをどちらの用途でも使用することができます。つまり、線香の使い道は仏事だけにとどまらず、日常生活の中で香りを楽しむフレグランスアイテムにも成りえるのです。

薫玉堂が誂える線香の特徴と、人を惹きつける魅力

商品ラインナップ 薫玉堂には、寺院から依頼を受けてオリジナルで製造している商品を含めると、1,000以上もの商品数があると言います。日常の暮らしの中でも香りを楽しめるよう誂えた線香は、新しいライフスタイルを生みだし、悶々とした気分さえ解きほぐしてくれます。そんな人々の心に寄り添い続けてきた薫玉堂の線香には、どのような魅力が秘められているのでしょうか。

香老舗が大切にしている独自の調香帳(レシピ)

薫物の素材 薫玉堂が薫物を作るうえでの最たるこだわりは「厳選した素材を使うこと」と、ブランドマネージャーの負野千早氏は話します。お香や線香の原料は、長い年月をかけて熟成した香木や、今現在も薬や食用として使われている天然香料。自然由来の香りは人に優しく、調合することで香りの世界観に深みを与えてくれます。 薫物の素材 創業家に代々伝わる調香帳(レシピ)には、「丁子ちょうじ(クローブ)」「大茴香だいういきょう(八角)」「桂皮けいひ(シナモン)」など、スパイスとしても馴染み深く香りのイメージも湧きやすい素材をはじめとして、香りの保留効果がある巻貝のふたの部分「貝香かいこう」や、マッコウクジラの腸内に発生する「龍涎香りゅうぜんこう」など、香料として聞き慣れないものも数多く並びます。 香木 薫玉堂では、そういった先人達が積み上げてきた知識とノウハウを基に、様々な素材がバランスよく調合され、時代にそぐう新しい価値が創造されているのです。また、香木に至っては今や希少となり、市場でもなかなか出回らないと言います。薫玉堂では、当主自らが国内外の山中に入り買い付けてきた原料を大切に使い続けるなど、長い歴史の中で培った老舗の底力を感じます。

個体差や天候によって配合を変える職人技

線香の製造工程 430年近く続くレシピを基にして調香される薫玉堂の線香。しかしながら、天然原料はそれぞれの個体が持つ香りに差があったり、その時々の天候によって微妙に香り方が変わってくると言います。個体差や天候に合わせて配合を加減し、常に思い描いた香りとなるよう調香することは、伝統技術を継承する職人こそが成せる業です。

色彩豊かで風情がある、線香のデザイン性

薫玉堂の線香 全国各地の寺院に納める線香を長年あつらえてきた薫玉堂ですが、一般家庭の生活にも取り入れやすいようデザイン性にも配慮が行き届いています。線香には、東山三十六峰に連なる音羽山の湧水「音羽の滝」や、華やかな舞妓の立ち舞う袖をイメージした「祇園の舞妓」など、目を閉じると京の風景が広がるモチーフが名付けられ色合いが表現されています。 パッケージ また、線香の包みには藍や朱など商品に合わせて日本の伝統色が配されています。柔らかさを含んだやさしい色合いは、繊細でありながら存在感もひとしお。棚や卓上に置くだけで、そこから和の世界が滲み広がるようです。色味の異なる種類を複数選んで、色のグラデーションや対比を楽しんでも素敵です。

薫玉堂の線香を、プレゼントで贈るメリットとは

線香 香りの贈り物はスタンダードであるものの、線香を取り扱ったことが無い人にとっては、どういった観点で選べばいいか分からないもの。でもご安心ください。薫玉堂の線香は、いずれも天然素材の優しさを感じる心地よい香り。「弔事ものとして捉えられてしまうのでは」と避けてしまわずに、気に入った芳香やデザインの線香を気軽に贈ってみましょう。

線香ギフトを贈るときのセレクトポイント

薫玉堂の線香 贈り物として線香を選ぶうえでのポイントを、薫玉堂 KITTE丸の内店の店長・長沼氏に伺いました。まず、弔事で使われることが一般的な線香を、贈り物にする是非について「薫玉堂のお部屋で楽しめる線香はパッケージも美しく、もちろん贈り物の用途でお使いになることができます。またお相手さま次第では弔事でお使いになることもできます」と言います。 文香と一筆箋文香と一筆箋 自宅でゆっくり過ごして欲しいと願うなら、線香に合わせて「香立て」をセットで贈ったり、自立するコーンタイプの「お香」※ を選ぶことで、どなたでも使いやすくなると言います。また、手紙を書く人ならば、手紙やポチ袋に忍ばせる「文香」や、文香の移り香がほのかに香る「一筆箋」※ を選んでも喜んでいただけるでしょう。(※:京都本店のみの取り扱い) 醍醐の桜線香 醍醐の桜 お供えなど仏事で線香を贈るシーンには、派手な色味や赤系の色味を避けることがあります。しかし、そういった場面でも相手が気心の知れた関係だったりする場合には、故人がピンク色や桜が好きな人であれば、一言添えることで故人をしのび遺族に寄り添うような、温かみのある贈り物になるのでは」と長沼氏は話します。

礼を尽くした想いが伝わるギフトラッピング

ギフトラッピング ギフトでは、品物を包むラッピングによって、礼を尽くした想いが伝わったり、品物に対する期待感が高まり贈答シーンを彩ってくれたりもします。薫玉堂で用意されたギフトラッピングは、大きく分けて慶事用(お祝い事)と弔事用(お悔み事)の2種類。シンプルながらも品格をまとった紙のラッピングです。 掛け紙と水引き また、掛け紙(のし)や水引きの種類も、用途に合わせて豊富に取り揃えられています。線香が紙箱や畳紙に入った品物であれば、和紙に横一線の赤のし(慶)や黄のし(弔)が印刷された掛け紙がおすすめ。桐箱や塗箱に入った品物なら、白色の奉書紙で包み、金銀・赤白(慶)や銀・黄白(弔)の水引きを結ぶことがが適していると言います。

香りの贈り物がつなぐ、相互の幸福感

白檀 香りの効果について、「気分に合わせて香りを選ぶこともできますし、逆に香りで気分を変えることもできます。白檀や香木には浄化の役目があると言われ、その場を清める目的で香りが使われることもあります。時にはお守り代わりにもなるなど、香りの使い道はさまざまです」と負野氏は話します。 薫玉堂の線香 香りをギフトで贈ることについて「落ち込んでいたり、テレワークでオンオフの切り替えに悩んでいたり、相手の心情に思いを馳せて選べることも香りの面白いところです。相手が喜んでくださったことが自分の喜びにもつながる、そんな相互作用が香りの贈り物の醍醐味だと感じます」と言います。老舗の看板を背負いながら香りを追求する、ブランドマネージャー負野氏の言葉には重みが感じられます。

贈答シーンから選ぶ、おすすめの「香り」ギフト

薫玉堂の線香 線香をはじめとする香りのアイテムは、お墓や仏壇にお供えするだけでなく、様々な贈答シーンで用いられています。気分をリフレッシュさせてくれたり、部屋の臭い消しにもなる香りは、自宅でゆっくりと過ごして欲しいという優しい想いが伝わることでしょう。ここでは、贈答シーンに合わせたおすすめの香りギフトをご紹介します。

友人の誕生日や手土産にセレクトしたい線香

仕事や家事に日々奮闘している友人に贈りたいジャンルが、リラクシングアイテム。誕生日や手土産など、親交の深い友人であれば少しだけ冒険して、一風変わった真新しさを贈りたくなるもの。そんなときに、薫玉堂の線香ギフトで新たな境地を開いてくれることでしょう。 音羽の滝線香 音羽の滝 薫玉堂で年間を通して人気の香りが「音羽の滝」です。その滝つぼに流れ落ちる音羽山の湧水から着想を得ていて、清らかで涼やかな流れを連想させる香りに仕上がっています。ジャパンブルーの線香は、発色が良くお洒落感がありながら、インテリアに格をもたらす伝統的な趣きを感じます。 試香試香 藍 音羽の滝・美山のレンゲ・宇治の抹茶など、京都の名所をイメージさせるような、6種類の線香を詰め合わせた人気のセット商品が「試香 藍」です。エレガントで上品さが際立つ寒色系のグラデーションに、封を開けた瞬間から心を惹きつけられます。香りの説明書を眺めながら、気分に合わせた京景色の線香を燻らせていただきましょう。

両親や祖父母におくる、香皿と香立のセット

父の日や母の日、敬老の日など、大切な家族に贈るギフトでも、線香ギフトは多く選ばれています。くつろぎのリビングインテリアにも溶け込むデザイン性で贈るなら、水面に映る月の姿がイメージされた香皿と香立がセットになった「観月の香皿」はいかがでしょう。 観月の香皿観月の香皿 シンプルでありながらも日本の美しい景観を感じる雅なデザインは、和室であっても洋室であっても様々な場所に馴染み、華やかさを添えてくれます。鉄の香皿と真鍮の香立が絶妙にマッチした組み合わせは、異素材の組み合わせならではの力強さと繊細さを醸し出し、洗練された大人のインテリアとなることでしょう。

何でもない日こそ心遣いが伝わるプチギフト

長引くコロナ禍で在宅ワークが強いられた場面では「香りで癒されたい」と駆け込むお客様が多く訪れた、と話すKITTE丸の内店の店長・長沼氏。奥様が仕事や生活に行き詰まっていて、少しでも気分転換になればという想いを持ち、さり気ない香りの贈り物を選ぶ男性もいらっしゃったと言います。 バスソルトバスソルト FLOWER GARDEN 特別な贈答シーンでなくても、日常のちょっとした心遣いをしめす手段としても香りは一役買います。一日の終わりにお風呂で楽しめるアイテムが「バスソルト」。香りはフラワー・シトラス・フォレストの3種。バスタイムを豊かな時間に変えてくれる一品は、勉学に勤しむ受験生のリフレッシュにもなりそうです。 香袋香袋 クローゼットやカバンに忍ばせることで、ほのかな移り香を楽しめる「香袋」は、コンパクトでお手頃な価格感。洋服や荷物を取り出す瞬間に、ふんわりと漂う和の香りに癒されることでしょう。手織り麻の袋や絹の房など、和の伝統生地が使われた巾着は、海外出身の方への手土産やお礼ギフトにもおすすめです。

楽しみを共有できる「線香づくり」の体験

線香づくり体験 家族やパートナーのお祝いなど、毎年のことで頭を悩ませる贈り物には、いつもと趣向を変えて「線香づくり体験」に連れ出してみてはいかがでしょうか。KITTE丸の内店では、そんな新境地を開拓できそうな線香づくりを体験できるのです。香りの素材選びに始まり、乳鉢で練り上げていく作業工程は、非日常感に没頭でき心のバランスを整えます。 線香づくり体験 専用の道具を駆使しながら細長く成型し、丁寧に切り揃えれば完成(乾燥に一週間ほどかかります)。自分の好きな香りをカタチにするのも良し、お連れの方と互いに線香を作り合っても良し。自分で選び作る楽しさ・完成したときの達成感・持ち帰って燻らせる喜びを、同時に味わえる至高の体験となります。

おわりに

一般的に仏事のイメージが強い線香であっても、祝福や癒しなど楽しい感情を呼び込むことができ、様々なお祝いのシーンに寄りそう贈り物となります。大切な人からの心遣いを感じる線香ギフトは、使うたびに心が和むことでしょう。伝統的な趣きと現代の感性が相まった薫玉堂の線香を、ここぞという機会にご利用ください。
河野 ひろこ

河野 ひろこ

ギフトコンシェルジュ/コンテンツライター/縁起物アドバイザー。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きとショップ巡りがライフワーク。

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