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海外では「japan」と呼ばれ表現されることもある漆(うるし)。歴史を遡ると位が高い人物の器や伝統儀式に用いられ、気品ある美しい艶感とフォルム、そして抗菌性や防腐性などの効果をもつ和食器として、今もなお世界で評価される逸品です。その贈答シーンは結婚祝い・長寿祝い・海外の方への日本土産など多岐にわたり、最大級の祝福や礼儀を込めた贈り物として重宝されます。
旧来は一般家庭でも盛んに利用されていたものの、洋食器が主流となった現代では漆器のある暮らしが薄れつつあります。筆者にしてみても、手持ちの漆器といえば椀と盆くらい。大切に使おうとする余りに棚で眠っている状態が専らです。そんな中で、現代のライフスタイルに寄りそったデザインや、異素材とのミクスチャーを通して漆器の魅力を発信しているブランドに出逢いました。
筆者があらためて漆器を見つめ直すきっかけになった漆器専門店「山田平安堂」。今回は、その代表を務める4代目当主・山田健太氏にインタビューし、漆器ギフトの奥深い魅力に迫りました。意外にも手入れが簡単な漆器は、結婚や出産などの「ハレの日」だけでなく「ケの日(日常の生活)」にもお誂え向き。特別な贈り物にはもちろん、自宅の暮らしに取り入れることもオススメです。
日本が誇る伝統工芸品の「漆器」とは何か?
まず、漆器とは木の器などに漆を塗り重ねたものを指し、狭義では「漆を塗った食器」という意味合いがあります。この漆とは、ウルシの木の幹から採取される樹液のことで、古来から接着剤や塗料として使われてきました。この樹液はそのままだと不純物が多いため、ろ過や精製を行なうことで、私たちが普段から目にする漆器の表面に塗られている漆となります。
漆器の歴史といま現在の立ち位置
漆の葉漆は「古来から使われている」と書きましたが、いつ頃から使われているのかご存知でしょうか? 驚くことに、福井県若狭町の鳥浜貝塚からは、世界最古となる約1万2600年前のウルシの木片が発見されているのです。また、同じ遺跡からは漆を施した装飾品も出土されています。
螺鈿縄文・弥生時代には生活の道具でしばしば見られた漆塗りですが、飛鳥時代以降になると仏像の仕上げ塗りに使われたり、蒔絵や螺鈿(らでん)に代表される高度な技法も生まれるなど芸術要素も強くなります。そして、明治期にはヨーロッパで開催された万国博覧会で高く評価されるとともに、漆の存在が世界中に広まりました。
明治から大正にかけて最盛期を迎えた漆器産業も、現在ではその7分の1程度の規模にまで落ち込んだと言われています。近年では漆塗りの特性が再び注目されつつあるものの、漆器は生活様式から離れた高級品という認識が強まり、人々の暮らしの中では存在感の薄いものとなっています。
漆器の特徴とその代表的な産地
1万年以上前の遺跡から出土品が発見されたことからも分かるように、漆には高い耐久性や耐水性、防腐性があることが知られています。日本国内における漆の生産量トップは日本一の「漆の里」とも呼ばれる岩手県ですが、国内で流通している漆の97~98%は輸入品であり、その大部分は中国からの輸入が占めています。
また、漆塗りを用いた器である「漆器」の最たる特徴として、軽いにも関わらず割れにくいことが挙げられます。その繊細な見た目から、慎重に取り扱われることも多いそうですが、海外に輸送するようなハードな物流形態にも対応するほど堅牢で、使用による破損が少ないことも秀でた利点として挙げられます。
漆器の産地としては、福島県(会津塗)、福井県(越前塗)、石川県(山中塗・輪島塗)、和歌山県(黒江塗)などが代表的です。他にも、蒔絵で有名な金沢塗や、何重にも塗り重ねる”馬鹿塗”で知られる津軽塗など、地域ごとに独自で発展した漆塗りの技法があり、漆器は各地の文化を反映しているような側面もあります。
漆器を長く使うための手入れ・取り扱い
漆器を使ううえで気になることは、日常的なお手入れや取り扱い。デリケートで手間がかかるものと思い込み、敬遠している人もいるのではないでしょうか。そういった懸念点について山田平安堂の代表・山田健太氏に伺うと、「注意すべきことは特段ない」という返答に筆者は思わず拍子抜けしてしました。
漆塗りのランチョンマット山田氏によれば、昔と比べて住環境が改善されている現代において、湿度や乾燥は過剰に気にする必要がないと言います。もちろん食洗機は避けた方が長持ちするものの、食器洗い洗剤やスポンジを使った洗浄は当然の如く行なって良いのだそうです。「漆塗りのランチョンマットなどは拭くだけで抗菌性が保たれるので、むしろ楽なのでは(山田氏)」。
水に長時間つけておかないことや、洗い終わりは自然に乾かすよりも布巾などで拭くなど、一般的な食器と変わらないことさえ念頭に置けば長持ちするため、ギフトで贈るときにわざわざ注意を促す必要がないことも安心できます。お手入れに手間のかかるものは使ってもらえないのでは、と思って漆器ギフトを避けていた人も気楽な心持ちで候補に挙げることができそうです。
宮内庁御用達を拝命した漆器専門店「山田平安堂」
山田平安堂 代官山本店日本各地に様々な塗り技法が分布している伝統的な漆器。そんな漆器をより身近に感じることのできる、おすすめの漆器専門店が「山田平安堂」です。優雅で洗練されたデザインが雅やかな「京漆器」を広めるため、1919年(大正8年)に日本橋の地で創業し、現在は代官山に本店を構えながら京漆器のみならずオリジナルの漆器を製造販売しています。
山田平安堂は「宮内庁御用達」の業者としても認められ、外務省や各国の大使館に収める漆器も手掛けているため、その美しさと品質は折り紙付き。そう一聞するとやはり高級品としてのイメージが浮かびますが、現代の暮らしに溶け込むデザイン性や漆器のジャンル、手に取りやすい価格帯に努めることで、若い世代にも受け入れられやすい漆器を数多く取り扱っています。
山田平安堂のブランドコンセプト
「漆器を通じてライフスタイルを豊かにする」ことをミッションに掲げる山田平安堂。食器だけにとどまらず、インテリアやファッションアイテムなど幅広いジャンルの商品を取り揃えるとともに、いかに現代の生活の中で漆器が活きるかを考えながら商品開発を続けています。
最盛期とされる100年ほど前に比べると縮小傾向にある漆器市場ですが、「漆器の品質や魅力が損なわれたわけではなく、時代に合わせた新しい提案をしてこなかったことが問題」だと山田氏は昨今の状況を憂うと同時に、漆器が再び返り咲くことへの情熱を滲ませます。
現代のライフスタイルで活きる漆器をつくることで、昔と同じように漆の価値や魅力が広く再認識されるはず――。山田平安堂では、時代に合わせた漆器づくりに挑戦し続けることで漆器市場の再興を目指し、今では徐々にその成果が出始めていると言います。人の心を掴み離さないポテンシャルを秘めている漆器だからこそ、時代に沿う美しさを追究することで再び脚光を浴びるのでしょう。
商品づくりに対する強いこだわり
現代のライフスタイルに寄りそう商品づくりを心掛けてはいるものの、人の目を引くために決して奇抜なことをしているわけでないと山田氏は言います。山田平安堂が推し進める “モノづくり” のなかで、特に大切にしていることを伺いました。
山田平安堂で取り扱っている商品の約95%は、直営の工房と委託工房でつくられたオリジナルの漆器です。たとえば、飾り額は丸い額に絵を描いたものだけでなく、なめらかな扇形の額に絵を描くことで凡庸な印象を打破しています。角の面取りや装飾の美しさなど、細やかな心配りを挙げだすとキリがありません。
若い世代に漆器を普及させるための施策について質問したところ、「若い人に限らず、昨今では年配の方でさえも漆器に馴染みのないことが多い。過度にモダニズムを追求するのではなく、伝統を大切にしながらも、世代を問わず漆器に興味を持ってもらえるよう努めている」と山田氏は答えてくださいました。
その結果として、「若い世代の人たちが漆器のファンになってくれたら嬉しいですし、年配の方も漆器を再評価してくれるような空気感になることを望んでいます」と締めた山田氏の言葉に、漆器に対する深い愛情や精励恪勤への意気込みを感じ得ました。
漆器ギフトを贈るうえで大切なセレクトポイント
慶事から弔事まで、まさに冠婚葬祭の贈り物としてさまざまなシーンで活躍する漆器。ギフトで選ぶときに配慮すべきポイントはあるのでしょうか。山田平安堂では、贈答シーンや予算、贈り相手のライフスタイルをヒアリングするだけではなく、贈り主の想いを汲んで提案するよう心掛けているとも言います。自身が漆器の魅力に惹き込まれることで、人にも自信をもって贈ることができるのです。
漆器をおくる代表的な贈答シーンとは
結婚祝いなど、幸せがいくつ重なってもよい慶事で贈られる品物のひとつが「重箱」です。重箱には「お目出度いことを重ねる」という意味が込められています。重箱には食べ物だけでなく、様々な思い出を詰め込むこともでき、お正月のおせち料理、お花見や子供の運動会のランチボックスとして記憶に刻まれます。古き良き時代の習慣としても、重箱にお菓子を詰めて贈るようなお祝いの仕方があったそうです。
「不幸を塗りつぶす」という謂われから、仏事には色を塗り重ねた漆器がよく用いられますが、香典返しなどの不祝儀の場面では「不幸が重なる」ため重箱は避けられます。そういった弔事では、祖先の霊を祀る盆行事の由来としてお供え物をのせる目的で使われた「お盆」が選ばれたりします。特に円形の丸盆は「縁」をつなぎ、物事が円滑に進むことを祈る品物として重宝されます。
幸福を祈願する「縁起物」で選ぶことも
漆の艶やかさや箔の輝きを眺めているだけでも縁起の良さを感じる漆器ですが、幸福を呼び込むような絵柄やカタチで選んでみても素敵です。豊富なラインナップを誇る山田平安堂の漆器には、お祝い事にピッタリな縁起物モチーフの漆器が数多く揃えられているのです。
人と人の縁を結び幸せをもたらす「梅の花」や、急流を乗り越えたことで立派な龍になったと言われる「鯉」、”難を転ずる” とされる「南天」など。古来から縁起物として人々に親しまれているモチーフは、相手の更なる繁栄を祈る気持ちを存分に伝えてくれます。昇進や栄転祝い、表彰記念品など稀有な贈答シーンにもお誂え向きです。
また、「末広がり」の形状を取り入れた椀や、長寿や健康の象徴として親しまれる亀の甲羅を模した「六角型」など、器の形に縁起物を取り入れても奥深さが感じられる長寿祝いになりそうです。ご夫婦に贈るなら「鶴亀」がそれぞれ描かれた漆器のセットもおすすめで、長寿のお祝いとともに仲睦まじい夫婦を表現することができます。
そもそも「割れにくい」「欠けにくい」という性質をもった漆器は、縁起の良さを感じさせ贈り物に相応しいと考えられています。また、日本の伝統工芸品として古来から外交にもしばしば用いられ、現代でも海外の方への日本土産や贈答品に重宝されています。このように漆器を贈るシチュエーションは数多く、贈答機会ではまず漆器を思い出してみると答えが見つかるかもしれません。
特別な想いを刻み込む「名入れ」サービス
山田平安堂で取り扱われる大半の商品には「名入れ」を施すことができます。贈り物に記念日や相手の名前を入れることで、より一層想い入れのある品物へと昇華され、愛用品として長く使ってもらえるだけでなく、頂き物の思い出として相手の脳裏にも深く刻み込まれることでしょう。
山田平安堂での一番人気は、専属の筆耕が金の塗料を使ってひとつひとつ名入れするサービスです(1文字220円、2週間程度)。名前だけでなく記念日を入れることが可能で、英数字にも対応しているため海外の方への贈り物にも重宝します。50文字以上や企業ロゴの場合は版印刷名入れとなります。
お椀など洗うことが多い食器におすすめなサービスが、金蒔絵での名入れです(3文字まで3,300円、4~6文字で7,700円、7文字以上応相談)。漆で文字を書き、金粉を蒔くという何とも雅な施しは、おめでたいお祝いの場を華やかに彩ってくれることでしょう。見栄えや器の性質に合わせた名入れ方法をぜひ選んでみてください。
丁寧さが伝わる「ラッピング」も決め手に
ショップオリジナルの包み紙やリボンラッピングは、信頼の置ける品物であることを伝え、高級感や高揚感を増幅させる大事な要素となります。山田平安堂のラッピングペーパーは、椀モチーフが幾何学的に表現されたオリジナルデザイン。和の趣きを感じるリボンで結ばれ、伝統的な重厚感を醸しだすほど礼を尽くした贈り物として誂えられます。
山田平安堂では他にも、長寿祝いの贈答品で選ばれることが多いという「鶴と亀」のタグが付いたリボンラッピングや、一部の夫婦椀商品のみで選べる「梅水引」のラッピング、用途に応じた熨斗紙や掛け紙などが用意されています。贈答品に相応しい漆器の専門店ならではの豊富なラッピング・バリエーションは、さまざまな贈答シーンで頼りになる所以でもあります。
安心できる「アフターフォロー」サービス
山田平安堂のすべての商品には、和英で書かれた取扱説明書が付いているため、海外の方はもちろん、初めて漆器を手にする方でも安心して使っていただけます。また、要望に応じて中国語の説明書を付けることも可能とのことで、グローバル対応にも余念がありません。
また、漆器は堅牢とは言うものの、高い場所から落とせば欠けることもあり、使い続けていれば漆が剥がれることだってあります。そういった場合には、山田平安堂のウェブサイトやお電話からご相談ください。色褪せや擦り傷に対する塗り直しや、欠けた部分があれば漆による接着・補修が可能で、新品同様に修復することができる場合があります。
山田平安堂のお問合せ窓口しなしながら、そういった場合でも「大切な人の形見や代々使い続けているものでなければ、修理しないことを勧めたりもする」と山田氏は言います。修理に出すと定価以上の費用がかかることもあり、2ヶ月程の修理期間で代替品も考えなければなりません。いつかまた割れてしまうことを考えると、「食器は消耗品」と割り切って新調する方が安く済むことも多いそうです。
贈答シーンに応じて選びたい、おすすめの漆器ギフト
山田平安堂の漆器は、贈答シーン別にみると「結婚祝い」用途で利用されるケースが多いと言います。さらに近年では、年配の方への長寿祝いや法人ギフト、海外出張土産としての需要も増えてきているそうです。ここでは、そんな贈答シーンごとにおすすめしたい漆器ギフトをピックアップしてご紹介します。
結婚祝いとして贈りたい「ペア」アイテム
夫婦椀 金結び結婚祝いの代表格といえば夫婦椀。山田平安堂では様々な形やデザインをした椀が並んでいるので、ご夫婦のイメージに合った夫婦椀を選び取ることができます。結婚指輪をイメージした金のラインが高台に施された『夫婦椀 金結び』は、シンプルなデザインでありながら上品さが際立つ一品です。新婚夫婦の食卓に天然木の温もりを添え、夕食に用いれば穏やかな気持ちで日中の報告会ができそうです。
寿恵広グラス 金龍銀龍(ペア)ガラス素材に漆塗りがマッチした食器なら、より日常使いを意識したギフトになることでしょう。ドイツを代表するクリスタルガラスメーカー「シュトルツルラウジッツ」とのコラボ商品『寿恵広グラス 金龍銀龍(ペア)』は、透明度の高いクリスタルガラスに蒔絵手法を用いて刷毛目を描いたペアグラス。爽快に吹き抜ける風を閉じ込めたようなデザインは、炭酸やワインカクテルを引き立てる夏にピッタリな贈り物です。
就職・昇進のお祝いに「名入れ」アイテム
イニシャルカフス男性の就職・転職祝い、昇進のお祝いでプレゼントしたい一品が、セミオーダー品の『イニシャルカフス』です。スターリングシルバーに漆塗りを施したカラーラインナップは「明雲(めいうん)」「夜雲(やぐも)」「金蒔絵」「錫蒔絵」の4種類。相手のイメージや好みに合った色味を選べることも魅力です。
筆記体でイニシャルを入れることができるため、特別感のある演出とともに品格を漂わせる一品となります。腕元で存在感を放つビジネスファッションアイテムは、ここぞのプレゼンテーションやカンファレンスなどで使いたい、とっておきの勝負アクセサリーとなることでしょう。
長寿祝いには健康を祈る「縁起物」デザイン
それぞれの長寿祝いには祝い色(イメージカラー)があることをご存知でしょうか。還暦なら赤色、古希・喜寿なら紫色、傘寿・米寿なら金色、卒寿・白寿・百寿なら白色など、色味で品物を選ぶことが一般的です。また、「鶴は千年、亀は万年」ということわざから、長寿の縁起物である鶴亀の絵柄を選んで贈ることもあります。
寿恵広鉢 鶴亀(ペア)『寿恵広鉢 鶴亀(ペア)』は、逆さにすると末広がりの形になる器に、蒔絵の技法で鶴と亀がそれぞれ手描きされたペアボウル(鉢)。サラダボウルや丼椀としても使える大きめサイズなので、来客時から毎日の食卓にまで使い勝手よく重宝します。陶器と違って軽量な点も、高齢の方にとっては嬉しいポイントになるのではないでしょうか。
櫛小箱 蜻蛉/梅幾つになっても身嗜みへの配慮を忘れないおばあちゃんに贈りたいギフトが『櫛小箱』です。大切なアクセサリーやお気に入りの小物を収納することができ、ドレッサーだけでなくリビングや玄関などお好きな場所に置いて使うことができます。黒塗りの小箱に金色の蒔絵が施されているので、傘寿や米寿などの長寿祝いにもうってつけです。
海外の方なら和柄の「ライフスタイル雑貨」を
フォトスタンド海外の方への贈り物なら、日本の風景を感じられる『フォトスタンド』はいかがでしょう。四季を感じられる桜と紅葉、国花でもある菊桜など、雅やかなデザインは日本らしさが凝縮された一品。フォトスタンドは薄型で持ち運びやすいため、機内に持ち込む負担が軽いことも魅力です。縦横どちらの向きでも使用できるので、お気に入りの写真をそのまま飾っていただけます。
サラダボウル 昇龍洋食器との相性もよい漆器アイテムは、ホームパーティーが好きな相手に贈れば喜ばれること間違いなし。『サラダボウル 昇龍』は、漆黒の器に金の刷毛目が映える、重厚感と華やかさを兼ねたプレミアムな一皿。深さがあるので、サラダを盛り付ける用途だけでなく、フルーツボウルやシャンパンクーラーとして活用することもできます。主役級のテーブルウェアとして、パーティーシーンを華やかに飾ってくれることでしょう。
手土産やほんのお礼に「和菓子」の詰め合わせ
老舗和菓子セット創業120年を誇る老舗銘菓「赤坂青野」と、山田平安堂の漆器重箱がタイアップしたインターネット限定ギフト『和菓子の詰め合わせ』は、礼を尽くしたい場面に相応しい和スイーツギフトです。お重を見て、和菓子を食べ、食べ終えてもお重に食材を詰められる、幾度となく楽しみを味わえる贈り物になることでしょう。
詰め合わされた和菓子の種類は4つ。黒糖が練り込まれたクルミ入りの生地にたっぷりのきな粉がかかった赤坂青野の看板商品「赤坂もち」や、スティーブ・ジョブズ氏もこよなく愛した大納言の餡子をふんだんにあしらった贅沢な菓子「富久もなか」などを味わうことができます。
重箱のデザインも2種類から選ぶことができます。手土産や御礼などのビジネスギフトにぴったりな『宝尽くし』は、「おめでたい円(=縁)が広がっていって欲しい」という願いが込められ、七宝や小槌、”富”の象徴である分銅などの縁起物が円に散りばめられています。
結婚祝いや出産祝い、そのお返し(内祝い)に最適な『背守り』。子供を守るため産着の背中に刺繍をしたことが由来となった伝統習慣の「背守り」をコンセプトにしたデザインで、「これからも元気で過ごせますように」という願いが込められています。健やかな成長を願う兎や、”幸守”に通ずるコウモリ、”不退転”の昆虫や蜻蛉などが可愛らしいタッチで描かれています。
小さな重箱は、子供用の器に転用してもエンターテインメント性をもたらし食事が楽しくなりそうです。桃の節句に手まり寿司を詰めたり、料亭のランチ膳のように料理を詰めたりするなど、魅せて楽しみたい食事のシーンに活用することができます。
山田平安堂の4代目当主が考える漆器ギフトの魅力
さまざまなシーンで活躍が見込まれる漆器のギフト。山田平安堂の現代表であり4代目当主でもある山田健太氏は、漆器を贈ることの魅力についてどう考えているのでしょうか。山田氏は「貰う側からすれば一番嬉しいのはキャッシュで、その対極にあるものが漆器だと思うのです」と切り出し、以下に続けます。
しかしながら、”モノ”には、時間が経っても贈られた当時のことを思い出させてくれる特異な性質があります。それはお金やコトギフトにはない魅力。山田平安堂の漆器は長く使っていただくことを前提にしていて、そういった温もりのある気持ちを込めることが贈り物には必要なのだと思っています(山田氏)。
「せっかく漆塗りの食器を持っているのに、大切にし過ぎる余りに使わないことは悲しいこと」と微苦笑を浮かべる山田氏。使うことこそが贈り主の想いに報いることであり、漆器の良さを知ることで再び漆器を選び取っていく循環を創り出していくのです。食器棚に眠らせた漆器があることを思い出した人は、ぜひ気軽に日常に取り入れながらその良さを確かめてみてください。
おわりに
伝統的な趣きがありながらスタイリッシュな雰囲気を醸し出し、ゆったりとした時間軸を生きる漆器。最新のスマート家電やタオルのような消耗品とも異なり、贈られた人が丁寧に使いたくなる「豊かな暮らし」をプレゼントできます。どなたに贈っても上質を感じていただける漆塗りのアイテムなら、節目のお祝いから感謝のしるしまで、さまざまなシーンで活躍することでしょう。