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大人になると、友達や会社の同僚の結婚式で、受付を依頼されることもありますよね。受付係は少し早めの時間に到着する必要があったり、他の友達とゆっくり談笑する時間が少なくなったりしますが、大勢のゲストの中から受付に選ばれることは嬉しいものです。
友達や同僚の結婚を心から祝福し、結婚式を円滑に進められるように、受付を頼まれたら当日の流れや受け答えのマナーを知っておきましょう。直前におさらいするだけでも余裕が生まれ、スムーズな対応ができるはずですよ。
受付で必要なものと事前準備
結婚式の受付で必要なものは、一般的には会場側で用意されているため、自分達で準備することはありません。ただし、手作り感のあるウェディングパーティであったり海外挙式では、受付の準備がされていないケースもあるため、受付に必要なものがあるかどうか事前に確認してみてください。
受付のために必要なもの
- ご祝儀を納めるお盆(広蓋)
- ご祝儀に被せる風呂敷や和紙(無い事が多い)
- ゲストリストや名簿
- マーカーペン
- ご祝儀を集めて入れる袋や箱
ゲストのために必要なもの
- 芳名帳(ゲストの名前と住所を記入する帳簿)
- 筆ペンやサインペン
- 席次表などの配布物
- お車代(タクシーチケットや駐車券の場合も)
結婚式の受付で必要なものは会場によっても異なりますが、基本的にはゲストの来場をチェックして、ご祝儀を受け取ることができれば問題ありません。ゲストに渡す配布物やお車代は、新郎新婦の意向であったりなかったりするため、当日にでも確認しておきましょう。
受付に相応しい服装
結婚式の受付は両家の顔となる存在ですので、清楚な雰囲気が望ましいとされますが、基本的には一般のゲストと同じような服装や髪型で問題ありません。ここでは、強いて言うならというポイントに絞って、受付に相応しい服装をご紹介します。
女性の服装
- 花嫁のドレスと被ってしまう白色や派手な原色の服装、胸元の開いた服やミニスカートは避けましょう。
- 振袖(未婚)や色留袖(既婚)など和装でもOKですが、他の受付係と合うような服装にすると良いです。
- 靴はカジュアルなパンプスを避け、底の高過ぎないヒールを履くようにしましょう。
- アクセサリーはパール(真珠)のネックレスが基本とされ、派手過ぎず上品なものを選びましょう。
- お辞儀をする機会が多いため、髪型はアップもしくはハーフアップが望ましいです。
- メイクやネイルも派手過ぎず、控えめな雰囲気にしましょう。
男性の服装
- チェックやストライプのスーツは出来るだけ控えて、ブラックスーツかグレーやネイビーのダークスーツを着るようにしましょう。
- シャツは、柄物や派手なストライプを避け、基本的には白色の無地を選びましょう。
- ネクタイは、弔事用の黒色はNGで、光沢のある白色やシルバーが望ましいとされます。蝶ネクタイにする場合は黒色でもOKです。
- 靴は、紐付きで黒色の革靴が基本で、靴下も白色や柄物を避けて黒系の色にしましょう。
- カフスボタンやチーフなどがあればよりフォーマルに見えますが、ピアスや派手な指輪は外しましょう。
受付係の当日の流れ
結婚式の受付係は、一般のゲストよりも早めに到着する必要があるため、事前に一般の開始時間と受付係の集合時間を確認しておきましょう。通常は、開宴の30分前に一般ゲストの受付が開始されることが多いため、その30分前である開宴1時間前には到着するように心掛けましょう。
会場側との打ち合わせ(開場前)
受付係の集合時間に到着したら、会場側から受付のやり方や手順について説明を受けます。一般的に受付係は、新郎側が2名、新婦側が2名となるため、このタイミングで挨拶と役割分担をしておきましょう。また、ゲストから会場内の施設について聞かれることもあるため、トイレや待合室、喫煙所、更衣室、クロークなどの場所は確認しておくと良いでしょう。
会場側から受付の手順について説明を受けて、時間があれば、新郎新婦の親族に挨拶をしましょう。そして、受付の開始時間までに、受付で使う備品のチェックと自分自身の受付、身だしなみのチェックを済ませておくとスムーズです。
来場するゲストへの挨拶
一般ゲストの受付時間になったら、受付に来るゲストに対してその都度挨拶をしましょう。笑顔で丁寧に対応することを心掛け、親しい友達が来ても長話は慎みましょう。受付時の受け答えについては「受付係としての受け答え例」にて後述します。
ご祝儀の受け取り
ゲストに挨拶をしたら、ご祝儀を受け取り、ゲストリストや名簿にチェックを入れます。そして、受け取ったご祝儀を、指定の入れ物で管理します。ご祝儀の受け取り方については「ご祝儀の受け取り」にて後述します。
芳名帳への記帳を依頼
ご祝儀を受け取ったら、芳名帳などの帳簿に記入をゲストに促します。芳名帳がない場合もあるので、その時はしっかりと名前を確認して、ゲストリストのチェックから漏れないようにしましょう。芳名帳の記帳については「芳名帳への記帳を依頼」にて後述します。
席次表やお車代を渡す
最後に、席次表などの配布物をゲストに渡します。事前にお車代を渡すように依頼された場合、芳名帳への記帳が終わったタイミングで、該当のゲストにお車代を渡します。席次表の渡し方については「席次表の渡し方」、お車代の渡し方については「遠方から来たゲストへのお車代」にて後述します。
受付係としての受け答え例
結婚式の受付係は両家の顔になるため、挨拶や返事などのやりとりに注意して臨みましょう。丁寧で親切な受け答えをすることで、気持ちよく結婚式の始まりを演出することができます。ここでは、受付係としての受け答えの例をご紹介します。
あなた
本日は、お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございます
ゲスト
本日は、おめでとうございます。新郎(新婦)友人の〇〇です
ゲスト
ささやかですが、お祝いでございます
あなた
ありがとうございます。お預かりいたします(ご祝儀袋を受け取る)
あなた
恐れ入りますが、こちらにご記帳をお願いいたします(ペンを渡して記帳を促す)
あなた
新郎新婦より、こちらをお預かりしています。お納めください」(お車代を渡す)
あなた
こちらが席次表でございます。お飲み物の用意がございますので、開宴まで待合室にてお待ちください」(配布物を渡す)
ご祝儀の受け取り方
ゲストがご祝儀袋を差し出したら、受付係は必ず両手でご祝儀袋を受け取り、お辞儀をしてください。ご祝儀を受け取ったら、広蓋(ひろぶた)と呼ばれるご祝儀を納めるお盆の上に置きます。お祝いムードを演出するために、ご祝儀は集荷用の袋や箱には入れず、この広蓋の上に積み重ねていくようにしましょう。
ご祝儀を納めたら、ゲストリストや名簿にマーカーペンなどで、受け取ったことに対するチェックを入れます。ゲストの名前を聞き漏らしたり、よく聞こえなかった場合は、再度確認をして間違いのないようにしましょう。ご祝儀の中身や金額は絶対に確認しないでください。
芳名帳への記帳依頼
芳名帳と呼ばれる帳簿がある場合、ゲストに名前と住所を記入してもらうように依頼します。芳名帳への記帳依頼については、事前に用意された筆ペンかサインペンを両手で渡して、一人ずつ記入してもらうようにします。
基本的に結婚式に招待されたゲストは、新郎新婦側で既に住所を把握しているケースがほとんどですが、その年の年賀状やお中元・お歳暮を送るために必要な情報ですので、芳名帳がある場合は必ず記帳してもらいましょう。
席次表の渡し方
最後に、席次表などの配布物を両手でゲストに渡します。事前にゲストの人数と席次表の数を確認しておき、一人に一部ずつ渡すようであれば、家族を代表してご祝儀を渡すゲストに対しても、家族の人数分の席次表を渡しましょう。
席次表に書いてあるケースもありますが、席次表を渡すときに、開宴時間と待機場所(待合室や控え室)を伝えると親切です。また、飲み物の用意があったり、トイレや喫煙所の場所を聞かれることもあるため、事前に会場側に設備を確認しておくようにしましょう。
遠方から来たゲストへのお車代
事前に遠方のゲストに対して、お車代(お足代)を渡すように依頼された場合、該当のゲストかどうかをチェックして、お車代を渡します。お車代がある場合は、芳名帳への記帳が終わったタイミングで渡すようにしましょう。
お車代は、タクシーチケットや駐車券のケースもあります。いずれにしても、ポチ袋やチケットがゲストから正面に見えるように、両手で手渡すことがマナーとされています。お車代がないゲストへの配慮として、出来るだけ目立たないように渡すことがポイントです。
受付係として謝礼をもらったら
結婚式の受付係をすると、しばしばその見返りとして交通費などの謝礼(心付け)をもらうことがあります。おめでたい場ですので、謝礼の受け取りは断らず、ありがたく頂戴するようにしましょう。
一般的に、結婚式の受付に対する謝礼の相場は「3千円~5千円」といわれています。もし、これよりも多くいただいて恐縮してしまう場合は、お金をお返しするのではなく、改めてお祝いの品やお中元・お歳暮などを贈ってお礼を伝えるようにしましょう。
結婚式の受付を頼まれることは、人生でもそう多くない貴重な経験です。難しいマナーや礼儀はありませんが、ざっくりと流れを確認しておくだけで、始まってからの後悔がないはずです。大人の振舞いを心掛けて、新郎新婦の晴れの場を、気持ちよくお祝いしてあげてください。