INDEX
- 香典返しとは何か?
- 香典返しのセレクトポイント
- オススメしたい香典返しの品物20選
- ① 賛否両論の和惣菜詰合せ
- ② dancyuのグルメカタログギフト
- ③ ソウ・エクスペリエンスの体験ギフト
- ④ TOKYO COWBOYのミートギフト
- ⑤ Noritake(ノリタケ)の煎茶器揃
- ⑥ 清峰堂の九谷和グラス
- ⑦ 山田平安堂の漆塗り丸盆
- ⑧ RIVERETの木製プレート
- ⑨ 日本橋木屋のグルーミングセット
- ⑩ 花一会の碗もなか詰合せ
- ⑪ 一保堂茶舗の玉露・煎茶詰合せ
- ⑫ 山本山のお茶・海苔詰合せ
- ⑬ 石神邑の弔事用梅干し
- ⑭ 千疋屋総本店のピュアフルーツジェリー
- ⑮ 丸山珈琲のドリップバッグアソートギフト
- ⑯ WEDGWOODの紅茶アソートセット
- ⑰ sara-laの今治フェイスタオル
- ⑱ リブレヨコハマのオリジナル洗濯洗剤
- ⑲ CLAYDのブックパッケージバスソルト
- ⑳ セゾンファクトリーのドレッシング詰合せ
- 香典返しに添える挨拶状とは
- 香典返しの品にかける掛け紙について
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故人をしのび遺族に寄り添うための「香典」をいただいたら、心ばかりのお礼である「香典返し」を贈ることが日本古来からの習わし。悲しみに暮れる中でも、故人や遺族を想いやった厚意に対して感謝を示すことが必要になります。礼をもって礼を尽くす、まさに「和」の心が贈り物には息づいているのです。
香典返しと聞けば、漠然と日本茶を思い浮かべる人も多いでしょう。香典返しの品物には、お祝いの贈答品よりも伝統的な謂われや避けるべきものが多く存在するため、多少なりともマナー作法を知っておく必要があります。本記事では、そういった香典返しのマナーとおすすめの品物をピックアップしてご紹介します。
香典返しとは何か?
香典返しとは、通夜や葬儀でいただいた香典に対する感謝の「お返し」という意味合いが主で、忌明け法要(四十九日 ※七七日とも呼ぶ)を無事に終えたことの「報告」も兼ねています。仏教では逝去後四十九日のことを中陰と呼び、中陰が満ちて忌明けを迎えることで故人の霊が成仏したことになり、その感謝の志という意味から特に西日本では香典返しのことを「満中陰志(まんちゅういんし)」と呼びます。
また、香典(香奠)は「線香の代わりとしてご霊前に供える金品」のことを指し、本来的には香典を返すという風習はなかったそうです。江戸時代頃になると、香典をいただいた際に香典帳と呼ばれる帳簿に名前・住所・金額を記載しておき、相手方に不幸があったときに同じ金額の香典を供える相互扶助の慣例が広まり、これが香典返しのルーツと言われています。
ちなみに、現代では人が亡くなると不動産や金融資産など財産の相続登記(名義変更)が必要となりますが、香典や香典返しは相続財産にはあたりません。 相続税に関する規定では、香典や香典返しといった金品は基本的に非課税と定められているので相続税がかからず、贈与税も発生しないそうです。
香典返しはいつ渡すものか?
前述の通り、香典返しは仏式の忌明け法要(四十九日)を終えた報告という意味合いがあるため、一般的には「四十九日が過ぎた後」に贈ることが通例です。四十九日の数え方は、亡くなった日(命日)を一日目として計算しますが、各家庭の都合から必ずしも四十九日の当日に忌明け法要が行われるわけではないことに注意しましょう。
また、忌明けが年を越してしまうケースでは三十五日を忌明けとしたり、神式では三十日祭や五十日祭を忌明けとしたり、忌明けという観念がないキリスト教では三十日追悼ミサや一ヶ月目の召天祭に埋葬をすませた後で記念品を贈ったりするため、「四十九日法要後から一ヶ月以内」が妥当とされています。
ただし、近年では「出来るだけ早くお返しをすませたい」という考え方から、葬儀や告別式の当日に香典返しを渡す「当日返し(即日返し)」というパターンや、初七日法要のタイミングで香典返しを渡すパターンなどもあるそうです。宗派や地域によって様々な考え方があるので、心配なら身近な人に相談しておくと安心です。
香典返しの渡し方(お礼の仕方)
香典返しは元々、喪主が品物を持参して相手方を訪問することが通例。しかしながら、親族や知人が遠方に住んでいることが多くあったり、訪問の手間・負担を軽減する意図から、現代では挨拶状やお礼状を添えて郵送するのが一般的になっています。もし香典返しの時期に間に合わなかった場合は、ご挨拶が遅れた旨のお詫びを添えて送るようにしましょう。
ただし、遺族側の負担を減らしたい意図で、芳名帳や香典袋に敢えて住所を書かず、香典返しは不要という心遣いを示される人もいます。芳名帳・香典袋もしくは口頭などで香典返し辞退の意志を示していたか確認し、その場合は香典返しを贈るのではなく代表者や知人を介して手紙や電話でお礼を伝えると良いでしょう。
香典返し辞退の意志が分からないのにも関わらず住所が不明な場合、相手方の住居が分かるのであれば直接訪問して香典返しを手渡ししたり、電話で香典返しを贈りたい旨を伝えたりしましょう。こういったケースでは相手方との関係性が大切で、親交がさほどなかったり共通の知人がいないのであれば、無理に香典返しを贈る必要はありません。
稀に、故人や遺族の意向で、香典を福祉団体や基金などに寄付することもあります。寄付先が特定されていない場合にも、社会福祉協議会に託すことで希望に添った団体に寄付するとともに、参列者リストの人に感謝状を送ってくれることがあります。香典を寄付したら香典返しは贈らず、その旨を挨拶状(お礼状)に書き添えるようにしましょう。
香典返しのセレクトポイント
現代では贈り物における謂われをさほど気にしない人も増えてきて、縁起を担ぐよりも相手のニーズを汲んだ品物を選ぶことが多くなっています。ただし、不祝儀に関しては地域性だったり、年配者を中心に気にする方も多くいるため、相手方の思想を推し量ることが大切です。迷うようであれば、古来から香典返しでタブー視される品物は避けることが無難です。
香典返しなどの不祝儀では、肉や魚など「四足生臭もの」を避けることや、「不祝儀をあとに残さない」という考え方からカタチに残る品物を避けることが代表的な謂われとして存在します。また、結婚式の引出物に用いられる「かつお節」、おせち料理などおめでたい場に相応しい「昆布」、お祝いの席で振る舞われる「お酒」なども避けた方が良いと言われています。
これらを勘案すると、食べたり使ったりすることで無くなる「消えもの」が最も適していると言え、日本茶・紅茶・コーヒー・お菓子・海苔・梅干し・洗剤・石鹸・タオル・カタログギフトなどがよく選ばれています。郵送であれば、持ち運びのこと(サイズや重量)は気にする必要はありませんが、賞味期限が短すぎる日持ちがしない品物は避けましょう。
特に、香典返しといえば日本茶(緑茶)というイメージがありますよね。お茶は古くから境界を区切る象徴として考えられ、この世とあの世の境界を越えて旅立つという意味を持たせ、故人とお別れをするための品物と信じられていたからです。また、陶磁器には「故人が土に還る」、漆器には「不幸事を塗りつぶす」といった意味があり、茶器や食器も香典返しでよく選ばれています。
ところで、筆者はギフトコンシェルジュとして日々贈り物の相談を受けていますが、香典返しでタブー視される品物についても質問をいただくことがあります。そういった経験を基にした個人的な意見としては、手間を掛けられるのであれば「ひとりひとりに合った返礼品」を贈るべきと考えています。
たとえば、年配者に茶器を贈っても既に持っていることが多く、敢えて現代的なカタログギフトや体験ギフトを贈っても良いかもしれません。また、独身の若い世代に日本茶はあまり喜ばれないので、伝統的な謂われを気にしないならお肉やガジェットなどを贈っても良いでしょう。特に香典を多くいただいた人に対しては、汎用性が高いものよりもパーソナルギフトを贈ると心遣いが伝わります。
香典返しの一般的な金額相場
香典返しにかかわらず、贈り物の返礼品は「半返し」と呼ばれ、いただいた金額に対して2分の1から3分の1程度の金額帯で品物を贈ることが通例です。香典は故人との関係性によって、5000円・1万円・3万円・5万円(10万円)といった金額帯で包まれることが多いので、1000円~2000円・3000~5000円・1万円・1万5000円~2万円と、いただいた額に応じて香典返しを選ぶと良いでしょう。ただし、返礼品が高額過ぎると却って失礼にあたるので注意が必要です。
また、香典には現金を避けて、絵ろうそく・線香・胡蝶蘭・フラワーアレンジメントなどを贈るといったケースも多くあります。その場合は香典返しを辞退する意図の可能性もあるので、手紙や会話の内容から判断しましょう。それでも香典返しを贈りたいなら、いただいた品物がいくらくらいの金額なのかインターネットなどで調べて半返しを心掛けると良いでしょう。
オススメしたい香典返しの品物20選
香典返しの品物を選ぶときは、百貨店のサービスカウンターなどで挨拶状と一緒に注文すると便利ではあります。しかしながら、それぞれの人に合わせてより特別な贈り物をしたいと思うこともあるでしょう。ここでは、筆者がおすすめする香典返しの品物をご紹介しますので、是非とも参考にしてみてください。
① 賛否両論の和惣菜詰合せ
昔の葬儀では近所の人が供物を持ち寄り、故人を供養する習慣がありました。通夜に来てくださった人には供物のお返しとして振舞いの席を設け、来られなかった人には品物を贈り、これが香典返しの始まりとも言われています。香典返しに食品類を贈ることはその時代の名残で、忌明け法要での引物にも使用されています。
賛否両論は、日本料理界の風雲児・笠原将弘氏が店主を務める予約の取れない人気和食店。旬の食材を使用した絶品料理の数々は、舌の肥えた大人たちをも魅了し続けています。「和食をもっと身近に感じてもらいたい」という想いから監修された「至福の和食ギフト」は、蒸し鶏の梅ジュレ仕立て、若鶏の太巻き昆布巻、つくねの蕪みぞれ仕立てなど、丁寧な贈り物にふさわしい上品な彩り和惣菜です。
② dancyuのグルメカタログギフト
全国の食いしん坊のための食と暮らしを豊かにする体験型メディア「dancyu(ダンチュウ)」が提供するグルメカタログギフトと聞けば、間違いのない逸品揃いだと想像に堪えません。お相手が好きなときに好きなものを選べるカタログギフトは、必ずや贅沢気分に浸ってもらえるでしょう。ダンチュウが厳選した食材の数々は、読み物としても堪能できる注目のギフトです。
オススメしたい商品は「dancyu(ダンチュウ) グルメギフトカタログ <CB>」。dancyu編集部が足で探した全国津々浦々の、そこにしかない味わいや伝統の味、とびきりの贅沢、さらに料理好きをトリコにする秀逸な食の道具の数々が収録されています。香典返しの予算によっては「dancyu(ダンチュウ) グルメギフトカタログ <CA>」を選んでもよいでしょう。
③ ソウ・エクスペリエンスの体験ギフト
品物(モノ)を贈ることが多かったギフトシーンも、時代の変化とともに様変わりしています。体験(コト)を通じて得ることのできる知識や経験、そして思い出を贈る「体験ギフト」は、近年必ず選択肢に入ってくるテッパンギフト。従来味わえなかった満足感や感動、新しい興味までもが掘り起こせる、老若男女問わず人気のプレゼントです。
贈り相手が自分で選べる使い勝手と、カタログ/チケット形式のコンパクトさがウケて、近年めざましい発展を遂げている体験ギフト。国内最大手である「SOW EXPERIENCE(ソウ・エクスペリエンス)」は、安心の実績と豊富なバリエーションが魅力です。オーソドックスな体験カタログを贈るなら、選べる体験数が最も多い定番商品「総合版カタログギフト」がオススメです。
④ TOKYO COWBOYのミートギフト
ひと昔前は香典返しにタブー視されていたお肉の贈り物。しかしながら近年では、好き嫌いが分かれずひときわ特別感に秀でているため、最上級の感謝やお礼を伝えるのに適したスペシャリティーギフトとして活用されています。特に古来の習慣に捉われない若い世代には受け入れやすく、相手の負担感も少ないことも魅力です。
和牛ステーキ2種と和牛ローストビーフ詰合わせギフト和牛専門のフルオーダーカット精肉店「TOKYO COWBOY(トウキョウカウボーイ)」は、ご馳走感とスタイリッシュさがギフトに栄える注目店。黒毛和牛・未経産の雌牛・30カ月を超える月齢を独自のセレクト基準に設け、赤身だけでなく脂身もサラッと食べられると評判です。オススメは人気の商品がセットになった「和牛ステーキ2種と和牛ローストビーフ詰合わせギフト」。「志」の掛け紙にも対応しているのが嬉しいポイントです。
⑤ Noritake(ノリタケ)の煎茶器揃
その昔、亡くなった人の葬送は自然葬であったため「人は皆、土に還る」という意味を込めて、陶磁器を贈って故人を偲んでいました。また、キリスト教では一カ月目の召天祭に記念品を贈る習わしがあり、敢えてカタチに残すという行為は故人を大切にする考え方でもあります。そんな陶磁器は、趣と心がこもった品として現代でもよく選ばれています。
洋食器の世界的ブランドとして名高い「Noritake(ノリタケ)」は、100年以上もの歴史を重ねてきた品質と、高い技術に裏打ちされた品格が漂います。創業以来変わらないデザインも人気ですが、洋モダンな空間にも溶け込む本格的な茶器「常葉草(とこはぐさ)煎茶器揃」は特におすすめ。永久の不変を意味する常緑樹の濃い緑色を使い、松葉のように繊細なレリーフと金銀飾が施された一品です。
⑥ 清峰堂の九谷和グラス
知る人ぞ知るテーブルウェアの銘品を贈りたいなら、和の趣とモダンな雰囲気が調和した「九谷和グラス」がオススメ。九谷和グラスは、自前の遊磁窯と伝統的な窯元を駆使しながら九谷焼製品を生み出す清峰堂が、石川県の伝統工芸である「九谷焼」と東京に地場産業として伝わる「江戸硝子」を特殊技術によって融合させたグラスのことです。
九谷和グラスの最大の魅力は、一目瞭然の美しさと九谷焼×江戸硝子の組み合わせを基にした豊富なラインナップ。伝統的な画風として人気の高い「青粒鉄仙(あおちぶてっせん)」は、青色の細かい粒を点で打ち続け金色で鉄仙の花を描く絵付け技法で、根気を要する職人技から生まれた逸品です。冷酒グラスとしても、乾杯時にほんの少し飲む女性のビールグラスとして使っても素敵です。
⑦ 山田平安堂の漆塗り丸盆
「不幸を塗りつぶす」「二度と不幸がないよう色直しをする」という謂われから、仏事には色を塗り重ねた漆器が用いられています。中でもお盆は、祖先の霊を祀る盆行事の由来として、供物を乗せお供えする目的で使われたのが始まりと言われ、弔事の贈り物に適しています。特に円形の丸盆は「縁」をつなぎ、物事が円滑に進む品物として重宝されます。
創業1919年の「山田平安堂」は、宮内庁御用達の老舗漆器店。先人達の伝統を大切にしつつ現代のライフスタイルに合うような、オリジナリティーに富んだ新しい漆器を生みだし続けています。香典返しにオススメしたいのが「丸盆 溜」。天然の木材を使い飴色に透けた溜塗をあしらったお盆は、艶やかで上質な雰囲気を醸し出し、おもてなしのシーンに活躍する和の伝統美です。
⑧ RIVERETの木製プレート
木製品は、山を神聖なものとして崇めていた風習が受け継がれ、現代でも香典返しとしてよく選ばれています。また、木製品は使い込むことで木の質感が変化するため、味のある経年変化を楽しめる贈り物であるとともに、温もりのある手ざわりと木目調がやわらかな気持ちを伝えてくれることでしょう。
「RIVERET(リヴェレット)」は、すべての製品が天然の孟宗竹で作られたテーブルウェアブランド。天然素材の美しさと卓越した職人の技が伝わるデザイン性が、おもてなしや普段使いなど様々なシーンに溶け込みます。「パスタプレート ペア」は、パスタや魚料理だけでなくパン・サラダ・デザートに至るまで使い勝手の良いサイズ感。食洗機や食器用中性洗剤に対応していて、6カ月間の保証制度が付いていることもオススメの理由です。
⑨ 日本橋木屋のグルーミングセット
光るものが魔除けとして用いられた昔の風習により、家庭金物もまた香典返しの品として活用されています。刃物は「切れる」「断つ」という意味を持つことから、かつて贈り物には不向きと考えられていましたが、近年は「困難を切り拓く開運の道具」という捉え方が生まれ敢えて贈り物として選ぶことも増えてきています。鋭い輝きは見通せない暗闇さえも切り拓き、明るい未来を表しているようです。
上質な調理道具を取り扱う専門店として知られる「日本橋木屋」は、1792年(寛政四年)創業の生活道具店です。特に男性に人気の商品が「グルーミングキット KIYA缶」。グルーミングセットとは、身嗜みを整える道具を集めたキットのことで、小型の爪切り・鋏・耳かきがセットになっています。片手で持てるコンパクトなサイズ感は旅行や出張に丁度良く、移動機会が多い人におすすめの逸品です。
⑩ 花一会の碗もなか詰合せ
日持ちのする食べ物は、相手の好みが分からないときにも便利な「消えもの」ギフトの代表格。二枚の皮で包み込んだ最中は、品格の高い贈り物であるとともに、手を合わせ合掌しているかのようなフォルムがまさに弔事に相応しい品です。甘い和菓子も定番ですが、少しばかり趣向を凝らして、最中にスープやお吸物の粉末が入った「椀もなか」を贈ってみてはいかがでしょう。
麻布十番に本店をかまえる「花一会(はないちえ)」は、カラフルな見た目が華やかでセンスが伝わる椀もなかの名店。お茶漬・お吸物・お味噌汁・スープがセットになった「詰合せ」なら、様々な味わいを楽しむことができて喜ばれそうです。内容量によって金額を調整しやすいので、著者もプライベートでよく利用する便利な贈り物です。
⑪ 一保堂茶舗の玉露・煎茶詰合せ
前述したように、日本茶はこの世とあの世の境界を越えて旅立つという意味合いがあるとともに、お茶を飲みながら故人を偲ぶということで、香典返しの代表的な品物として活用されています。また、お茶は好みが分かれづらく長期間保存できるため、自宅に招いたお客様にもお出しできるという現実的なメリットがあります。
創業1717年(享保二年)の京都に本店を構える「一保堂茶舗」は、抹茶・玉露・煎茶・番茶など、穏やかな香りと上品な甘みが特徴の京銘茶を取り扱う老舗日本茶専門店。玉露(滴露)と煎茶(正池の尾)のセットは、青々しい香りと爽やかな旨みが持ち味の玉露と、旨みと渋みのバランスがとれた煎茶の味わいを同時に楽しめます。老舗ならではの趣のあるパッケージがきちんと感を演出します。
⑫ 山本山のお茶・海苔詰合せ
お茶とともに香典返しでよく選ばれている食品が海苔。海苔は肉や魚(四足生臭もの)を使わない精進料理で用いられる食材であることから、古くから香典返しの品物として定着してきました。おにぎりや手巻き寿司など、日本の家庭では利用範囲も広く、日持ちもするので便利な贈り物です。
海苔といえば真っ先に思い浮かぶ老舗が、1690年(元禄三年)創業の日本橋「山本山」です。代表的な焼き海苔とともに、日本最古の煎茶商として有名な山本山では日本茶(煎茶)もセットにして贈りたいもの。そんな至れり尽くせりなセットが「お茶・海苔詰合せ」です。伝統的でありながらスタイリッシュなパッケージが、現代においても人気を博す秘訣なのでしょう。
⑬ 石神邑の弔事用梅干し
梅干しは栄養価が高く、食べることで唾液や胃酸の分泌を促すため、健康によい食品のひとつ。「贈り相手の健康を願う」という意味で、香典返しにも定番の品物です。また、日持ちもして、総菜や混ぜ込みご飯などどんな食材とも相性がよいため、家庭料理で役立てていただけることでしょう。
江戸時代からつづく梅の郷・石神で「土つくりからお手元まで」をモットーに、自社農園で栽培した梅を扱う紀州梅専門店「石神邑(いしがみむら)」。より選りの特大粒サイズの梅を、一粒ずつ和紙袋に包み込んだ「特選個包装 邑咲(むらさき)」は、昆布の旨みと南高梅の酸味とが見事に調和した石神邑の傑作です。弔事用の熨斗、包装紙、挨拶状、紙袋が用意されていることも嬉しいポイント。
⑭ 千疋屋総本店のピュアフルーツジェリー
香典返しをおくる季節が夏場なら、涼しげな季節感のあるゼリーはいかがでしょう。暑中の労をねぎらうとともに、賞味期限が長く日持ちするゼリーは相手に好きなタイミングで味わってもらえます。療養中にも活用される栄養補助食品なので、食欲不振だったり体調不良の人にも嬉しい品物です。
ゼリーを香典返しにするなら「日本橋 千疋屋総本店」が定番。果物専門店ならではのフルーツをふんだんに使ったゼリーは、きらきら輝く真夏のスパンコール。シャインマスカット・白桃・ラフランス・さくらんぼ・伊予柑・ピオーネ・りんごの7種類が楽しめる「ピュアフルーツジェリー」は、どなたでも喜んでくれそうな人気のギフトセットです。
⑮ 丸山珈琲のドリップバッグアソートギフト
パン食や洋食派には嬉しいコーヒーの贈り物。コーヒーの特徴的な黒色は、弔事にふさわしく、古代中国の陰陽五行説で黒は豊かな実りをもたらす「水」を表す色として「財」を意味すると言われています。ほのかな苦みが大人の飲み物として親しまれ、年配者にもピッタリな贈り物になることでしょう。
軽井沢で創業した「丸山珈琲」は、バリスタ世界チャンピオンを輩出したスペシャルティコーヒーの先駆け的存在。丸山珈琲の味わいを手軽に楽しめるドリップバッグの3種詰め合わせ「ドリップバッグアソートギフト」は、抽出器具を持っていなくても気軽に楽しめるところが嬉しいポイント。焙煎直後の新鮮なコーヒーを窒素充填しているため香りや美味しさが保たれています。
⑯ WEDGWOODの紅茶アソートセット
紅茶の赤色もまた、魔除けの意味を持つために贈答品としてよく利用されています。たしかに紅茶葉にお湯を注ぎ立ち込める蒸気は、災いや不幸から身を守ってくれそうな不思議なパワーを感じます。日本茶やコーヒーとともに、お客様へのお茶出しに活用できる便利な品物は、世代を問わず喜ばれるお役立ちギフトです。
洗練されたテーブルウエアを通して英国のティータイムを演出してきた「WEDGWOOD(ウェッジウッド)」が、自信をもってつくりあげた気品ある紅茶。そんな誰しも気分が上がりそうなティーギフトが「ティーバッグアソートセット」。ウェッジウッドを代表するワイルドストロベリー柄のパッケージに入った可愛らしい4種アソートは、ちょっとしたお返しにピッタリです。
⑰ sara-laの今治フェイスタオル
仏事では白装束で仏の世界へ旅立つという謂われから、白いさらしが利用されていました。現代ではタオル・シーツ・毛布という形で伝統が引き継がれ、悲しみを覆い包むイメージからも香典返しの品物として活用されています。また、消耗品として贈答品の定番でもあり、高品質な肌触りのタオルは起床時や入浴後の気分を爽やかに高めてくれるアイテムです。
今治タオルの高級ギフト「sara-la(さらら)」が販売する「彩-irodori-」フェイスタオルは、弔事用にしつらえた今治タオルの逸品。瀬戸内海の朝凪と夕凪を写す雲色のような、心癒されるやさしいグラデーション。そして、化粧箱には「円形が永遠に連鎖し繋がる」という七宝柄の和紙を貼り、いつまでも記憶に残るパッケージが意識されています。
⑱ リブレヨコハマのオリジナル洗濯洗剤
洗剤や石けんは、悲しみを洗い流すという意味合いを持たせ弔事によく利用されています。現代では固形石けんを使う人が少なくなっているため、洗濯洗剤やボディーソープなどを贈ることが多くなってきています。一見すると現実的なプレゼントですが、厳選された高級品であれば普段使っているものとの違いに魅了され、子供のいる家庭にも嬉しい贈り物になるでしょう。
知っていたら鼻高い洗剤ギフトが、クリーニング業界の革命児「洗濯ブラザーズ」が展開する「リブレヨコハマ」のランドリーソープ。国内外トップアーティストのライブ衣装を扱ってきた実力派クリーニング店が開発した「Laundry Detergent」は、すすぎ1回・柔軟剤無しでも柔らかな風合いを出せるデイリー衣類用洗剤の逸品ギフトです。
⑲ CLAYDのブックパッケージバスソルト
洗剤や石けんとともに、悲しみを洗い流す意味で活用されるのがバスソルト。入浴は日本人にとって特別な生活習慣であり、温泉旅行に行かずとも気軽に楽しめる入浴剤は気の利いた贈り物になります。スーパーやドラッグストアで手に入るものではなく、オシャレに楽しめるスタイリッシュなデザインの品物がおすすめ。
世界中のセレブが注目する入浴剤「CLAYD(クレイド)」のクレイは、パワースポットともいわれているアメリカ西海岸の砂漠の地下から採れる高品質な粘土。天然ミネラルが豊かにバランス良く含まれています。身体を芯から温めて血行を促し代謝を整え、体内に溜まった老廃物や重金属を吸着し排出を促します。入浴7回分のクレイが1回ごとに小分けにされた「WEEKBOOK」なら、見た目にもオシャレな使い勝手が魅力です。
⑳ セゾンファクトリーのドレッシング詰合せ
香典返しにかかわらず、ささやかな贈り物として人気なドレッシングの詰め合わせ。主にサラダや添え野菜にかけて味わうことから、健康的な日々を送って欲しいという願いを込めることができます。美味しくヘルシーなドレッシングは、感謝を伝えるのにふさわしいギフトになることでしょう。
旬を活かす工場という意味が込められている「SAISON FACTORY(セゾンファクトリー)」は、山形県に本社を置くジャム・ドレッシング・飲料・デザートなどの食品メーカーです。人気のにんじん・たまねぎ・柚子フレンチがセットになった「ドレッシング3本詰合せ」は、料理のバラエティーが広がる幸せな贈り物。賞味期限も約1年と長く、日々の食事をリッチにしてくれそうです。
香典返しに添える挨拶状とは
香典返しを贈るときには「挨拶状(お礼状)」と呼ばれる手紙を添えることがマナーです。香典返しの品物とともに、忘れず準備するようにしましょう。挨拶状は、奉書紙に毛筆の薄墨で書くことが正式な作法ですが、百貨店や葬儀社が用意する定型の書式を用いることが一般的です。その場合、故人の氏名や戒名、喪主の氏名、日付などを指定して印刷してもらいます。
挨拶状は、「①香典をいただいたことに対するお礼の言葉」、「②故人の納骨や法要が無事に終了した報告」、「③香典返しの品物を贈ったこと」、「④書中で挨拶することに対するお詫び」が基本構成になります。自ら挨拶状を用意する場合もこの流れに則って手紙を書くと良いでしょう。ここでは、いくつかの文例を紹介しますので参考にしてみてください。
香典返しに添える挨拶状の例文(1)
謹啓 先般 父〇〇 永眠に際しましては
ご多用のところ ごていねいなご芳志を賜りまして
誠にありがとうございました 本日
〇〇院〇〇〇〇居士
四十九日法要を営みました
生前故人が賜りましたご厚情に対しまして
あらためて深くお礼申し上げます
つきましては供養のしるしまでに
心ばかりの品をお送りいたしましたので
ご受納くださいますようお願い申し上げます
まずは右略儀ながら書中をもって
ごあいさつ申し上げます
謹白令和〇年〇月〇日
差出人の氏名
香典返しに添える挨拶状の例文(2)
謹啓 御尊家御一同様には
愈々御清祥のことと存じ上げます
さて過日 妻〇〇 儀永眠の際には
御多忙中にもかかわらず
御懇篤なる御弔慰を賜わり
尚格別の御厚志に預かり洵に
有難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして 本日
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇(戒名)
七十七日忌法要を内々にて相営みました
就きましては 供養のおしるしまでに
心ばかりの品お届けいたしました
何卒ご受納下さいますようお願い申し上げます
早速拝趨親しく御礼申し上げるのが
本意ではございますが
略儀ながら書中をもちまして
謹んで御礼の御挨拶を申し上げます
敬具令和〇年〇月〇日
差出人の氏名
香典返しに添える挨拶状の例文(3)
このたび 母〇〇 永眠の際は
ご丁寧なご弔問を頂き
過分のお供物までご配慮下さいまして
まことにありがたく厚くお礼を申し上げます
おかげさまで 本日
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇(戒名)
七十七日忌の法要を営みました
供物のしるしまでに心ばかりの品を
お送りさせて戴きました
何卒お納めくださいますようお願い申し上げます
お目にかかりお礼を申し上げるところでは
ございますが ここに謹んでご挨拶申し上げます
敬具令和〇年〇月〇日
差出人の氏名
香典返しの品にかける掛け紙について
香典返しなど弔事の贈り物には熨斗をつけず、黄白や黒白などの水引きが付いた「掛け紙」をかけることがマナーです。表書き(贈答品の名目)は、宗教によって様々ですが「志」は共通で使え、薄墨でも普通の墨で書いても良いとされています。名入れ(贈り主の氏名)は、喪主の氏名もしくは姓のみどちらかを書くようにしましょう。
仏式
表書き:「志」「忌明志」など
神式
表書き:「志」「偲草」など
キリスト教
表書き:一カ月目の命日に「記念品」「粗品」など