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この記事は、2018年9月12日時点の情報です。
江戸幕府1代目将軍、徳川家康によって整備された日本橋エリア。日本橋魚市場が賑わったことを皮切りに、乾物や干物屋、魚を調理するための刃物屋、商人のための食事処などが次々と建てられ、次第に街が繁栄していきました。

古くからの老舗が多いこの街に「一筆墨をのせると、滑らかな筆あたりで、文字がきれいに書ける」と、雁皮紙(がんぴし)で一躍有名になった和紙のお店があるのをご存知でしょうか。現在は東京日本橋タワーの正面に凛と佇まう店舗、それが「榛原(はいばら)」です。
榛原千代紙「色硝子」がモチーフの端麗な外観


日本橋の和紙小間物販売店から始まった歴史
文化三年(1806年)、初代佐助が日本橋に和紙小間物販売店を開業したことが榛原の始まりです。創業以来一貫して和紙および和紙製品を扱い、特に看板商品となった雁皮紙(がんぴし)は、滑らかで墨つきが良いと、文人や墨客を中心に愛好されました。
歴代の店主によって伝統が継承

文化的な価値のあるロゴデザイン

大判手漉き和紙と大判千代紙が飾られた内装


榛原の日本橋本店に訪れるお客様
榛原に訪れるお客様は、幅広い年代の女性が多いとのこと。そんな女性達に人気の商品が、金封や便箋類であり、手紙を頻繁に書く方は蛇腹(じゃばら)便箋を購入されていくそうです。また、千代紙を使った御朱印帳や小物入れも評判がよく、贈り物として人気を博しています。
千代紙で作られた小物や御朱印帳が人気の一品
小物や御朱印帳に使われている「榛原千代紙」は、国内で職人により手間隙かけて色をのせています。榛原千代紙とは、幕末明治期から現代に至るまで、多くの美術家に依頼した創作図案を工夫したオリジナル千代紙で、華やかなデザインが特徴です。写真の六角筆筒などにも用いています
毎年心待ちにする千代紙カレンダー
毎年9月の下旬頃には、千代紙カレンダー(壁掛け、卓上タイプ)が販売されます。代々伝わる千代紙の柄が使われた季節感のあるカレンダーで、毎年発売を心待ちにしているファンも多いといいます。異なる魅力をもつ柄を、1年を通して楽しむことのできる一品です。
木版摺りの金封類もおすすめ
榛原で、贈答の機会に購入されることが多い商品は、お慶びの場にうってつけな、色鮮やかな木版摺りの金封類です。図案を彫った木版を、1色につき1枚使うため、複数の版木により色を重ねています。
ぜひ訪れたい、東京日本橋で二百年続く和紙舗
日本文化の発信地として、その魅力を余すことなく伝え続けてきた榛原。二百年以上も前から人々の人気を集めた商品が、現代も国内外で評価され続けていることは、日本人なら誰しもが誇らしく思います。代々伝わってきた古典的なデザインを過去のものとせず、未来へと繋いでいくために変化させることは、老舗にしか成すことのできない使命だと感じます。
ショップの詳しい情報
店名 | 榛原(はいばら)日本橋本店 |
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住所 | 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー |
営業時間 | [月~金] 10:00 ~ 18:30 [土・日] 10:00 ~ 17:30 |
休業日 | 祝日、年末年始 |
最寄駅 | 日本橋駅(東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線)B6出口直上 |
電話番号 | 03-3272-3801 |
ホームページ | https://www.haibara.co.jp/ |
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