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LIVRER MISHUKU(リブレ三宿ストア)|洗濯ブラザーズが営むクリーニング店

LIVRER MISHUKU(リブレ三宿ストア)|洗濯ブラザーズが営むクリーニング店

この記事は、2021年12月18日時点の情報です。

三軒茶屋と池尻大橋の中間に位置する「三宿」は、東京都世田谷区の落ち着いた住宅街が広がるエリア。ストアハウス三宿A1区画のエントランスを進むと、大きなガラス窓が目を惹くショップが現れます。こちらが、クリーニング業界の革命児・洗濯ブラザーズが展開するクリーニング店「LIVRER MISHUKU(クリーニング リブレ 三宿ストア)」です。

ストアハウス三宿のエントランス

フランス語で “配達” や “届ける” を意味する “livrer” を店名に冠した同店は、2007年から横浜市青葉区(現在は都筑区に移転)で宅配クリーニングサービス「LIVRER yokohama(リブレヨコハマ)」をスタート。2021年9月には、縁あって三宿の地に二店舗目となるリブレ三宿をオープンさせました。

「脱ドライクリーニング」を掲げるリブレ

クリーニングリブレの代表である茂木康之氏(洗濯ブラザーズ・次男)は、洋服作りに欠かせない生地の企画・生産を行なうテキスタイル業界の出身。「服のアンチエイジング」をテーマに立ち上げたリブレのコンセプトに加えて、現在では「脱ドライクリーニング」を掲げています。 洗濯ブラザーズ リブレの特徴的な手法として極力ドライクリーニングをせず、オリジナルで開発した洗濯洗剤を使って衣服をクリーニングしています。リブレの店舗には、その思想に感銘を受けながらお気に入りの一張羅を託すため、都内から横浜エリアに至るまで様々な場所からの来店があると言います。

クリーニングに対するリブレのこだわり

リブレでは、洋服の生地に負担がないよう極力ドライクリーニングをせず、一点一点の手洗いと水洗いを心掛けています。服によってはドライが有効な場合もありますが、生地の特性に応じて対処することをモットーに掲げています。丁寧に手洗いでクリーニングを施すと、ワイシャツ1枚だけでも最低1週間程度はかかるそうです。 手洗い洗濯 一般的なクリーニング店のようなスピード感やお値打ち感からは一線を画すものの、「他で断られて悩んでいる」という人が最後の砦としてリブレを訪れることも少なくありません。極限まで清潔でまっさらな衣服に甦らせるべく、クリーニング師免許(国家資格)をもつスタッフが連日連夜汚れと向き合っています。

環境問題(サステナブル)への取り組み

環境問題の解決に積極的に取り組んでいる点も、リブレの大きな特徴のひとつ。これには、リブレを創業した兄弟の趣味がサーフィンであることが大きく関わっています。生活排水の多くが海に流れてしまうことを懸念して、海を汚さないために、自然由来の洗剤とプラスチックフリーの容器を目指しています。 サステナブル 今回取材に応えてくださった洗濯ブラザーズ長男・茂木貴史氏は、「どの分野においてもモノづくりは環境に配慮することが世界共通の必須条件であり、私も海で遊ばせてもらっている以上はそれ抜きでは到底考えられなかった」と話します。茂木貴史氏はもともとオーガニックコスメ業界の出身で、前提となる知識や海外のトレンドにも通じていました。

オリジナルランドリーソープの開発に力を注ぐ

どのようにして好きな服を長く着用できるようにするか、日々研究に没頭するリブレでは、独自のランドリーソープを開発しています。自社のオリジナル洗剤を開発するに至った経緯は何だったのでしょうか。引き続き茂木氏に話を伺いました。 オリジナルランドリーソープ 開業当初は、一般的なドライクリーニングも行なっていたというリブレヨコハマ。縁があって国内外のアーティストが着るライブ衣装のクリーニングをも手掛けていました。そんな中で、ある劇団関係者がサービスを利用したことがきっかけとなり、手洗い・水洗いの道を模索するようになったと言います。 劇団 関係者が持ちこんだ劇団四季やシルクドソレイユのステージ衣装は、装飾品が多く施されたデリケートな衣服。しかも、劇中についた汗やファンデーションなどハードな汚れも纏っています。しかし、回転が速く短納期が求められる中でドライクリーニングが困難な上、洗剤を落とし切らないと肌トラブルの原因になってしまうため、自然と水洗いの可能性を探求することになります。 ライブ衣装のクリーニング これを機に研究され誕生したのが、リブレのオリジナル洗剤である「LIVRER yokohama Laundry Detergent (リブレヨコハマ ランドリーディタージェント)」。柔軟剤が不要、すすぎ1回でOK、赤ちゃん服にも使用可というだけでなく、衣装洗濯を手掛けるノウハウが基になった高い洗浄力を持っています。自宅用はもちろんのこと、結婚や出産のお祝いなど幅広い贈答シーンでも重宝されています。 リブレヨコハマランドリーディタージェント

スタイリッシュな店舗に込められたメッセージ

一見しただけではクリーニング屋と判別できないほど洗練されたリブレ三宿の内装デザインは、洗濯やクリーニング店を若い人たちにも魅力的に感じ取ってもらいたいという想いが込められています。茂木氏は、クリーニング業界の未来についてこう話します。

茂木さん

クリーニング業界は右肩下がりで衰退の一途をたどっていて、どこも働く人の高齢化や後継ぎ問題など課題を多く抱えています。将来アパレル業界で働きたい若者は多くても、クリーニング屋になりたいという声はあまり聞きません。洋服を長く綺麗に保つケアの大切さを若い世代に伝え、クリーニング業界がアパレルの延長線にあるという認識が広がることを願っています。

切り離して考えがちなクリーニング業界とアパレル業界ですが、実は表裏一体の関係。クリーニングの発展こそが、サスティナブルかつ豊かな生活を支える一端を担うのではないでしょうか。茂木氏からも、そんなクリーニング業界の未来に明るい兆しをもたらそうとする気概を感じます。

リブレで採用するマテリアルのこだわり

リブレ三宿の外観 大きなガラス窓から自然光が差し込む爽やかなリブレ三宿の店内には、同店の想いや環境に対する配慮が込められています。壁・什器・テーブルにはリサイクル素材を積極的に採用、床は100%ヴィーガンの生分解性オーガニック素材であるコルクを使用しています。 リブレ三宿の内装 スタイリッシュなだけでなくサステナビリティを意識した店舗内装からは、リブレが掲げる環境問題の解決に対する意識の高さを感じました。また、リブレ三宿の店内を彩るランドリーソープのラベルにはパステルカラーが多く採用されていて、環境先進国として知られる北欧のライフスタイルを想像します。 ランドリーソープ

クリーニングを身近に感じる3つのエリア

リブレ三宿の店舗は、「クリーニング受付エリア」「ショッピングエリア」「ワークショップエリア」の3つのコーナーに分けられています。ここでは、リブレのこだわりが凝縮されたそれぞれのエリアについて深堀りしていきます。

クリーニング受付エリア

クリーニング受付エリア 洋服のクリーニングで訪れたお客様がまず始めに立ち寄るクリーニング受付エリア。重厚なガラス扉を開くと左手に真っ白なカウンターが広がり、店名の「LIVRER」がかたどられたLEDネオンサインが出迎えてくれます。カップルで来店するお客様がいるのも納得です。 クリーニング受付エリア カウンターの奥には、クリーニングが完了したシワのない洋服がハンガーにかけられていて壮観を呈しています。二段構造になった回転式のハンガーラックが什器マニアを唸らせそうです。クリーニングの料金は、ブラウスが2,400円、ワンピースが3,000円、スーツ上下で5,000円など。

ショッピングエリア

量り売り 入口正面に広がるショッピングエリアでは、真っ先に目に飛び込む「リブレヨコハマランドリーディタージェント」の量り売りが好奇心を掻き立てます。最近では、ランドリーソープの購入時に空の容器を持参するお客様が増えたそう。「プラスチックをなるべく消費しない意識がお客様の中でも強まっているように感じます」とサステナブルの浸透を茂木氏は喜びます。 ショッピングエリア 量り売りスペースの隣棚には、小ボトルのランドリ―ソープ、店舗限定や季節限定のフレグランスが整然と並びます。雑誌媒体とのコラボ商品である「エキゾティックフラワー」は三宿店限定アイテム。2021年11月25日~2022年2月末までは、冬季限定の「FIG(フィグ)」フレグランスが登場。販売開始から3年目となる爽やかな香りは、心待ちにするリピーターも多いと言います。 毛玉取り リブレが厳選した逸品のクリーニングアイテム(ブラシや毛玉取りなど)、シーズン毎にセレクトされた雑貨やアクセサリーなどもその時々で陳列されているため、休日ショッピングやギフト選びで訪れる楽しみも広がります。取材時には、ベビー・子ども服の「familiar」と共同インスタライブを行なう関係で、ファミリアベアーのぬいぐるみが置かれていました。 ショッピングエリア

ワークショップエリア

茂木氏が「必ず作りたかった」と息を巻くワークショップエリア。洗濯機・ドラム式・縦型・乾燥機・手洗い場が設置され、季節ごとの衣類洗濯に応じたワークショップが開催されています。秋冬にはダウンやコート、ニットの洗い方について予定していて、もちろん初めての方でも参加可能。「たった1日でかなり洗濯のプロになると思います(茂木氏)」。 ワークショップエリア 洗濯は手間のかかるイメージが強く、適当に済ませがちですが、今一度正しい洗い方を学んでみてはいかがでしょう。「やってみると意外に手間ではなく、クリーニングに持っていく方が手間に感じるかもしれません」と茂木氏は話します。ワークショップ情報は、リブレのホームページやSNSをご確認ください。 ワークショップエリア

茂木氏が考えるクリーニングの魅力とは

より良い洗濯手段や衣類の困難な汚れと日々向き合い、情熱を傾け続ける茂木氏は、クリーニングの魅力をどのように感じているのでしょう。インタビューの終わりに、個人的な見解を伺ってみました。

茂木さん

衣服に付いていた汚れが落ちる快感はひとしお。クリーニング後の洋服の風合いが、自分の満足のいく仕上がりになったら嬉しいです。こまめに手入れしてあげたら長持ちしますし、自分でケアすると愛着が湧いて、簡単に捨てられないと思います。

茂木氏の経験として、自分で洗うことでどれくらいの着用頻度で洋服が汚れるか分かるようになったと言います。自身でクリーニングしながら10年着ているというコートを拝見しましたが、その歳月を感じさせないほど表面が綺麗に保たれていました。

気軽に訪れたくなるショップを目指して

リブレ三宿 リブレ三宿では、クリーニング師免許を保有するスタッフが常駐しています。「この人たちがいるから、新しい服にチャレンジしてみようと思ってもらえたら嬉しいです。今までは、クリーニング屋に行って、自宅でのケアについて店員と話すことはあまり無かったと思いますが、リブレではそういったコミュニケーションもしっかり取っていきたいです(茂木氏)」。 クリーニング 自分ではうまく管理できないため、気になっていた洋服を買い控えたことがあった筆者の心にスッと刺さる言葉です。手入れを任せられるクリーニング屋があるということは、新しい洋服選びで背中を押してくれるとともに、ファッション・コーディネートの幅が広がりそうですね。 ファッションコーディネート 今後も様々な場所で、地域性に合わせたクリーニングリブレの店舗を拡大していきたいと話す茂木氏。ファッションラバーの気持ちに寄り添うクリーニング店が、あなたの近所にやって来るのも、そう遠くないかもしれません。

クリーニングに対する認識をアップデートし続ける

“服のアンチエイジング” や “脱ドライクリーニング” など、クリーニングに対する認識をアップデートし続ける「リブレ三宿」。インタビュー取材の中でも、自宅での洗い方を指南していただく場面があり、自分の洗濯に改善の余地があることを気付かせてくれました。 クリーニング 次から次へと茂木氏から繰り出されるクリーニングの知識やテクニックに驚かされるとともに、早速試してみたいという「洗濯欲」が湧く機会になります。リブレ三宿に訪れると、特別な洋服を預けるだけにとどまらず、会話コミュニケーションを通じて自宅での洗濯が楽しみになることでしょう。

ショップの詳しい情報

店名クリーニング リブレ 三宿ストア
住所〒154-0001
東京都世田谷区池尻2-7-12 ストアハウス三宿1F
営業時間11:00 ~ 20:00
休業日水曜日、木曜日
最寄駅東急電鉄・三軒茶屋駅、池尻大橋駅から徒歩10分
電話番号03-5431-0970
ホームページhttps://livrer.stores.jp/
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河野 ひろこ

河野 ひろこ

ギフトコンシェルジュ/コンテンツライター/縁起物アドバイザー。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きとショップ巡りがライフワーク。

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