晴れて夫婦となった新婚カップルは、入籍や結婚式を終えた後にも、新婚旅行や新居への引越し、役所への各種届出など、様々なイベントが目白押しで慌ただしい日々が続くことでしょう。そんな中でも、直接ご報告が出来なかった人に対して「結婚通知状」を送ることも忘れてはなりません。
結婚通知状は、必ず送らなければいけない決まりはないものの、相手のことを大切に想っている気持ちが伝わる素敵な報告手段。受け取った相手も祝福の気持ちが高まるとともに、貴重なご縁をつなぎ止めてくれる「贈って損なし」のご挨拶です。ここでは、結婚通知状のマナーや文例について幅広く解説していきます。
目次
あまり聞き慣れない「結婚通知状」とは?
結婚通知状とは、親しい人に自分が結婚したことを報告する挨拶状のことです。自分のパートナー(伴侶)のことをよく知らない人に対しては、パートナーのことを紹介しつつ、変わらぬお付き合いをお願いするといった意味合いもあります。また、住所や名前(姓)の変更を知らせることを目的にする場合もあります。
ただし、結婚通知状という名称はさほど一般的ではなく、「結婚挨拶状」や「結婚報告はがき」といった名称の方が聞き馴染みのある人も多いかもしれません。インターネットで検索するときや、結婚通知状について人と話すときには、それらが同義だということを念頭に置いておきましょう。
結婚通知状を送るシチュエーション
それでは、結婚通知状とはどういったシチュエーションで送るものなのでしょうか。現代では結婚の形も様々で、結婚通知状を送る場面もひとつではありません。最も代表的なシチュエーションとしては、無事に結婚式が終了したことを報告する目的で、結婚式や二次会を終えたタイミングに送ります。
結婚式に参列してくれた人には式を通じて直接ご報告が出来ているため、敢えて別に結婚通知状を送ることは少ないでしょう。特に、事情があって結婚式に参列できなかった人や、結婚式に招待しきれなかった人など、親しい間柄でありつつ直接的にご挨拶できていない友人・知人に対して送ることが多いようです。
また、現代では結婚式を挙げず、入籍だけで済ませるカップルも増えています。コロナ禍においては、家族や親戚だけで結婚式を挙げることも少なくないでしょう。そういった場面でも、親しい友人や職場の同僚などに対して結婚式通知状を送ることがあります。特に、年賀状やお中元・お歳暮のやり取りをしている人には、住所や姓の変更を伝える手段として送っても良いでしょう。
送るタイミングや時期の目安
結婚通知状を送りたいと思ったなら、送るタイミングとしてはいつが良いのでしょうか? 一般的なマナーとして、結婚式や入籍から1ヶ月以内を目安に送ることが望ましいと言われています。特に、新たに住所や名字が変わるようであれば尚更早めに送って、相手に知らせるようにしましょう。
また、式場の都合などで入籍と結婚式の間が1年以上あいてしまうといったケースもあります。そういった場合は、入籍のタイミングで一旦結婚通知状を送って事前に報告すると良いかもしれません。要は、自分が結婚したことを相手がどれくらいの期間知らないかが重要で、住所や名字の変更など実用的な目的や儀礼的な目的で見合う期間内に送ります。
季節の挨拶に合わせて送る場合もある
結婚通知状は、結婚の報告という内容的には簡略な側面があります。そのため、時期によっては季節の挨拶と一緒に送ることもあるようです。たとえば代表的なシチュエーションだと年賀状。秋冬に入籍や結婚式を行なったカップルなら、年賀状に結婚の報告を記載して結婚通知状の代わりにしても良いでしょう。
また、暑中見舞いやお中元・お歳暮を送る時期であれば、その中で結婚の報告を加えても良いかもしれません。ただし、厳密には手紙やハガキは郵便法で信書に該当し、宅配業者は信書を扱うことはできないため、宅配便で手紙を送ることは禁止されています。宅配便で品物も送る場合には、手紙を品物とは別に普通郵便で送る必要があります。
喪中の場合には注意が必要
結婚通知状を送る相手方に不幸があり、喪中であれば注意が必要です。相手の親が亡くなった場合、1年間は喪中となる慣例があり結婚通知状を送ることは控えましょう。特に、人が亡くなってから四十九日の法要(忌明け法要)を終えるまでは忌中の期間と呼ばれ、お祝い事や宴会などを避けることが故人とその家族への最低限の配慮となります。
また、自分自身の身内で不幸があり、送る当人が喪中になってしまった場合も、無理に結婚通知状を送る必要はありません。遠縁の親戚の不幸であれば通常通りに送ることもありますが、喪中の家庭から送られることを快く思わない人もいるため注意しましょう。
喪中期間であっても、住所や名字などの変更があり、結婚の報告をしたいと思うこともあるでしょう。そういった場合には、通常の結婚通知状ではなく、暑中見舞いや寒中見舞いで結婚報告をするという手段もあります。季節の挨拶を主体として、その中で結婚の報告をさり気なく含めることで、喪中で避けるべきお祝い事には該当しないと言われています。
結婚通知状の書き方と文例について
結婚通知状は、手書きだと味があって特別感が生まれる反面、複数人に送るため作業量が膨大になってしまったり、自分の字に自信がない人にはハードルが高かったりします。そのため、既に文章がプリントされたハガキ・カードを購入したり、ハガキ作成ソフトのテンプレートを利用するケースがほとんどです。
結婚通知状の文章としては、妙にかしこまる必要はありませんが、「冒頭の挨拶」(時候の挨拶)に始まり、結婚の報告や今後の変わらぬお付き合いを願う文章などの「本文」、入籍や結婚式の「日付」、住所や氏名などの「差出人欄」の順番で書くことが一般的です。住所や名字の変更があれば、新しい情報を記載するようにしましょう。
また、結婚通知状を自分で作成するのであれば、ハガキに夫婦の写真を差し入れるとより新婚の雰囲気が伝わって良いかもしれません。既に結婚式を挙げた後なら挙式や披露宴の写真を添えると、参列できなかった人も喜んでくれるはずです。おめでた婚の場合は、赤ちゃんの写真を入れても良いでしょう。
文章がプリントされた結婚通知状の一例
手書きやハガキ作成ソフトが面倒に感じるのであれば、定型文がプリントされたハガキを購入してみてはいかがでしょう。大抵のハガキは空きスペースが用意されているため、住所や氏名、ちょっとしたメッセージなどを書き添えて送りましょう。ここでは、Amazonで購入できる結婚通知状をいくつかご紹介します。
頭語や結語などが書かれていて文章も丁寧なので、目上の方に送っても差し支えないプリントハガキです。切手付き官製はがきであることも嬉しいポイント。あわじ結び(あわび結び)の水引きには、両端を引っ張るとさらに固く結ばれる性質から「末永い付き合い」といった意味があります。
千代紙のような帯紐が幾重にもかさなり、結び切りで固く結ばれた水引きは、人とのご縁を表現したかのようなデザイン。伝統的な和の雰囲気を醸し出しつつ、華やかを併せ持った婚礼にピッタリな結婚通知状です。こちらも切手付官製ハガキのタイプなので、切手を別で購入したり貼ったりする手間がかかりません。
上記ふたつのハガキよりも形式張っていない、モダンなデザインが特徴。英語の筆記体で書かれた見出し、教会や洋装の新郎新婦が描かれていて、現代的で友好的なイメージを演出します。こちらのハガキは、私製ハガキなので、切手を貼る必要があることに注意しましょう。
自分で作成する場合の結婚通知状の文例
手書きやハガキ作成ソフトを使って、個性的な結婚通知状を作りたいと思う人もいらっしゃるかと思います。そういったケースでは、どういった文章を書けば良いか悩んでしまうこともしばしば。ここでは、自分で作成する場合の文例についていくつかご紹介します。
結婚祝いに対するオススメの「グルメ内祝い」5選
結婚式を挙げる場合、参列する人は「ご祝儀」という形でお祝いし、新郎新婦は参列してくれたお礼を「引出物」として示します。ただし、結婚式自体を挙げない場合や、事情があって結婚式に出れなかった人などから、「結婚祝い」の品物をいただくことがあります。
そういったシチュエーションでは、結婚祝いに対するお返しという意味合いで「内祝い」を贈ることが一般的です。内祝いは、いただいた金額もしくは品物の金額帯の2分の1から3分の1程度の品物を贈る「半返し」がマナーと言われていますが、金額が大きくなってしまうとかえって失礼になってしまうので注意しましょう。
内祝いの定番といえば、食べたり使ったりして無くなる「消えもの」と呼ばれるジャンルです。相手の好みや状況がよく分かっていなくても、カタチとして残らない消えものなら、負担にならず迷惑に思われることも少ないはずです。ここでは、ギフトコンシェルジュである著者が、ご相談を受けて提案することの多い「グルメ内祝い」をピックアップしてご紹介します。
花一会(はないちえ)の椀最中の詰め合わせ
麻布十番に本店をかまえる「花一会(はないちえ)」では、スープやお茶漬けなど、ラインナップ豊富な椀最中を取り揃えています。金額的にもオススメな商品が「お茶漬け・お吸物・お味噌汁詰合せ」。カラフルな見た目が華やかで、ちょっとしたお礼でも丁寧に選んだ気持ちとセンスが伝わる逸品です。
Alain Milliat(アランミリア)のフルーツジュース
フランス星付きホテルの多くが揃えていると言われる「Alain Milliat(アランミリア)」のジュース。お酒だと体調面の懸念から飲み控えている人もいますが、ジュースなら大抵の人が苦手意識なく飲めるはずです。大人も子供も味わえる贅沢なフルーツジュースはお試しの価値アリ。
Pizza ar taio(ピッツァアルターイオ)の冷凍ピザ
日持ちのしない食べ物も、冷凍品ならその心配もありません。「Pizza ar taio(ピッツァアルターイオ)」の冷凍ピザは、冷凍なのに生地がふっくらしていて絶品の味わい。量を調節しやすいサイズ感で個包装になっているため、一人暮らしの人にも嬉しい使い勝手で、フライパンひとつで調理できることも魅力的です。
dancyu(ダンチュウ)のグルメカタログギフト
かの有名な「dancyu(ダンチュウ)」が提供するグルメカタログギフトと聞けば、間違いのない逸品揃いだと想像に堪えません。贈られた相手が、好きなときに好きなものを選べるグルメカタログギフトは、必ずや贅沢気分に浸ってもらえるでしょう。ダンチュウが厳選した食材の数々は、読み物としても堪能できる注目ギフトです。
ソウ・エクスペリエンスの体験ギフトチケット
スペシャルティコーヒーをお取り寄せして、自宅で優雅に楽しめるギフトチケット。コーヒーは豆のままはもちろん、抽出器具不要のドリップバッグも選べるので、日頃からコーヒーを飲んでいる人にもそうでない人にも贈れます。
好きなカフェを選んで訪れ、食事やドリンクを楽しめるギフトチケット。全国版なら、日本全国の主要エリアにあるカフェ約100店の中から選べるとあって便利です。モーニングやランチ、夜カフェなど、贈られた相手が好きなシーンで自由に使える、ありそうでなかったギフトです。
手作りにこだわるバーガーショップで、食事を楽しめるギフトチケット。関東と関西を中心にした約30店舗の中から、好きなお店を選んで3千円分の食事に利用できます。男性だけでなく女性をも虜にするグルメバーガーで、ユニークで贅沢な食体験を届けることができます。
おわりに
結婚通知状は、必ずしも送らなければならない挨拶状ではありません。ただ、そういったものだからこそ相手の心に残るとともに、相手のことを大切に想っている心根が伝わることでしょう。丁寧に結婚の報告をしておけば良かったと後々後悔しそうなのであれば、是非この稀な機会に結婚通知状を送ってみてはいかがでしょうか。