Pen Boutique 書斎館(しょさいかん)

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都内屈指のプロムナードエリアとも称呼される南青山・骨董通りの路地を入ってゆくと、まるでアートギャラリーを思わせるアンティーク調のショップが現れます。スリガラスと庭園風のエントランスが目印。こちらが万年筆の専門店として名高い「Pen Boutique 書斎館」です。

書斎館の外観

多くの人々が行き交う表参道や青山通りの喧騒を抜けて、都心でありながらも落ち着いて自分の世界に入れるような雰囲気。緑と石、そして水がデザインされたステップガーデンから広がる異空間は、南青山の地にたたずむ秘密のオアシスとして洗練された大人たちを魅了し続けています。

書斎館の店内

本記事では、万年筆を単なる「書く道具」にとどめない、生活に潤いをもたらせる「Fashion」と捉えることで異なる楽しみ方をも提供する「Pen Boutique 書斎館」の世界観、そして、その魅力についてご紹介します。

Pen Boutique 書斎館 のコンセプト

万年筆の専門店である書斎館のコンセプトは「懐かしい時の空間」だといいます。慌ただしく過ぎていく日常の中でも、万年筆にインクを入れたり、ペン先を洗浄したり、手をかけながら愛情をもってペンを育てる時間。

書斎館の店内

そういった一見無駄に思える所作や、道具に対する情感と向き合い、子供の頃のように熱心に没頭して、心穏やかな時間を過ごす。手間を愉しみ、ゆとりを感じて欲しいという願いが詰まったペンショップが「書斎館」です。

正統的で復古的なスタイルにこだわる

書斎館が東京・南青山の地に店舗をオープンさせたのは2001年のこと。来年の4月で20周年を迎える銘店として今も輝きを放っています。

骨董通り

モノを買うという行為自体が、百貨店やインターネットの普及で簡素的になっていく中、書斎のような落ち着いた空間でゆっくりと時間を過ごしてもらいたい。そんな、想いが詰まったお店――。

書斎館の店内

店内のカウンターでじっくりと万年筆を吟味して、そこからカフェスペース(2020.12現在はクローズ中)に移動し、選んだ一本で大切な人に手紙をしたためる。買う行為を本来あるべき尊いものに昇華させ、時代の流れに逆行するような、ゆとりの時間を愉しんでもらいたいという想いが根底にあります。

書斎館の店内

そんな正統的で復古的なスタイルは、書斎館のブランドロゴにも如実に表れています。店先の看板に描かれた一筆書きの羽ペンのマーク。ペンの元祖ともいうべき羽根付きペンが、ノスタルジックなストーリー性を演出しているかのようです。

万年筆のラインナップとセレクト基準

書斎館で取り扱う万年筆は、数十社の万年筆ブランドから厳選された、3000種類もの豊富な品揃えを誇ります。価格帯はピンキリで、1万円台のリテールプライスから、500万円もの値が付いた万年筆も鎮座しています。

万年筆

取り扱う万年筆のセレクト基準は、原則的には修理対応・アフターケアが可能な筆記具メーカーの作る万年筆が前提。誰もが安心して使ってもらえることを大切にしながら、伝統と革新を織り交ぜたラインナップとなっています。

書斎館の建物と内装、そしてロケーション

書斎館が万年筆の専門店として他と一線を画す所以は、10年もの構想期間に裏打ちされた、造形美ともいえる建物と内装、そしてロケーションにあります。その場その場の付け足しではなく、創建当初から理想がカタチとなった店舗といっても過言ではないでしょう。

書斎館のエントランス

南青山という都心にありながらも、路面店ではなく一本入った小路にたたずむ立地。それは、喧騒から離れ静寂につつまれていく過程で、自分の空間に入っていけることを考え抜いた結果。建物を、建てる場所からデザインする深いこだわりが垣間見えます。

半開放型の「街に開かれた庭」をイメージ

書斎館の外装設計を手がけた人物は、六本木ヒルズ再開発の景観をプロデュースしたことで知られる、ランドスケープアーキテクトの佐々木葉二氏。「街に開かれた庭」をイメージして作られた半開放型の空間設計は、日常から非日常へと自然な流れでシフトさせてくれる見事なアプローチです。

書斎館の外観

段差を利用したステップ・ガーデンには、冬でも青々と茂るトクサや夏には美しい花弁をたくわえるサルスベリなど、和モダンテイストの植物をレイアウト。人々を奥にいざなう雁行と呼ばれる手法、ジグザグに配置された切り石を眺めていると、一歩踏み出して新しい世界を覗いてみたくなります。

ステップ・ガーデン

そういった開放的な雰囲気が影響してか、書斎館に訪れる人々は年齢や性別を問わず、幅広い客層で賑わうといいます。近隣の住民も、散策で訪れた人も、誰もが思い思いの時間を過ごせる空気感がそこにあります。

落ち着きを感じる室内インテリア

ペン・ブティックと銘打つ書斎館は、その内装にも多くのこだわりが散りばめられています。ここは、万年筆を買うためのシンプルなショップにあらず、付随する時間と空間、そして設計に携わった人々の想いものせて、包み込まれるような時の流れを感じます。

書斎館の店内

書斎館の店内を見渡すと、空間に角が多いと気付くはず。これは、隅っこが落ち着くという人間の感性に働きかけるもの。そして、電飾ひとつにしても照度や角度が細かく計算されていて、人が最も落ち着く明るさになるよう配慮が行き届いています。

書斎館の照明

床面には、北の大地から取り寄せたアンティーク材があしらわれ、ひとつひとつの万年筆を丁寧な歩みで鑑賞したくなります。そんな万年筆の価値や素晴らしさを余すところなく伝えたいという想いが、お店の内装やスタッフの精神にも根付いているようです。

豊富な万年筆の品揃えに圧倒される

書斎館のエントランスを抜けると、中央から右にかけてズラリと万年筆が並ぶスペースに圧倒されます。まさに異空間ともいうべき眩い光の装飾が、訪れる人をハイグレードな気分に高めてくれます。

書斎館の店内

書斎館を訪れたら是非とも注目していただきたい一角が、ジュエリーのショーケースを思わせるクチナシ色に輝く万年筆棚。万年筆だけがズラリと並べられた、万年筆を選ぶためにしつらえたガラス扉のキャビネットです。

万年筆棚

左の棚から右に行くにつれてプライス帯が上がる価格順になっていて、初めての方でも万年筆をセレクトしやすい工夫がされています。一般の文房具店ではメーカー順やカラー別に並べられている例が多く、ギフトシーンでも選び取りやすい現実的な配慮がうかがえます。

万年筆ブランド

ディスプレイは空間づくりの一端と位置付けられ、新作のタイミングやシーズンに合わせて頻繁に入替えがあるといいます。夏であれば涼しげなスケルトン万年筆にフォーカスしたり、何度来ても飽きない空間づくりが心掛けられているようです。

試し書きコーナーで書く時間を満喫

気になった万年筆をピックアップしたら、書斎館のスタッフに声をかけ、試し書きをしてみてください。専門知識をもったアドバイザーが、好みのデザインや書き味、書き癖に至るまでを丁寧にヒアリングしてくれ、その人のフィーリングに合った万年筆を提案してくれます。

万年筆

書斎館には試筆するための専用カウンターが用意されているため、じっくりと腰を据えて最高の一本を選ぶことができます。試筆カウンターは、イタリア・ヴェローナの大理石で造られていて、何ともラグジュアリーな気分で書く時間を満喫することでしょう。

試筆カウンター

万年筆は、見て触っただけではイメージにフィットするかわからないため、出来れば試筆カウンターで試し書きをしていただきたいと、書斎館のスタッフは話します。対話していく中で、イタリアに住んでいたとか、ドイツの友人がいて、なんてエピソードが出てきて、その国の万年筆を勧めることもあるそうです。

万年筆とその周辺アイテムの品揃え

書斎館で取り扱う商品のバリエーションは、3000本もの品揃えが際立つペン(万年筆)が主役でありつつ、書くために必要な他の筆記具もしっかりと用意されています。万年筆だけでなく筆記具の全般が好きなスタッフも多いのだとか。

インク

眺めるだけで心が浮き立つようなインク、作家が巧みに仕立て上げたペンケース、そして書き心地のよいペーパー類(便箋・メモ帳・インク吸取紙)など。相手を想って選んだ万年筆と一緒に、ギフトセットにしてみても素敵です。

文具店では珍しいカフェエリアが併設

書斎館のエントランスから左手に広がるエリアには、なんとカフェスペース(2020.12時点はクローズ)があります。万年筆を通じて、ゆっくりくつろいでもらいたいという想いが色濃く表現された空間。購入した万年筆を持ちこみ、その一本に対する初めての時間を過ごしてもらう場所と位置付けられています。

書斎館のカフェエリア

コーヒーや紅茶を味わいながら手紙をしたためたり、過去や未来に思いを巡らせながら日記をつづったり。カフェスペースでは、万年筆を中心に据えながら自分と向き合える時間が生まれることでしょう。

書斎館のオープンテラス

時には、お客さん同士で自慢の万年筆を見せ合ったり、そんな集いが開かれることもあるといいます。お茶を愉しみながら、素敵なコミュニケーションの輪が広がるかもしれません。

懐かしさを感じるアンティークの調度品

書斎館のカフェスペースにゆとりを感じる所以は、所々に散りばめられた調度品にあるかもしれません。アメリカ・ウェルシャーホテルの椅子と、ニューヨーク近代美術館の永久保存モデルのテーブルが、パーソナルスペースに落ち着きをもたらします。

書斎館のカフェエリア

そして、万年筆が生まれた時代の空気をまとう、スタインウェイのスクエア・ピアノ。むかし実際に使われていた学習机やランドセルなど、古き良きものを慈しみ、アンティークとともに懐古的な時間を体感できるでしょう。

スクエア・ピアノ

日本のものと海外のものが入り交じりながらも、色合いや時代の雰囲気が統一されたアンティークは必見。万年筆の専門店と呼ぶにははばかるような、もっと人を包み込んでくれる、人々の記憶につながるものが多く顕在しています。

陽だまりのオープンテラスでひと休憩

カフェスペースをさらに奥へと進むと、入り口のステップ・ガーデンをのぞむテラス席が姿を現します。まさに「秘密の庭」を感じさせる、美しいオープンテラスで過ごす時間も快適です。

書斎館のオープンテラス

テーブルウェアは、大正から昭和にかけて作られたアンティーク仕様。背景のストーリー性を大切にする書斎館の空間づくりに華を添えます。

書斎館のスタッフが考える万年筆の魅力

いつもとは違う字幅で書いてみよう、こんな色を使ってあの紙に描いてみよう。書きたい、描きたい、想いを届けたいという願いを叶え、その筆跡に自分の個性や感情を表現できる、書くためのツール(筆記具)が万年筆です。

万年筆

しかし、万年筆は単なる書く道具にとどまりません。付随する様々な想いを、自分の中でめぐらせる時間が含まれています。汎用的なペンとは異なり、アクセサリーのごとく大切に扱ったり、どんなときに手に入れたのかすら記憶にとどまる、物語の詰まったペンともいえるでしょう。

ジュエリー

そして、書斎館の言葉を借りるなら、一見無駄に見える「ひと手間」こそがいとおしい。パーツを洗浄したり、保管にも細心の注意を払ったり。ペン先にインクをつけて書く行為、それに至るまでの過程が愉しいということも、万年筆の秘めたる魅力として伏在しています。

書斎館で万年筆を選ぶことの意義

万年筆の世界観を極限まで拡げることに尽力する「Pen Boutique 書斎館」では、万年筆とその周辺に秘められた可能性を感じずにはいられません。ここで流れる時間の中で、万年筆を選びたいと思わせる空間こそが、書斎館が人々を惹きつける最大の魅力でしょうか。

万年筆

ギフトで万年筆を選ぶときも、どんな相手がどういったシチュエーションで書くものなのか考えると、贈る行為のストーリー性が高まります。そして、万年筆に対する自分の想いが深まっていく。そういったプラスアルファを体感することのできる空間が、書斎館にはあります。

訪れる理由は様々、マルチな利用シーン

モノを書くこと自体が少なくなってきた現代でも、日記や手紙など万年筆を使ってみたいと思える場面はまだまだあります。万年筆の書き方を知って、大人ならではの高尚な愉しみを持ってみてはいかがでしょうか。

万年筆

ギフトでも然り。人生のパートナーに想いのこもった万年筆をプレゼントをしてみたり、子供や親戚の入学・成人祝い、会社の同僚の転職・退職祝いに贈ってみても、一生の思い出に残るような稀な機会になるはずです。

ギフトシーン

書斎館では、万年筆メーカーが主催するペンクリニック、ガラスペン作家や革小物作家のオーダー会、絵本作家による万年筆イラスト講座など、様々なイベントも開催されています。ディスプレイの入れ替えやキャンペーンも頻繁にあるため、お出掛けのついでにフラッと立ち寄ってみても良いかもしれません。

書斎館で心穏やかな時間を過ごしてみては

Pen Boutique 書斎館」は、都心の喧騒から離れた、ゆとりの空間が広がる万年筆の専門店です。万年筆とそれを通じて集まった人々の想いが調和して、穏やかで優雅な時間を感じることができます。

書斎館の外観

欲しいものは、百貨店でもインターネットでも簡単に手に入る時代。そんな時流から少しだけ抜け出し、南青山の路地裏でゆったりした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

ショップの詳しい情報

店名 Pen Boutique 書斎館(しょさいかん)Aoyama
住所 〒107-0062
東京都港区南青山5-13-11 パンセビル1階
営業時間 [平日]11:30 ~ 14:00 / 15:00 ~ 19:30
[土日祝日]11:30 ~ 19:30
最寄駅 地下鉄銀座・半蔵門・千代田線 表参道駅 B1出口より徒歩7分
※B1出口は階段のみです。エレベーターをご利用の場合はB3出口が便利です。
電話番号 03-6712-5420
ホームページ https://www.shosaikan.co.jp/
その他の店舗 羽田空港店
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本記事は2020年12月17日時点の情報です。

地図で場所を確認

この記事を書いた人

河野 ひろこ

ギフトコンシェルジュ兼webライター。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きと、ショップ巡りをライフワークにしている。

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