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柔らかな日差しが降りそそぐ10月の中旬。ベビーカーで子供を連れ、お散歩へと立ちました。向かった先は「二子玉川(ふたこたまがわ)」。東急田園都市線で急行に乗れば渋谷から11分で到着する二子玉川駅をはさみ、東西に広がる街です。足元には多摩川が流れ、緑地も広がる、自然豊かな側面も持ちます。家族や友人連れで賑わう街は、赤ちゃん連れでも気兼ねなく楽しめそう。
今回のまち歩きは、ランチから散策、晩ごはんのお買い物にいたるまで。リフレッシュを兼ねたママ向けのお散歩コースをご案内します。子連れでゆったり東側の「二子玉川ライズ」エリアと、出来ることなら一人で楽しみたい西側の「玉川高島屋」エリア、2つのコースをお楽しみください。
子連れでゆったり♡ 「二子玉川ライズ」エリア
赤ちゃん中心の生活はスロースタート。赤ちゃんの朝のお昼寝が終わり、支度を済ませるころにはランチ前になっていることもしばしば。まずは混雑する前にランチを済ませてから、散策や買い物を楽しむことにしました。
① CHICHICAFE(チチカフェ)
ランチに選んだのは、二子玉川駅から10分ほど歩いた多摩川沿いにある『CHICHICAFE(チチカフェ)』です。店内には、大きな窓からは太陽光がたっぷりと降り注ぎます。テラスもあるので、赤ちゃんのグズりが心配ならばテラスを選んでもOKな安心感が心強い。目の前の道路は交通量が少ないので、ゆったりとした雰囲気で食事を楽しめる点が魅力です。
ランチは、肉、魚、野菜それぞれがメインの定食と、和風カレー。この日はヘルシーなものを食べたい気分だったので、限定5食の「野菜ランチ(煮びたし)」を注文することに。野菜ランチは、日ごとに変わるおばんざい3品から1品を選びます。野菜はひとつひとつ丁寧に仕込んであって、色が綺麗。サクッ!シャキッ!と、野菜ごとの食感も楽しめ、心も弾みます。
赤ちゃんがいると自分の食事は二の次。食感にまでこだわった食事なんてなかなかできません。おいしい野菜で心も体も栄養補給できた幸福感を抱え、次の目的地へと向かいます。
② 二子玉川公園
チチカフェ目前の道を北に向かい、左手に見えるセルフサービスのフレンチも通り過ぎると『二子玉川公園』の入り口が現れます。二子玉川公園は、おむつ替えコーナーやスロープ、車椅子用トイレなどのユニバーサルデザインが多く取り入れられ、ベビーカーや車いすの人も散策しやすいのです。
たどり着いた「眺望広場」は多摩川を広く望めるロケーション。空にはいっぱいのアキアカネが飛び、風情を感じました。ちなみに、東京・赤坂と神奈川県・大山を結ぶ大山街道(現在の国道246号線沿い)にあった多摩川は、大正時代までは架設を許可されなかったため二子の渡しという渡し舟で川を越えていたそうです。
ランチタイムの公園は、同僚との談笑を楽しむビジネスマンや日光浴を楽しむ赤ちゃん連れで賑わっています。季候が良ければ、近隣の飲食店でテイクアウトしてピクニックしても良さそうです。
二子玉川公園内には日本庭園があることをご存知でしょうか。平成25年に作庭された「帰真園」という回遊式日本庭園です。立て看板には「約5,800㎡の庭園は、多摩川の源流から本流まで、そして国分寺崖線のみどり豊かな丘陵と武蔵野の風景を表現した空間(縮景)となっています」と書かれています。
木漏れ日を浴びながらの散策は心地良さしかありません。鳥のさえずりに耳を傾けたり、水の流れる音に没入したり、木々から望む青空を見上げたり。時間を忘れて、のんびり過ごせます。「こんな音が聞こえるね」なんて、時々子供に話しかけ、親子の触れ合いも充実します。
日本庭園の中には、世田谷区登録有形文化財に登録されている「旧清水家住宅書院」があります。これは、明治43年頃に現在の台東区根岸にある清水家屋敷内の離れとして建築されたものが移築復元されたもの。中に入ることはできませんが、縁側や書院の間など、外から眺めるだけでもタイムトリップした気持ちになれます。庭園は、午前9時から開園しているので、静かに過ごしたい人は朝イチを狙いましょう。
③ ACTUS(アクタス)
二子玉川公園を後にし、二子玉川駅に向かうと、再び店舗が並ぶ通りに出ます。お洒落なインテリア雑貨やインテリアを仕入れるのにうってつけのお店が『ACTUS(アクタス)』です。厳選された、大小さまざまなアイテムが並ぶ店内は洗練されています。奥にはソファーやテーブルなどの大型家具がディスプレイされ、「こんな素敵な家だったら」と夢が膨らみます。
こちらでは、自宅用のキッズ、ベビーのアイテムを購入しても良いのですが、贈答目的での利用もオススメです。デザイン性や機能性の高いベビーアイテムが揃っているので、感度の高い女友達への出産祝いや誕生日プレゼントにぴったりです。
④ 二子玉川 蔦屋家電
こちらのエリアの大目玉といえば『二子玉川 蔦屋家電』でしょう。美容・食・音楽など、各ジャンルごとに分かれたエリアはどこも斬新なアイテムが揃い、見ごたえがあります。常に流行の最先端を行くセレクト(流行を作っていると言っても過言ではないかも)は、著者も常々参考にしています。
書籍や雑貨、食品など、様々なジャンルのアイテムを一挙に購入できる点も面白い。時には伝統的な製法を守った食品を紹介し、時には最先端のリラクシングアイテムを紹介する。そして、クラウドファンディング挑戦中の商品を実際に試すことのできるコーナーもあり、エネルギーが渦巻く店内に刺激を受けっぱなしです。
ここでは、塩麴を購入しました。便利な調味料、どんな美味しい料理ができるかな。家族と一緒に試食する楽しみをお持ち帰りしました。
⑤ 二子玉川ライズ・ショッピングセンター
子供アイテムが豊富な二子玉川エリア。東急グループが運営する複合施設『二子玉川ライズ』はその総本山とでも言いましょうか。この日は、二子玉川ライズタウンフロント4階にある「DAD WAY」でおもちゃを購入。カラフルな赤ちゃんアイテムは、見守る大人まで楽しい気持ちになります。
出産を控えた友人に贈るベビー服もチェックし、店舗を後にします。この後は、玉川高島屋エリアへ繰り出すもよし、二子玉川駅から岐路に着くもよし。お帰りの場合も、本記事の「⑬ 東急フードショー」で紹介している晩ご飯とお土産の購入もお忘れなく。
出来れば一人で楽しみたい!「玉川高島屋」エリア
二子玉川ライズよりも先に発展した玉川高島屋エリアは、マダムの街というイメージ。玉川高島屋裏には石畳や千年格子が京都の町屋を思わせる「柳小路」や個人店がひしめく路地があり、身一つで身軽に街歩きしたいエリアです。しかし、大通り沿いには広々したカフェが多く並び、玉川高島屋には開放的な庭園もあるので、子連れでのリフレッシュも受け入れてくれる懐の深さも感じます。
ちなみに「二子玉川」という地域名は存在しないことをご存知ですか? 世田谷区の「玉川」と、多摩川を挟んだ神奈川県川崎市高津区の「二子」を組み合わせ、二子玉川駅との駅名が作られたそうです。
さて、子供を預けられた日には、のんびりなんてしていられません。お店がオープンしはじめる10時を目指して、活動開始です。二子玉川のシンボルツリーに指定されているハナミズキが植えられる「花みずき通り」沿い、「二子玉川けやき緑地」近くにあるグルメスポットを目指します。
⑥ タマクーヘン
まずは10時オープンのグルテンフリーカフェ『タマクーヘン』へ。こちらは、グルテンフリーのパンや菓子を作るお店です。グルテンフリーのバームクーヘンは30gから量り売りしています。ホールならば、季節ごとに異なるデコレーションを施されたバームクーヘンが用意されているので、手土産や誕生日プレゼントにしても喜ばれるでしょう。
子供用のバームクーヘンと、自分へのお土産パウンドケーキを早速ゲットです。バームクーヘンは、パサっとしているのかと思いきや、しっとりしていて美味しい!卵のやさしい甘さに、おかわりの手が伸びます。
カフェコーナーもあるので、朝イチでのんびり過ごしたい時に利用するのもオススメです。
⑦ Flying Tiger Copenhagen
カラフルでにぎやかな雰囲気が漂う『Flying Tiger Copenhagen(フライングタイガーコペンハーゲン)』には、吸い込まれるように入っていきました。子供のおもちゃやキッチン用品など、可愛いアイテムが豊富なお店。
ピクニックに持っていきたいバッグやレジャーシート、小さなテーブルは想像以上にお値頃価格。子供のアイテムは汚れやすいため、高価なものだと汚れた時に悲しい気持ちになってしまいます。お洒落なだけでなく、手ごろな値段で手に入る点もパパママに嬉しいポイントです。
こちらでは、水で溶かすだけでお絵かきを楽しめる絵具と、友人の子供への手土産のリングを購入。千円以内に納めただけ、大健闘です。この程度で我慢できた自分を褒めながら、お店を出ます。
⑧ 玉川高島屋 屋上庭園(フォレストガーデン)
玉川高島屋屋上にあるガーデンもぜひ立ち寄りたいスポットです。丁寧に整えられたガーデンは、初夏にはハーブ、秋には木の実など季節ごとの草花が彩りを添えます。10月中旬の訪問日には、多種多様なバラが咲きはじめていました。天気の良さも相まって、気持ちがいい。
ベンチやパラソルがあるので、散策中に購入したものをこちらで食べたり、こどもとの休憩にもおすすめです。二子玉川駅を訪れるたびに立ち寄りたい、素敵なガーデンでした。
⑨ BOX&NEEDLE
玉川高島屋裏にあるエリアに移動します。まずは、貼箱専門店『BOX&NEEDLE』へ。世界中から集めた紙を貼った箱を販売している他にない個性的なお店をぜひ訪問したかったのです。店内に入ると、多彩な紙が迎え入れてくれ、早速目移りします。各国の人の感性で描かれたデザインは、異国情緒を感じます。
どこを見ても箱、箱、箱! 理想の一箱を探すべく目を皿にして店内を見まわします。可愛い・シブい・クラシックなど、様々なテイストの紙が貼られた数えきれないほどのボックス。スクエアやペン型、名刺入れと、箱の形や大きさも様々です。磁石付きのボックスは冷蔵庫に貼ってキッチンの収納にも一役買います。
スリッパに履き替え2階に上がると、ワークショップスペースが。ワークショップは随時開催されていて、初心者から数々のワークショップをこなした達人までが参加します。主に、自分の気に入ったペーパーを選び、自分で型に貼るワークが多いようです。モノづくり好きな友人を誘って参加したいと感じました。
贈り物をするときに、複数のお店で購入した商品をまとめてプレゼントすることがありますが、ラッピングに悩みますよね。そんなとき、BOX&NEEDLEのギフトボックスが素敵にまとめてくれそうです。今後の参考にじっくり箱を眺めました。
⑩ KOHORO
BOX&NEEDLEと同じ一角にあり、この界隈を盛り上げているのが『KOHORO』です。器と暮らしのものを取り扱うコホロ。華美な装飾の少ない、空間に溶け込む器が並びます。盛り付けた食事や活けた花を引き立たせる器は、暮らしの質を上げてくれそうです。中央の展示には土鍋が並び、冬支度を感じられました。
⑪ Cafe Lisette(カフェリゼッタ)
ランチは、コホロ目の前にあるカフェでいただきます。プリンアラモードが有名な『Cafe Lisette(カフェリゼッタ)』では、季節のフルーツを使ったスイーツを楽しめます。が、軽食もあるのです。選んだのは、ケークサレ。この日の具材はサーモンとクリームチーズでした。表面サクッ、中ほろり、な塩ケーキはワインを合わせたいと感じます。お酒を飲んだら眠くなりそうだったので、この日は自主規制しました。
厚みのあるケークサレはなかなかの食べ応えだったので、イチジクタルトとリゼッタオリジナルの紅茶を追加で注文(リゼッタはワンドリンク制です)。のんびりとそよ風を感じながらのランチは心地よい。束の間ではありますが、赤ちゃんの泣き声や子供の騒ぎ声とは無縁なひとときを過ごすことができました。
エントランスでは、焼菓子やジャム、テーブルナプキンなどの販売もあります。お土産や友人へのプレゼントを購入するのもオススメです。
⑫ WTW(ダブルティー)
子育てからの解放感を味わいながら過ごしていましたが、そろそろ帰宅を意識して動かなければなりません。二子玉川駅へ戻ります。 二子玉川ライズSC ステーションマーケット1階にある『WTW(ダブルティー)』は、サーフスタイルのインテリア雑貨が揃うお店。ついつい子供のアイテムばかりに目がいきますが、私だってスタイリッシュなお部屋作りをしたい。最後のあがきとして、立ち寄りました。
ちょっと厚みのあるブルーの食器と木製のカトラリーを並べて、西海岸風の食卓に。こちらのお店で購入したものを並べるだけで爽やかな食卓ができあがり、夢が膨らむお店です。
⑬ 東急フードショー
歩き回って疲れたら、晩ごはんは手抜きしましょう。お惣菜もおつまみも晩酌用のお酒も一挙に手に入る(しかも駅に近い)、ステキな場所が『東急フードショー』です。
おつまみ専門店「ホタルノヒカリ」ではおつまみを購入。素材や製法にこだわってつくられたおつまみが並ぶこちらのお店。魚介系のおつまみ、ビーフジャーキー、銀杏やナッツなど、吞兵衛の心をくすぐるおつまみが並びます。
新しく販売されたのがご飯の供。真鯛やマグロの漬けや、数の子の明太子和えなどが冷凍の状態で手に入ります。おつまみにこだわると晩酌がうんと充実します。子供を見てくれたパートナーへの手土産もこちらで調達しましょう。
エキゾチックな雰囲気を醸し出す「ファーイーストバザール」は、ドライフルーツやナッツが手に入るお店です。ファーイーストバザールが取り扱うドライフルーツとナッツは、「有機JAS認証」「海外有機認証」「農薬・化学肥料不使用」「残留農薬検査済(検出せず)」いずれかの基準を満たしたもの。
また、砂糖・香料・着色料・保存料は一切使用していないので、果実本来の自然な味わいや香りを楽しめ、妊婦さんや授乳中のママへのプチギフトにしても喜ばれます。もちろん、自分へのヘルシーおやつにももってこいです(写真は渋谷店)。
期間限定ショップとして出店していた「かいつか」では、秋を感じる焼き芋を購入。茨城県産のさつまいも「紅天使」を熟成させた焼き芋はねっとり甘くて濃厚!焼き芋にした時に最高糖度が47度にもなるのだそうです。その甘さは、「これって本当にさつまいもだけで作られてる?」と疑うほど。これが4本で約800円とはお買い得すぎます。
手土産、子供たちのパーティーの差し入れにオススメです。余ったら冷凍保存も可能なので、多めに買っても損はありません。
おわりに
二子玉川は、喧騒から離れゆったりした空間に身を置きたいときにオススメ。今回はショップやカフェを中心に巡りましたが、多摩川の堤防沿いをふらりと散歩するだけでも充実の時間を過ごすことができそうです。一度では見切れないほど魅力の多い街には、自然を楽しめる公園もまだまだ存在します。何度訪れても違う楽しみ方ができる「ニコタマ」にすっかり虜になりました。
また、子供の成長に合わせた様々なアイテムや豊かな自然環境が揃うため、この街だけで子育てが完結してしまう、ファミリーにはたまらない街だと感じました。子連れでも、おひとり様でも満喫できる二子玉川エリア。ぜひあなたのお気に入りスポットを見つけてお過ごしくださいね。
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