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艶やかな上質感をまとい、食卓に華やかな品格を添えてくれる漆の器。ハレの日のテーブルコーデ、そして割烹や旅館など敷居が高い空間で使われるイメージが強く、身近な存在として感じ得ない人は多いのではないでしょうか。しかしながら、漆器特有の雅やかな光沢感は見惚れてしまうほど所有欲を掻き立てます。
日常でもカジュアルに漆器を持ち歩くなら、上品な艶感がありつつ軽くて丈夫な「越前漆器」のボトル&タンブラーがおすすめ。コーヒーを入れて散策したり、煎茶を入れて読書のお供にしたり、慎重になっていた漆器使いを生活の中にスッと馴染ませることができるのです。存在感を放つボトルやタンブラーは、仕事やフォーマルな場にも相応しく気分を高めてくれます。
スタイリッシュなだけでなく、スマートな実用性を備えたドリンクウェアはまさにギフト向き。身近な贈答シーンで考えてみても、旦那様への誕生日プレゼントや会社の上司・先輩への送別品、祖父母への敬老の日ギフトなど贈りたい機会は数多くあります。今回は、越前漆器ボトル&タンブラーを製造する「土直漆器」の代表・土田直東氏にその魅力について伺いました。
福井県鯖江市の漆器メーカー「土直漆器」とは
昭和54年創業の土直漆器(つちなおしっき)は、福井県鯖江市河和田を中心とする漆の工芸品「越前漆器」を製造する工房。この地区は業務用漆器で国内シェア80%以上の一大産地として知られ、一流ホテルや料亭などで使用される漆器を数多く製造しています。土直漆器もかつて業務用漆器の製造に携わっていましたが、90年代から家庭向け漆器の製造を開始しました。
本来であれば、越前漆器は素地作りや塗りなどの工程それぞれに専任職人がいる「分業体制」で製品作りが進められますが、土直漆器では自社で職人を抱え、素地作り以外の全工程(下地・中塗・上塗・蒔絵)を「一貫体制」で行なっています。そのため、職人同士が密にコミュニケーションを取れ、理想とする製品イメージをより具現化させることができるのです。
土直漆器のブランドコンセプトに話が及ぶと「食事の時間ってホッとしますよね。なので、そのような時間を一緒に過ごせて、心豊かになれる製品づくりを目指しています」と土田氏は優しく微笑みます。土直漆器には、両手で抱えたくなる柔らかなフォルムのお椀や、悠々しい力強さを感じさせる木箸など、家庭の食卓に迎え入れたい製品が並びます。
そういった日々の食事に寄りそう器を製造する一方で、今回ご紹介するマグボトルや名刺入れ、ティータンブラーなど、漆器としては前衛的なプロダクトも展開する土直漆器。製品を企画するフェーズでは、現代の生活に寄り添いつつも昔ながらの技法や技術を守り活かした製品づくりが意識されています。
「よく『伝統を守る』と言われるのですが、伝承するには伝えるだけではなく今の時代に合った商品作りがとても大切だと感じます。きちんと変化しながらも昔の技術を継承することが私たちの使命だと思っています(土田氏)」。越前漆器に魅力を感じてもらえる製品をつくり続けることで、次世代の担い手を育てる責務も果たしているのですね。
越前塗りを施したドリンクウェアがもつ魅力
暮らしに溶け込む道具を取り揃える土直漆器でひときわ異彩を放つ製品が、サーモマグとのコラボレーションで誕生した「URUSHI UMBRELLA BOTTLE」と「URUSHI MOBILE TUMBLER」。海外向けに漆器を展開する際、世界中で根付くコーヒー文化のキーアイテムに「漆」を施してはどうかというアイデアから生まれた逸品です。ステンレス製の本体に化学塗装を施してから漆を塗る技法も、実はもともと越前漆器で培われていた技術だと言います。
保冷・保温に優れ、軽量スリムなボトル
ボトル本体は高い保冷保温効果をもつサーモマグを採用。手探りでスタートしたプロジェクトだったこともあり、サーモマグのカスタマーセンターに問い合わせることから始まったそうです。折り畳み傘をイメージして作られた、軽量でスリムな真空断熱二重構造。300mlの容量がありながら重量は230gと軽量なので、まさに持ち歩きにもってこい。職場でのランチトートに入れてもかさばりません。
漆塗りの艶やかな質感と抗菌作用をもつ
何と言っても、漆塗りの表面に蒔絵技法で文様を描いた艶やかな質感が最大の魅力です。しっとりした手触り感は、人肌に優しい心地よさ。特に朱色の漆は時が経つにつれ鮮やかになる性質があり、レザーなどと同じように経年変化を愉しめ、使い込むうちに愛着が湧きそうです。また、漆には「最強の天然塗料」と称される抗菌作用があるそうで、化学塗料とは違うメリットにも秀逸性を感じます。
目を惹く豊富なデザインバリエーション
ボトルやタンブラーの絵柄は、朱と黒の塗り・唐草・宝尽くし・鳥獣戯画・波千鳥・桜などバリエーション様々。唐草模様には長寿や繁栄の意味合いがあり、波千鳥は平穏な暮らしを願う気持ちが込められているので、贈り物をするときは絵柄に込められた想いも伝えると一層喜んでいただけるでしょう。一番人気は日本最古の漫画と言われている鳥獣戯画だそうです。
越前漆器ボトル&タンブラーを贈るおすすめのシーン
土田氏によると、「URUSHI UMBRELLA BOTTLE」と「URUSHI MOBILE TUMBLER」は退転職のお祝いや敬老の日ギフトに贈られることが多く、タンブラーは30~40代、ボトルは50~60代の方に選ばれる傾向があるそう。また、外国人観光客がお土産で購入したり、日本人が海外の友人に贈り物として選ぶことも増えてきたと言います。
お洒落で日本らしい繊細な雰囲気が漂うボトルやタンブラーは、生活にビバレッジが欠かせない人にはもちろんのこと、和装を着こなす大人にも喜ばれそう。漆塗りタンブラーを片手に着物で外出なんて粋ではありませんか? また、何度でも使えるボトルはサステナブルに配慮する人への贈り物にも喜ばれます。ここでは、ボトルとタンブラーそれぞれにおすすめする贈答シーンをご提案します。
URUSHI UMBRELLA BOTTLE
URUSHI umbrella bottle 鳥獣戯画収納しやすいサイズと重量感のボトルは、外回りや出張など移動が多い男性にもピッタリな贈りもの。「鳥獣戯画」のデザインなら、遊び心にあふれた動物たちの姿から元気をもらえそうです。サイクリングやアウトドアなど、趣味人にも重宝される細身デザインのボトルは、仕事でもプライベートでも欠かせないパートナーになるでしょう。
もちろん、旅行や散策好きな女性への誕生日プレゼントでも喜ばれます。小さめなバッグにも収納しやすく、軽量なボトルはオシャレに抜かりない女性の旅を充実させます。マイボトルを持参すると割引サービスがあるカフェも増えてきました。お得にスタイリッシュを楽しむ、いいこと尽くめなカフェタイムを過ごせそうです。
URUSHI MOBILE TUMBLER
URUSHI MOBILE TUMBLER 布着せ温かみある姿形と質感のタンブラーは、自宅での時間を大切にする人に贈りたいアイテム。読書家のおばあちゃんや趣味に没頭するおじいちゃんの傍らで、一服の飲み物を保ち守ります。「布着せ(ぬのきせ)」は、タンブラーに布を纏わせ漆を塗りこむ、お椀に使う技法を利用した一品。布目が漆の様々な表情を引きだす技アリな風合いは、目利き力のあるシニア世代にもおすすめです。
URUSHI MOBILE TUMBLER SHU / KURO承認欲求を掻き立てるスタイリッシュなタンブラーは、デスクワークに精を出すビジネスマンのギフトにもおすすめです。保守的なデザインを好む男性には「KURO」をチョイス。デスクにちょこんと置けば同僚との話のネタにもなり、背筋が伸びて仕事が捗りそうです。日々仕事を頑張っているパートナーに「いつもお疲れさま」の気持ちを贈り届けてみてはいかがでしょう。
おわりに
まろやかな光沢感をかがやき放つ漆器のドリンクウェアは、粋な大人の存在感をまとわせます。伝統とモダンが共存する越前漆器のボトルやタンブラーで、品よく丁寧なギフトをお贈りください。土直漆器のオンラインショップや直営店、都内だと三越本店・銀座三越・東京ミッドタウンガレリア3階にある “THE COVER NIPPON” などで購入できます。