秋と言えば新米の季節。稲穂が織りなす黄金色の絨毯を眺めると、秋の訪れを感じるとともに、日本人で良かったとしみじみします。11月は、神に新米を奉納し、秋の収穫を祝い感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」が伊勢神宮で行われます。
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古来より、人々は新嘗祭が終わるまで新米を食べることを慎んでいたそうです。そんな米や農作物ですが、新年から様々な祈りを捧げながら実りの収穫を迎えます。今回は、五穀豊穣の祈りが込められた縁起物について見ていきましょう。
日本におけるお正月の風物詩
はじめに、お正月の風物詩ともいえるおせち料理。「豆に数々田を作る」という言われから、主に関東で必ず作らねばならないとされたのが、黒豆、数の子、ごまめ(田作り)です。ごまめは、田の肥料にしたことから「田作り」とも呼ばれ、五穀豊穣を願う気持ちも込められたそうです。
また、新年に各所で見られる獅子舞は、厄除けだけでなく五穀豊穣や商売繁盛なども祈願しています。しめ縄に使われる藁も、稲をよったもの。自然の恵みである稲の茎をよることは、農民にとって非常に大切な作業だったそうです。1年のはじまりは、盛大に神々に感謝や祈りをささげるのですね。
七福神の中では、大黒天が五穀豊穣の象徴とされています。もとはインドの神様だったのが、中国で食堂や厨房の守り神として祀られ、日本に伝わった際に大国主命と重ねて信仰されたことで、五穀豊穣の神となったといわれています。
また、大黒天の周りをうろちょろしている鼠も、五穀豊穣の縁起物のひとつ。台所や食料を守る動物と考えられていたそうです。決して大黒天の食料を狙っているわけではないのです。
五穀豊穣を祈る様々な祭りごと
季節は移り、3月には伊勢神宮で「御園祭(みそのさい)」が行われます。これは、神宮のお祭りにお供えする御料の野菜や果物の、豊かな稔りと農作業に携わる人々の安全を祈念し、併せて全国の農作物の成育と農業の発展をお祈りするものです。
田植えの時期には、豊作を祈る舞や踊りを捧げる地域もあります。炎天下が降り注ぐ8月4日には「風日祈祭(かざひのみさい)」といって、天候や風雨がなく順調に農作物が育つようにと祈るお祭りもあります。
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そして、無事に収穫できた農作物は10月下旬の「神嘗祭(かんなめさい)」にて神様にお供えし、感謝を伝えるのです。調べてみると、日本には五穀豊穣の祈りの機会が多く存在し、人々の願いの強さが伺えます。
新嘗祭にちなんだ新米ギフト
さて、皆さんは「神嘗祭」と「新嘗祭」があることに気づきましたか? どちらとも、神様に作物を納めて五穀豊穣を感謝するのですが、新嘗祭は、その後に天皇陛下も初穂を召し上がるのだそうです。
秋らしい新米ギフトは、出産内祝いにぴったりではないでしょうか。新たな命と新たな恵み(新米)がリンクして、より一層のめでたさを感じることでしょう。
米のパッケージにお子様の名前を入れても、オリジナル感がうまれます。赤ちゃんの出生体重をお米で届ける「体重米」は、出産祝いだけでなく、結婚式の際に新郎新婦から両親へ贈っても感動的な演出になります。
「縁結び」や「夢ごこち」などの縁起の良さそうな品種名のお米は、結婚祝いに贈れば、大人の遊び心すら感じ取れます。3号ずつ真空パックされた米の詰め合わせギフトなら、2人暮らしのご家庭へ贈っても新鮮な状態で召し上がっていただけます。
秋の贈り物に最適なミートグルメ
農耕民族にとって重要な存在である馬・牛・羊も、農耕を守る動物として大切にされてきました。特に、羊は繊維も取れることから、寒い地域では重要な動物で、「祥」「善」「美」といった漢字に羊が使われていることからも、大切にされてきたことがわかります。羊は、その見た目や字体から諸々のお守りとされ、縁起物とされてきたのです。
実家で農業をしている家族や友人に、秋の贈り物として食肉を贈ってみても、収穫祭のようなテーブルになり楽しいかもしれません。牛肉なら、ステーキ、しゃぶしゃぶ、ローストビーフなど、パーティーの主役級のごちそう。馬肉なら馬刺し、羊肉ならジンギスカンセットなど、お酒が進みそうな贈り物になりますよ。
世界における五穀豊穣の縁起物
世界各地では、五穀豊穣の縁起物はどういったものがあるのでしょう。ヨーロッパ全域では、鳥のサギが五穀豊穣のシンボルといわれています。夫婦で落ち穂をついばむ姿から、反映のシンボル、畑を守る神として大切にされてきたそうです。
また、ヨーロッパの主食と言えば小麦ですが、小麦にまつわる幸せな言い伝えも。それは「パンの中に残っている小麦の粒はいい知らせ」というもの。食べずに玄関の外に置いておくと、そこに最初にやってきた人の名前が未来の恋人の名を暗示するのだそうです。ガレットデロワのような、食べるときにワクワクする言い伝えですね。
アメリカで探してみると、新嘗祭と似たような日が「サンクスギビングデー(感謝祭)」でしょうか。イギリスからの入植者が、農耕を助けてくれた先住民と農作物の収穫を感謝したのがはじまりのイベントです。このイベントに欠かせないのが七面鳥。
ローストターキーの中のY字型の骨「ウィッシュボーン(鎖骨)」をみつけたら、2人の小指をYの突端の部分に引っかけ、互いに願いをかけながら引っ張り合います。手元に長い骨が残った人の願いが叶うといわれています。
多くの人の積み重ねや祈りにより実った農作物は、大切な人への贈り物にもうってつけ。人々の笑顔を引き出すグルメギフトを、皆さまも贈ってみてくださいね。