汗ばむような暑さが遠のき、身震いするほど寒さが本格化してくると、いよいよ年末年始のイベント事がちらほらと頭をよぎってきます。年末年始は様々な行事が目白押しで、日割りでスケジュールを詰めていくような慌ただしさがあります。
そんな年末年始は、恒例の伝統行事や季節を楽しむシーズンイベントだけでなく、ギフトを贈る機会も数多くあります。イベントの日程を確認するとともに、贈り物の計画をしっかりと立て、行く年来る年を気持ちよく迎えましょう。
年末年始に行なわれるイベント
年末年始のイベントと聞いて真っ先に思い付くのが、クリスマスとお正月。さらに思い返してみると、日本古来から続く伝統的な行事がいくつもあり、人によってはゆっくりする間もなく過ぎてゆくように感じます。ここでは、2021年末~2022年始のイベントスケジュールを確認していきましょう。
冬至[12月22日]
冬至(とうじ)とは、北半球において昼間の時間(日の出から日の入りまで)が1年で最も短くなり、夜が最も長くなる日のことです。2021年の冬至は12月22日(水)となりますが、『節分ギフトのマナー』で解説したように、二十四節気のひとつであることから日付が変わる年があります。
冬至には柚子湯に入ることが伝統的な習慣とされていて、これは「融通がきく柚子(ゆず)」と「冬至の湯治(とうじ)」を掛け合わせた語呂合わせだと言われています。他にも、冬の七草である南瓜(かぼちゃ)や、疫病にかからないという伝承がある小豆粥を食べることで、体を温め無病息災を願う習慣があります。
クリスマス[12月24~25日]
クリスマスとは、イエス・キリストの降誕祭(誕生日)を祝う、キリスト教の記念日のことです。毎年12月25日が「クリスマス」ですが、旧来の風習では日没を1日の境としていて24日の夜から祝われるため、その習慣が「クリスマス・イブ」と呼ばれ一般化しました。
ただし、イエス・キリストが12月25日に生まれたという記録が残っているわけではなく、真相は謎に包まれています。現代に至るクリスマスの起源としては、古代ローマ時代までさかのぼり、日照時間が長くなる境目である「冬至」に、太陽の復活祭を催したのが由来とされています。
クリスマスプレゼントの起源は、後にローマ帝国で国教と定められたキリスト教の団体が、この時期に貧しい人々に対してパンやお菓子を分け与えたことが始まりと言われています。現代の欧米では、クリスマスツリーの下に置かれたプレゼントを、子供たちが25日の朝一斉に開けることが恒例行事になっています。
仕事納め、忘年会[12月28日]
1年の締めくくりとして、その年のすべての業務を終えることを「仕事納め」と呼んでいます。一般的には12月28日を仕事納めとしていて、これは官公庁が12月29日~1月3日までを休日とするよう法律で定めていることから、民間企業もそれに倣っている格好です。28日が休日の場合は、26日や27日を仕事納めとします。
組織によってまちまちですが、仕事納めの頃には「忘年会」と呼ばれる、その年の苦労を忘れるために執り行われる宴会を催します。忘年会は、鎌倉時代に貴族や武士が集まって連歌を読みあう「年忘れ」という厳かな行事に由来します。江戸時代には現在の形式に通じるような、一年の苦労をねぎらい杯(さかずき)を交わす行事へと偏移したようです。
大晦日[12月31日]
大晦日(おおみそか)は、1年の最後の日(12月31日)のことです。旧暦では毎月の最終日のことを晦日(みそか)といいますが、かつて「みそか」は「三十日」と書かかれていたことに由来します。また、「晦(つごもり)」という字には「月が隠れる日」という意味があり、月が隠れる「晦」が旧暦の30日頃だったといわれています。
大晦日には「今年一年の災厄を断ち切る」という意味で、他の麺類よりも切れやすい蕎麦を食べる「年越しそば」の習慣があります。また、108つの煩悩を祓うことを目的として、深夜0時を挟む時間に寺院の梵鐘を撞く「除夜の鐘」も有名です。フィリピンでは、ドットの丸い形がコインや富を表しているとされ、大晦日にドット柄を着ると富をもたらすと信じられています。
お正月[1月1~7日]
正月(しょうがつ)とは各暦の年初のことであり、本来はその年の豊穣を司る歳神様をお迎えする行事のことで、旧暦1月の別名、改暦後は新暦1月を意味します。現在では、1月1日~3日の「三が日」や、1月1日~7日の「松の内」という意味で使用することもあります。国民の祝日は1月1日の元日だけですが、3日までの三箇日は事実上の祝日となります。
かつてのお正月は神事でしたが、旧年の無事と新年の始まりを祝い、一年の無病息災を願うものへと次第に変わっていったといいます。また、お正月にはしめ縄や門松など「正月飾り」をして、子孫繁栄などを願った縁起のよい「おせち料理」食べ盛大に祝うことが一般的な慣習となっています。
お正月で恒例となったお年玉は、歳神様にお供えした鏡餅を下げるときに、家長が子供たちに餅を分け与えたことが由来といわれています。ブラジルやメキシコ、ボリビアなどの南アメリカの国では、お正月に派手な色のパンツをはくことで、運気をつかむことができると信じられています。
初詣[1月1~7日]
初詣(はつもうで)とは、新年が明けてから神社や寺院などに参拝する行事のことで、初参り(はつまいり)ともいいます。初詣は、大晦日から元旦にかけて家長が氏神神社に籠る「年籠り」と呼ばれる習慣が由来で、次第に「除夜詣」と「元日詣」に分かれ、元日詣が初詣の原形となったといいます。
初詣では、神社や寺院に参拝して、旧年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願します。一般的には、1月1日~3日の「三が日」に参拝することを初詣と言いますが、1月1日~7日の「松の内」であれば良しとしたり、1月中の参拝も初詣とする考え方もあり、地域や宗派によって習慣は様々です。
仕事始め、新年会[1月4日]
年始となる1月の上旬に行なう、最初の仕事のことを「仕事始め」と呼びます。日本の官公庁では、12月29日~1月3日までを休日とする法律を定めていて、1月4日を御用始めとして最初の業務日としています。民間企業でもそれに倣って1月4日を仕事始めとすることが多く、4日が休日であれば5日や6日とすることがあります。
仕事始めの後には、一年の始まりを祝う行事として「新年会」を開くこともありますが、全体では忘年会のみ開いて、新年会は少数精鋭で行なうことが多いようです。一般的に新年会では、酒を酌み交わしたり、1年の目標を発表したりする習わしがあります。
七草の節句[1月7日]
七草の節句は「人日の節句」ともいい、3月3日の「上巳」、5月5日の「端午」、7月7日の「七夕」、9月9日の「重陽」と並ぶ、五節句のひとつです。人日の節句は、元日から6日までの各日を、それぞれ獣畜をあてはめて占う中国の風習から派生したもので、新年7日目は人を占う日にしたことが起源とされています。
また、別名で「健康の日」ともいわれ、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの春の七草を粥に入れて食べ、1年の無病息災を祈る日としても知られています。東北地方では七草ではなく根菜やこんにゃくを入れたり、山形では納豆をまぜ込んだ納豆汁を食べる習慣があります。
成人の日[1月10日]
成人の日とは、法律上の大人である20歳の人々が晴れ着を着てお祝いをする日。国民の祝日に関する法律によれば「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを趣旨とします。成人の日はかつて1月15日でしたが、ハッピーマンデー制度によって1月の第2月曜日(2022年は1月10日)があてられています。
成人の日には、市区町村が主体となって成人式を催したり、親戚や親しい人が新成人に対して金品を贈ることが通例です。欧米には成人式の習慣はなく、18歳以上を成人と定めている国が大多数。バヌアツ共和国で成人男性と認められるには、ナゴールと呼ばれる儀式で木のツルを足首に縛り、約30mのやぐらからジャンプしなければなりません。
初釜[1月10日]
初釜(はつがま)とは茶道の儀式のことで、新年最初に行なうお茶会(稽古)を指します。初釜の起源は永禄8年に遡り、初釜という呼び方が定着したのは明治30年頃だといいます。元々は、年が明けて初めて釜に火を入れることを意味し、元日の早朝に汲まれた水を用いたお茶が振る舞われます。
初釜は、1月10日前後に行なわれることが一般的で、お茶会と新年会を兼ねた意味合いもあります。そのため、お茶以外に懐石料理を食べることもあり、懐石料理・お濃茶・お薄茶という流れで、半日から一日ほど長い時間をかけて過ごすこともあるそうです。
鏡開き[1月11日]
鏡開き(かがみびらき)は「鏡割り(かがみわり)」とも呼ばれ、お正月に神仏に備えていた鏡餅を下げて雑煮や汁粉で食べ、1年の無病息災を祈る行事です。刃物を使うのは縁起が悪いとされるため、包丁などは使わずに餅を割ったりして調理します。
鏡餅は、まさに鏡を模したように丸い大小のお餅を重ね、神仏に捧げるお供え物です。「鏡」は円満を、「開く」は末広がりを意味しているといいます。元々は、旧暦の小正月後の1月20日に行なわれていましたが、徳川家光が亡くなった忌日を避け、松の内が終わる1月11日となったそうです。
どんど焼き[1月15日]
どんど焼きは「左義長(さぎちょう)」とも呼ばれ、小正月に行われる火祭り行事のことです。神社や寺院の境内で、正月飾りの門松・しめ飾り・書初めなどを集めて燃やし、その火で焼いた餅を食べ無病息災を願います。
日本全国で見られる習俗で、地域によっては「とんど焼き」「どんどん焼き」「さいと焼き」「おんべ焼き」「鬼火焚き」など呼び方は様々です。「どんど」という名前の由来は、火を燃やすときに「尊と尊と」と囃し立てたのが訛った説や、どんどん燃える様子から付けられた説があるといいます。
大学入学共通テスト[1月15~16日]
大学入学共通テストとは、大学入学を志願する人の基礎的な学力を判定することを目的とした試験のことで、旧来は「センター試験」と呼ばれていました。2022年は1月15日と16日に実施されることが決定し、その後2月1月~3月25日の間に、各大学で個別の入学試験が実施されます。
そもそも大学入試は、一般・学校推薦型・総合型の3種類の選抜方法があり、国公立大学の一般選抜は「大学入学共通テスト」の受験が必須。近年では私立大学でも利用が増えています。そのため、非常に多くの受験者がしのぎを削る、難関大学への登竜門として広く知られています。
年末年始の贈答習慣と、贈り物のマナー
年末年始の頃合いには、欧米由来のプレゼント文化や日本古来の贈答習慣がいくつもあります。そういった贈答習慣の意味や贈り物のマナーについてここでは触れていくことにします。既に知っている人も、改めておさらいすることで年末年始のイベントを卒なくこなしましょう。
クリスマスプレゼント
クリスマスプレゼントは、イエス・キリストの誕生日を由来とする西欧発祥の贈り物文化です。元からあった12月のプレゼント交換の習慣を、クリスマスに行なうべきと提唱されて始まったとされます。クリスマスには、離れて暮らしている家族や親戚が一同に集まり、パーティを開いたりプレゼントを交換する習慣として根付いています。
日本では、明治時代にキリスト教プロテスタントの一派で構成された救世軍が、貧しい人々に対して果物・パン・お菓子・おもちゃなどを分け与えたことに由来するといいます。大正・昭和を経てクリスマスプレゼントの文化は広く受け入れられるようになり、特に現代では恋人たちのプレゼント習慣としても定着しています。
恋人たちのイベントとしては、ジュエリーやアクセサリーなどを贈り合うことが一般的で、小さな子供のいる家庭では、靴下を壁にかけたり枕元に置いておくことで、事前にお願いしていたプレゼントがクリスマス当日の朝までに入れられているといった演出がされたりもします。
クリスマスプレゼントは、基本的には形として残る品物を贈る習慣があり、誕生日に次いで重要視されているイベントとして扱われたりもします。年末の浮き立つような気分を最高潮に盛り上げる、家族や恋人のためのビッグイベントとも言えるでしょう。西欧を由来とするため、熨斗などは掛けないことが一般的で、煌びやかなラッピングをしてワクワクする演出を心掛けましょう。
お歳暮
お歳暮(おせいぼ)とは、お世話になった家族や上司・取引先・友人・知人などに対して、年末の時期に暮れの挨拶をするとともに、今年1年の感謝の気持ちを込めてギフトを贈る、日本独自の贈答習慣を意味します。
お歳暮の起源は、古代中国の道教の「三元思想」に由来するといわれ、神様の誕生した日としてお供えする行事のひとつである旧暦1月15日の「上元」が、お正月に先祖の霊を迎える「御霊祭」の時期と重なり、これが現代に通ずる習慣のきっかけだと言われています。
江戸時代初期には、武士や商人が組合長や取引相手に対して、暮れの時期に感謝の気持ちを込めた贈り物を持参して回る「歳暮回り」という行事があり、次第にこの贈り物自体を「お歳暮」と呼び社会的に一般化されたという説が有力視されています。
お歳暮を贈る時期は、11月下旬から12月20日前後までが一般的で、遅くとも12月28日までには贈ることがマナーとされています。関西地方では昔からの慣習が根強く、お歳暮の時期は12月13日から20日までの短い期間で贈ることが多いようです。
お年玉
お年玉(おとしだま)とは、新年のお祝いとして、子供や孫、親戚などに対して贈る金品のことを指します。特に、年齢や立場が上の人が目下の人に対して金銭を贈ることを意味し、現代でも日本の伝統的な文化として受け継がれています。
お年玉をあげ始める時期は人によってまちまちで、早い人であれば社交性が出始める幼稚園の入園後から、一般的には小学校に入学したタイミングで、お年玉をあげ始めることが多いようです。お年玉をやめる年齢は、一般的に成人もしくは就職したタイミングが多いようです。
お年賀
お年賀(おねんが)とは、新しい年の神様である歳神様をお迎えして祀る新年の行事が由来とされ、年始の挨拶回りの習慣としても広く活用されるようになりました。旧来はお供え物である「御歳魂(おとしだま)」を挨拶回りで持参することが習わしで、「お年賀」や「お年玉」に転じたと言われています。
お年賀は、1月1日~3日までの「三が日」に直接出向いて品物を持参することが正式的ですが、忙しい三が日を避けて1月7日までの「松の内」に贈ったり、地域によっては1月15日頃までとすることもあります。また、お歳暮が時期的に間に合わなかったケースでも活用され、新年になってからお歳暮の代替としてお年賀を贈ることもあります。
寒中見舞い
寒中見舞い(かんちゅうみまい)とは、二十四節気の小寒(1月5日頃)から立春(2月4日頃)までに行なう見舞いのことで、相手を気遣って送る手紙を特に指します。また、年賀状の返信や喪中で年賀状が出せない場合の代替手段としても利用されます。
ギフトとして寒中見舞いを活用する場合もあり、お歳暮を出しそびれていて、更にお年賀も間に合わなかったとき、1月16日以降で寒中見舞いを贈ったりもします。ただしその場合も、2月4日頃の立春までに贈ることがマナーとなっています。
成人祝い
成人祝い(せいじんいわい)とは、日本では20歳となり大人の仲間入りを果たした人に対して、家族や親戚、ご近所さんなどから贈られるお祝いのギフトのことです。成人祝いを渡す日に決まりはありませんが、成人の日に開催される成人式に合わせて贈ったり、20歳の誕生日に合わせて贈ることもあるようです。
成人祝いでは、成人した大人に見合うような社会的に見栄えのするギフトを贈ることが通例となっていて、スーツや革靴・バッグなどのビジネスアイテム、腕時計や財布・万年筆などの小物類が定番です。特に、カバンや時計は勤勉に励んで欲しいという意味合いを持つため、学生や新社会人には相応しいギフトと考えられています。
帰省の挨拶は、どうすればいいのか
年末年始で忘れてはいけないイベントとして、遠く離れて暮らしている両親の実家への帰省があります。結婚後なら、自分の実家だけでなく、義両親の実家に挨拶することもあり、まとまって休みが取れる年末年始を活用した稀な機会として活用されています。
実家への帰省でつきものなのが手土産。両親や義両親からは何もいらないと言われていても、しっかりと手土産を用意しておくことが好印象につながり、今後の関係性を円滑にすることができます。
帰省手土産のマナー
手土産にかかわらず、プレゼントを贈るときには出来るだけ相手の好みを下調べすることが大切です。義両親に直接聞くことが難しくても、パートナーに頼み確認することで事前に準備ができるはずです。
帰省手土産で定番なものは、自身の居住地の特産品・名物、有名店のお菓子・フルーツなどです。相手の居住地の近くで購入することは失礼にあたったり、相手がすでによく知っている可能性があるため避けるようにしましょう。出来るだけ両親の好きな食べものを選び、紅茶やコーヒー、お花なども好みが分かれにくいのでおすすめです。
手土産の一般的な金額相場は、千円~3千円程度が妥当で、相手の負担にならないように多くても5千円以内に収めましょう。基本的に熨斗は必要ありませんが、改まった場やお祝いを兼ねるようであれば、紅白蝶結びの水引きで熨斗を付け、お正月なら表書きを「御年賀」「御年始」「賀正」にします。
訪問時のマナー
実家に訪問するときには、手土産は紙袋もしくは風呂敷などに包んで持参しましょう。手土産を渡すタイミングとしては、部屋に通されて全員が顔をそろえた時だと言われています。玄関先で手土産を渡すと長話になってしまうため、きちんと品物の説明をするためにも、部屋に入ってから渡すのが良いでしょう。
手土産を渡すときは、紙袋や風呂敷きから品物を出して渡します。渡し方としては、相手に品物の正面が向くように渡し、和室の場合は座ったまま畳をするように、洋室の場合は立ったまま渡すことが正式なマナーです。
手土産を渡すときにかける言葉としては、お菓子などの食べ物であれば「お口に合うと嬉しいです」や「宜しければお召し上がりください」などと声を掛けましょう。手土産の賞味期限・味の特徴・購入した場所などを説明すると会話が盛り上がり、相手のことを想って選んだ気持ちもより伝わります。
帰省できないときの対処
ご無沙汰にしていながらも帰省できない場合、お歳暮やお年賀という形でギフトを郵送することをおすすめします。相手を想って選んだ気持ちは伝わるもので、丁寧に礼を尽くしたいなら、添え状を同封したり、送り状を事前に送ったりして普段からの感謝やお礼、近況などを手紙にしたためましょう。
自身に子供がいる場合は、両親や義両親も孫の顔が見たいと思っているはずなので、テレビ電話などで様子を伝えたり、子供の写真をプリントした年賀状や手紙を送ってみても良いかもしれません。
品物に掛ける熨斗・水引きのマナー
日本古来の贈答習慣であれば、手渡しや郵送にかかわらず、品物に熨斗を掛けることがマナーです。正式な熨斗の使い方としては、贈答品に奉書紙と呼ばれる白い紙をかぶせ、その上に飾りとして熨斗と水引きを添えることがマナーとされています。
ただし現代では、熨斗と水引きが既に印刷された「熨斗紙(のしがみ)」を利用することが一般的で、のし紙を贈り物にかけることで、実際に熨斗や水引きを付けていなくても礼儀を尽くしていることを示す効果があるといいます。
品物や熨斗が汚れないように包装紙を掛けることも忘れてはいけません。手渡しする場合には、包装紙で品物を包んでから、その上に熨斗(外のし)をかけます。郵送する場合には、品物の箱などに直接熨斗(内のし)をかけて、その上から包装紙で包むようにしましょう。
お歳暮ギフトに掛ける熨斗(のし)
お歳暮ギフトなど一般慶事では、何度でも繰り返してもよいという意味を込めて、紅白の「蝶結び(花結び)」の水引き(祝水引)を使います。本数が多いほど丁寧な意味になる水引きは五本一組が主流となり、品物のグレードに合わせて三本・五本・七本の中から選びます。水引きの白色が印刷できない場合、白を金色で代用することもあります。
のし上段の表書きには、中央に大きくその名目を書きます。お歳暮ギフトなら「御歳暮」、お年賀なら「御年賀」、寒中見舞いなら「寒中御見舞(御伺)」と書くことが一般的ですが、一度だけ贈りたい場合は表書きを「御礼」とします。
のし下段の名入れには、贈り主の氏名(自分の名前)をフルネームで書きます。連名にする場合、3人までは並びで氏名を書き連ね、4人以上では代表者の氏名とその左隣に「外一同」と書き、全員の氏名は別途紙を用意して内封します。夫婦連名の場合、中央より右に夫の氏名、左に妻の名だけを書きましょう。
成人祝いに掛ける熨斗(のし)
成人祝いについてもお歳暮と同様に一般慶事であるため、紅白の蝶結び(花結び)の水引きを用いて熨斗をかけます。表書きは、「御成人祝」や「祝御成人」などと書くこともありますが、一般的には四文字は不適切であるため「御祝」や「御成人御祝」や「祝成人」などと書くようにしましょう。
成人祝いでは現金を贈るケースがあり、その場合は贈答用に熨斗を貼り付け水引きが結ばれた「金封」などのご祝儀袋に現金を包みます。現金を包む場合は、すべてのお札の向きを揃えた上で、紙幣に描かれた肖像画が上になるようにご祝儀袋の中袋(中包み)に封入します。