ツウなお店が集まり、お洒落な人々が集まる「代々木上原」エリア。駅を出てすぐに人々の生活を支える賑やかな商店街が広がります。その一方で、少しばかり歩みを進めると突として閑静な高級住宅街が現れ、程近くに渋谷の街がありながらもゆったりとした空気が流れます。

第23弾となる今回の街歩きは、タイトなスケジュールで歩きまわらず、のんびりと街の雰囲気を楽しむポてポてさんぽ。しかしながら、駅周辺から井の頭通り沿いまで広範囲にわたって歩いたため、全身は清々しい疲労感で満たされ日頃の運動不足を補うことができました。

小田急線の車窓から遠目で見て訪れてみたかった「東京ジャーミイ」、古民家を店舗に改装した造りが人気の「coffee & donuts haritts」、お取り寄せでしばしば味わってドハマりしていた「按田餃子」など大満足のプロムナードエリア。新緑が爽やかな季節に寄り道だらけのお散歩と行きましょう。
① No.(ナンバー)

代々木上原駅から徒歩1分に位置するTOPCOURT4ビルの3階にある、カフェバーとクリエイティブオフィスを融合させたスペース「No.(ナンバー)」。店内に入ると、木製のスタイリッシュなカウンターとグラスやアルコール瓶が並ぶラックが出迎えてくれます。大きなガラス窓から差し込む日差しが爽やかです。

早速コーヒーとチーズテリーヌを注文して「渋×甘」のモーニングを楽しむことに。ヨーグルトの軽やかな酸味が効いていて舌触り滑らかなチーズテリーヌには、ビターなキャラメルソースがかかっています。甘いだけでなくコクも楽しめ、飽きずにペロリ。テーブルの花瓶に生けた草花がなんとも清爽で、朝から穏やかな気持ちにしてくれます。

朝9時半の入店時には著者しか居なかった店内も、10時頃になると会話を楽しむ女性たちや一人でパソコンに向き合う男性などで席が埋まっていきます。まだ他の目当てのショップが開店前ということもあって、読書をしたり今後の街歩きルートを練ったりして気ままに過ごしました。

ちなみに
昼間からバーテンダーが在中していてカフェとバーが同じ空間で共存しているのも魅力。
② Hibinoお菓子(ひびのおかし)

朝のチャージを終えたところでナンバーを後にして1階に降り、11時オープンの「Hibinoお菓子」に立ち寄りました。Hibinoお菓子では、店内で作られたパイ・クッキー・フィナンシェを購入できます。入口の正面に見えるアンティーク家具やドライフラワーがお洒落で素敵です。

スイーツ系の「ダークショコラ」「シナモンシュガー」やお酒に合いそうな惣菜系「ドライトマト×チーズ」「アンチョビ×オリーブ」など、5種類のパイがあります。「アーモンド」「さくらあん」「ヘーゼルナッツ&メープル」など、クッキーの種類が豊富なことも印象的でどれにしようか悩みます。

今回は子供と一緒に味わうための「ディアマンバニラ」と晩酌用のパイを購入。基本的に甘さ控えめで作られているため、子供用に購入する方も多いそうです。フクロウや鳥が描かれたパッケージも可愛く、元気が出る色合い。ちょっとした手土産やプチギフトにしたくなりました。

ちなみに
店の奥には四川・広東料理に通じたシェフが腕を振るう「日々の中華食堂」があります。
③ 東京ジャーミイ・トルコ文化センター

旅の目玉として次に向かったのは、「東京ジャーミイ・ディヤーナトトルコ 文化センター」。代々木上原駅南方位にある井の頭通りを世田谷方面に歩いていくと目前に立派なモスクが現れます。このオスマン・トルコ様式のモスク(回教寺院)は1938年に建設され、2000年に建て直されたという長い歴史を持ちます。

階段で2階に上がると、神聖なモスクが間近に出迎えてくれます。壁や天井に描かれたアラベスク模様が美しく、外観を鑑賞するだけでも時間がかかります。壁の白色と描かれた模様のターコイズブルーが荘厳な空気を作っているように感じ、ステンドグラスやランプが華やかさと異国ムードを添えます。ちょうど12時頃の礼拝に居合わせることができ見学させていただきました。

建物の1階には、文化や宗教にまつわる書籍などを購入できる売店や講堂、ハラルマーケットがあります。ハラルマーケットでは、スパイス・ハラルフード・ストール・カップなどの雑貨を購入することもできます。こちらでは自分へのお土産としてカレーとフムスを購入。モスクを思い出しながら味わうことが楽しみです。

ちなみに
礼拝は予約無しで見学でき、土日祝の14時30分には日本語ガイド付きツアーもあります。
④ Roundabout(ラウンダバウト)

井の頭通りを代々木公園方面に進み小路を入ってゆくと、吉祥寺から移転してきた雑貨のセレクトショップ「Roundabout(ラウンダバウト)」があります。様々な作家やブランドがこだわりをもって作り上げたアイテムが並びます。そのジャンルは、服飾品やキッチンツール、生活雑貨まで多岐にわたります。

打ちっぱなしの内装に整然と並べられた商品のコントラストがカッコイイ。こちらでは、イギリスの紅茶ブランドが発売するハーブティーを購入しました。ネトルとミントをブレンドした爽快感のあるハーブティーは、お休み前に深いリラックスに導いてくれるような1杯となります。
⑤ 蕎麦屋 山都(やまと)
今回の街歩きは平日昼間に決行したため残念ながら準備中でしたが、代々木上原に訪れたら是非味わっていただきたい蕎麦の名店が「山都(やまと)」。昼営業は土日のみですが、ランチ限定の黒カレー御膳と天刺御膳は食通も唸る美味しさ。カレースープに蕎麦を浸して食べる黒カレー蕎麦は、スパイシーなものが好きな人にオススメです。
⑥ ARCHWAY(アーチウェイ)
山都からほど近いロケーションに位置する、生活雑貨と古着のお店「ARCHWAY(アーチウェイ)」。訪問時は国内外のアーティストの器が並べられていました。フランスの作家が製作したパステルカラーで描かれた花型の大皿など、個性的な器は食卓の主役になりそうです。

また、普段のファッションを華麗に変身させるお洒落な古着も居並びます。ハンドメイド作品や民族雑貨、古着までも置いてあるため、まるで異国のフリーマーケットに来たような感覚を覚えます。掘り出し物を探してみてはいかがでしょう。井の頭通りまで足を延ばしたなら、こちらで掘り出し物を探してみてはいかがでしょう。
⑦ NOOKS FOODS(ヌークスフーズ)

ARCHWAYから井の頭通りを横断して進んだ先に、”日本の食卓を変えよう” がコンセプトのナチュラルフード専門店「NOOKS FOODS(ヌークスフーズ)」があります。コンパクトな店内に、看板商品のグラノーラやドライフルーツ、ナッツなど種類豊富なヘルシーフードが並んでいます。

ヌークスフーズでは、可能なかぎり有機の食材や国産の食材を使用し、着色料・添加物・上白糖は一切使用しないこだわり。果物の甘さが濃縮されたドライフルーツや旨味たっぷりのナッツ、手間暇かけて作られたグラノーラは星付きホテルも採用するほどの逸品です。

体のことを想ってつくられた商品は、母の日や敬老の日はもちろん、妊娠中の女性や子育てに奮闘するママへのプチギフトにも喜ばれます。季節によってはコーディアルを使用したドリンク販売も行っているので、街歩きの休憩スポットとして利用してもいいかもしれません。
⑧ BIEN-ÊTRE PÂTISSERIE(ビヤンネートル)
ヌークスフーズから少し駅寄りに戻ったところには、スイーツ好きが足繁く通うパティスリー「BIEN-ÊTRE PÂTISSERIE(ビヤンネートル)」。特に月替わりのシーズナルパフェが人気で、予約制のイートインは土日だと常に満員御礼となっています。事前にLINE公式アカウントをLINE友達追加して予約して行くことをオススメします。
⑨ SAKAnoUE(サカノウエ)

井の頭通りから代々木上原駅に向かう下り坂で、服飾品やテーブルウェアを取り扱う雑貨店「SAKAnoUE(サカノウエ)」を発見。ベビーギフトもあるので、センスの良いセレクトベビーアイテムをお探しの方はぜひ訪問してみてください。
⑩ coffee & donuts haritts(ハリッツ)

代々木上原駅周辺まで戻り、人気のドーナツ屋「coffee & donuts haritts(ハリッツ)」にも寄り道します。訪れた時間帯には既に3人ほどのお客さんが待っていて、人気店ということが傍目にも感じられます。移動式カフェから始まったドーナツと珈琲の専門店は、上原店の他に小伝馬町店があります。

古民家を改装して作られたお店には、柔らかい光が入り込み訪れる人を和ませてくれます。店内には小さなガラスケースにちょこんと並ぶ可愛いドーナツちゃんがおりました。私は「丹波黒豆」を購入。お砂糖がまぶしてあるふわふわのドーナツから素朴な甘さを含んだ黒豆がほろりと登場し、幸せな気持ちになりました。

ちなみに
訪問時はイートイン閉鎖中でしたが、急速冷凍・真空シーラーで届ける宅配があります。
⑪ 按田餃子(あんだぎょうざ)

ハリッツでのランチを目論んでいた著者の計画は崩れてしまいましたが、もう一店舗行ってみたいお店があったことを思い出しました。お取り寄せでたびたび利用したことがあった餃子店「按田餃子(あんだぎょうざ)」です。小田急線の高架下をくぐり駅を超えた先に店舗があります。

薬膳を活かしたメニューで有名な按田餃子。取りご飯・スープ・餃子8個がセットになった「餃子定食」を注文します。もちもち生地とほんのりスパイスを感じる餡は、醤油が無くてもいくつでも食べられてしまいそう。ヘルシーな響きからか「満腹だけどお腹が軽い」そんな錯覚に陥りました。

ちなみに
按田餃子の斜め向かいには、Candle JUNE 直営店の「ELDNACS」があります。
⑫ La petite pâtisserie de Mirayné(ミレイネ)

按田餃子から路地を歩いているとヨーロピアンな外装のお店が現れます。こちらがヴィーガンスイーツ専門店「La petite pâtisserie de Mirayné(ミレイネ)」。店先のテーブル席には、常連のお客様から頂いたというミモザのブーケが素敵に飾られていました。

ミレイネのお菓子は動物性の原料を一切使わず、国産無農薬の小麦粉・圧搾した菜種油・未精製の甜菜糖を主原料とし、香料・着色料・保存料には頼らないこだわり。クッキーは約1cm四方の可愛らしいキューブ形状。「ほろほろ」「かりかり」「さくさく」「酒粕のクラッカー」の4タイプがあり、それぞれ3フレーバーがラインナップされています。

ほろほろの「ストロベリー」や、かりかりの「シナモン」、さくさくの「レモン」など、女性の心をくすぐるラインナップに目移りします。著者は数分悩んでストロベリーとカリーを購入。薄型なので郵送でプレゼントすることもできちゃう優れものです。遠く離れて暮らす友人や家族に、キュートでヘルシーなおやつを贈ってみてはいかがでしょう。
⑬ 大黒湯(だいこくゆ)

ミレイネの隣に鎮座する近隣住民の憩いの銭湯「大黒湯(だいこくゆ)」年季の入った洗濯機が出迎えてくれるとともに、壁には著名人のサイン色紙も飾られていました。訪問時は準備中でしたが、汗ばむ季節には街歩きの途中に銭湯タイムを設けてもいいですね。夕暮れ時に銭湯で汗を流して、その後どこかで一杯なんていかがでしょう。

ちなみに
平日・土曜・祝日は15:50〜1:30、日曜は13:00〜1:30に営業しているそうです。
おわりに
おしゃれな人と文化が交差する代々木上原には、思い思いに時間を過ごせるショップが多い印象でした。そのジャンルも幅広く、住宅街にありながらも懐の深い街だと感じます。スイーツを調達して足を延ばし、代々木公園でピクニックをしても素敵。ゆとりができた1日に是非とも訪問してみてください。
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