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前回のまち歩きは本家本元の銀座でしたが、今回は人情味あふれる下町の銀座「戸越銀座」エリア。関東大震災で壊滅的な被害を被った首都圏の商業者たちが集まったことにはじまり、同じく被害を受けた銀座から処分に困ったレンガ瓦礫を譲り受けて通りに敷き詰め、日本一の賑わいにあやかるべく「戸越銀座」と名乗ったことが地名の由来と言われています。
現在では、全長約1.3kmにわたる関東有数の長さを誇る商店街として、通り沿いには約400件の店舗が軒を連ねる賑わいをみせ、住みたい街ランキングにも度々ランクインされるなど居住地としても人気があります。商店街の見所としては、安くておいしいB級グルメ。焼き鳥やコロッケを筆頭に居酒屋や惣菜店が数多く点在し、地元の人から観光客まで飲食やショッピングを楽しんでいる様子が垣間見えます。
戸越銀座商店街の最寄りは、東急池上線の戸越銀座駅もしくは都営浅草線の戸越駅。他にも、徒歩圏内で東急大井町線の戸越公園駅やJR大崎駅などに囲まれるなど、交通の利便性が高いエリアとして知られます。今回のまち歩きのテーマは「真冬に商店街であったまる」旅。師走の寒空の下、ちょっと足を延ばして戸越公園や文庫の森を散策したり、商店街グルメや温泉施設で身体をポカポカに温めてきました。
① 東急池上線・戸越銀座駅
旅の始まりは、五反田から蒲田をむすぶ東急池上線の「戸越銀座駅」。2016年にリニューアルされた駅舎には所々に多摩産の杉材が使用され、降りたった瞬間から木の温もりとアーチの造形美を感じます。旧駅舎の木造様式を継承したという建築からは、鉄道会社と地元商店街が一体となって駅づくりを進めた、土地を愛する想いが滲み出ています。
駅のホームを抜けて改札を出ると、戸越銀座のまち歩きが楽しめるマップ「TO GO SEE MAP」に目が留まります。戸越銀座の歴史から見所までをギュッと凝縮した見応え満点のまち歩きマップで、下調べせずとも戸越の全体像が知れるとともに散策の期待感が高まっていくよう。看板の設置板に少しかかった蔦からは、戸越という土地が新たに芽吹き育っていく過程の生命力を感じます。
② 戸越八幡神社
午前中の早い時間帯に戸越銀座に着いたなら、まち歩きマップにも描かれている「戸越八幡神社」や「戸越公園」まで足を延ばして散策することをおすすめします。戸越八幡神社は、大鳥居の前に掲げられたのぼり旗に「御鎮座五百年」と書かれるように、室町時代の大永六年(1526年)に創建されたと言い伝えられ、それを機に社殿の改修と境内整備が進められた村社です。
参道を抜けていく途中には、御朱印を受けることのできる社務所や趣のある神楽殿があります。フラワーアートが飾られた神楽殿に目を凝らすと「占」の文字が。聞けば毎週土曜日に霊能力者クリスティーナ燿子先生の霊視占い(要予約)が格安で受けられるのだとか。週末であればカフェや出店などでも賑わいをみせる地域の交流場となっているようです。
社殿の前には、猿とウサギの石像がお出迎えしてくれます。この猿とウサギは、戸越八幡神社の御神体が発見された泉で住み着いていたそうで、猿は泉の水を汲みにきた村人に食べ物を分け与えていたという言い伝えがあります。自然と人とが共生していた時代を思わせるエピソードですが、実はその優しさから神様の化身だったのではとも考えられています。
戸越八幡神社を訪れて驚いたこととして、境内には神社の歴史や参拝方法などをスクロールして見ることのできるタッチパネルが設置されているのです。これは参拝者の利便性のみならず、情報のアップデート性にも優れた画期的な方法ではないでしょうか。タッチパネルの横には街の惣菜店やスイミングスクールなどの案内書きもあり、村社として重要な役割を果たしているようです。
③ 文庫の森(旧三井文庫)
戸越八幡神社を後にし、戸越公園に向かう途中には旧三井文庫の佇む「文庫の森」があります。子供の遊び場として賑わう芝生の広場がひろがる公園で、2013年に国文学研究資料館跡地を整備して開園したそうです。近隣の住民の憩いの広場としてだけでなく広域避難場所にも指定され、災害に強い街づくりを進める戸越の住みやすさを体現しています。
元は熊本藩細川家が所有し大名下屋敷が置かれたこの土地には、明治期に三井銀行が買収し農園や外国人の接待用別邸が建設されたと言います。大正期には三井家が営業記録などの歴史資料を保管する三井文庫としての機能移転がされ、防火対策を重視した造りとなっています。モルタルをタイル風に塗った外壁は、東京駅舎でも使われる覆輪目地と呼ばれる卓越した職人技のなせる仕上げが施されています。
文庫の森の奥には、水生植物や魚が生息する池があり、子育て真っ最中の筆者としては子供を連れて遊ばせたくなります。この池の周辺は春には桜が咲き乱れるそうで、何とも充実感のあるスペースを創り上げた先人達に感謝。ジョギングコースやおむつ替えスペースのあるトイレも設置されていてとても便利な公園でした。
④ 戸越公園
お次に向かった先は、文庫の森からほど近くの「戸越公園」。こちらも肥後熊本藩の下屋敷として拓かれた後にいくつかの手に渡り、明治期に三井家の所有となった経緯があります(現在は学校・公園用地として東京都に移管)。戸越公園の入口にある薬医門は、熊本藩細川家に出入りする医師が使っていたことから名付けられたゲートで、武家屋敷の跡地だったことを思わせる風情を感じずにはいられません。
かつて都立大崎高等学校だったという公園内には、品川区の環境学習交流施設「エコルとごし」が併設されます。こちらは区内外問わず誰でも無料ですることのできる施設で、環境学習展示や映像展示、多彩なイベントや講座が開催され、戸越公園の豊かな自然を感じながら環境について学べるようになっています。
戸越公園は池を中心とした回遊式庭園造りになっていて、桜やツツジ、金木犀、梅など手入れの行き届いた木々を眺めながら散策することができます。池には大きな鯉が優雅に泳ぎ、ほとりでは鳥たちが羽を休めていて、人も心穏やかに思い思いの時間を過ごせそうです。朝にはラジオ体操やゲートボールなどで盛んに住民利用がなされます。
自然豊かな園内は秋でもモミジやイチョウで鮮やかに彩られ、一周すると気分がリフレッシュされ明日への活力を養えます。散策コースには段々になった小さな滝もあり、流れる水音にヒーリング効果を感じることでしょう。筆者はというと、歩き空かせたお腹を何で満たすべきか、そんなことばかり考えていました。さあ、高まったランチ欲を発散するため商店街に向かいます。
⑤ おにぎり屋さん 戸越屋
戸越銀座商店街に戻って目に留まったお店が、おにぎり屋さんの「戸越屋」です。ガラス窓から垣間見える横長のカウンターとショーケース。2020年にオープンしたばかりで寿司屋の居抜きかと思いきや、前は焼鳥屋だったので正真正銘の新装店でした。ユニークな提供スタイルで堪能するおにぎりに期待値が高まります。
座席の目の前で握るおにぎりは、なんと言っても大きくて具沢山なのが特徴。注文が入ってから握ってくれるので、作り立ての美味しさに感動必至です。戸越屋のもうひとつの名物である唐揚げも、カラッと揚がり熱々でおにぎりとの相性はバツグン。おにぎりのラインナップは40種類以上もあり、何度訪れても楽しめる戸越銀座の新たな名所となりそうです。
⑥ まるや食パン店
次いで注目したい新店は、日本一のとんかつ屋を目指す「とんかつまるや」が新業態店として2022年にオープンさせた「まるや戸越銀座食パン店」。とんかつまるやで提供されるカツサンドの材料として、こだわり抜かれた食パンを1種類のみ販売する専門店で、とんかつに合うよう甘くせずふんわりと焼き上げた食パンは絶品です(3斤で700円とまとめ買いがお得)。
まるや食パン店でユニークな試みが、店外に24時間営業の冷凍カツサンド自動販売機を設置していること。ヒレカツやロースカツを筆頭に、メンチカツ、魚フライ、玉子カツとバリエーションも豊富。冷凍カツサンドはレンジ調理で手軽に美味しくいただけ、通勤時に購入するなんて使い方もアリです。商店街には東急池上線を挟んで本家とんかつまるやもあるので、その場で食べるならこちらへどうぞ。
⑦ 巨人のシチューハウス
戸越銀座通りの東の端、三ツ木通りとの境に拠をかまえる「巨人のシチューハウス」は、アイルランド北部のダンドークという町から日本に移住したアラン・フィッシャー氏が、2015年にオープンさせたアイルランド料理店です。現在は島根県・松江に移住し2号店をオープンさせたアラン氏は、噂では2mを超す長身ということでその店名にも納得です。
お店に入ると、アイルランドのシンボルカラーである緑色で彩られた壁面が爽やかな空気感を醸し出しています。植物のツルなど壁の絵はスタッフが描いたものだそうで、温かみのあるアイルランドの雰囲気が伝わってくるようです。ちなみに、窓際に置かれたアイルランド関連本の中で、「巨人の夢」という本はアラン氏によって書かれたファンタジー小説です。
料理の注文はカウンターで、メニュー表を見ながらオーダーします。アイリッシュ・ラム、ほうれん草クリーム、きのこチキンなど、体の芯から温まりそうなメニューは冬にピッタリなラインナップです。お腹ペコペコだった筆者は、シーフードチャウダーとビーフ&ギネスを2つオーダー。注文できる料理は、日や時間帯によって変わるため注意してください(戸越銀座店は現在土日祝のみ営業)。
アイルランドのことが紹介された冊子などを見ながら待っていると、注文した料理が到着。シチューとともに温められたパンが添えられ、さすが北欧な見た目のオシャレ感も満載です。ひとすくいして口に運ぶと、クリーミーで想像以上に熱々なスープに喉元から胃にかけてポッカポカに。深い味わいにスプーンが止まらなくなる絶品スープは、一品でもなかなかのボリューム感があります。
⑧ 塩専門店 solco(ソルコ)
戸越銀座ランチでお腹が満たされた後は、雑貨店でこだわりの逸品を物色してみてはいかがでしょう。巨人のシチューハウスから程近くの「solco(ソルコ)」は、昭和レトロな「塩」と書かれたホーロー看板が目印の塩専門店。近年、その数が減ってきている塩の専門店にあって、その卓越した手腕とセンスが光る戸越随一の魅力的なショップです。
店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、規則正しく並べられたオブジェのような塩の数々。都会的で洗練された内装も、塩の色を引き立たせるために、ブラックカラーのインテリアをこだわって取り入れています。店主の田中園子氏は、以前はグローバルに活躍する製薬会社勤務でしたが、たまたま口にした石巻の「伊達の旨塩」に感銘を受け、塩の世界にのめりこんでいったそうです。
ソルコでは、国内外に流通する種々の個性的な塩を少量ボトルや100g単位の量り売りで販売していて、まさに塩の総合デパートと称されるほどの品揃え。「人それぞれその日の体調や気分で美味しく感じる塩が違うため、ご自身の味覚で実験して好みを見つけて欲しい」という想いで、試験管を模した塩の容器や、理科の授業で使った記憶のある細長いソルトスプーンなど実験の雰囲気を演出しています。
⑨ 茶雑菓 -Chazakka-
2022年11月にオープンしたばかりの「茶雑菓 -Chazakka-」は、日本茶のパッケージなどを手がける吉村が運営する、日本茶・茶器・茶菓子などを販売する日本茶ショップ。店頭での実演販売やワークショップなどが開催され、戸越銀座商店街の一角に賑わいをもたらしています。
インテリアに廃材を使い、社員がニスを塗って仕上げたという店舗内装は、コンパクトながらもお茶の魅力をしっかりと感じる落ち着いたグリーンテイスト。店内所狭しと並べられた茶器や茶雑菓に時間を忘れて見入ってしまいます。店員さんが懇切丁寧に商品について説明してくれるので初心者でも安心して買い物ができます。
ドリップの緑茶が入った一煎袋は、日本茶のパッケージを手掛ける会社とあって豊富なバリエーションを誇ります。「ありがとう」や「ほんのきもちです」など、温かみのあるメッセージが添えられたパッケージは、ささやかなお礼にぴったりな逸品ギフトです。リラックマとのコラボレーション商品もなんと可愛らしいこと。
店頭での実演販売では、水出しで甘みのある日本茶とともに、筆者が初めて目にするアイデア商品を紹介してくれました。それが、紙コップの底面に入ったお茶の葉をメッシュで覆ったドリップカップ。ティーバッグで淹れるお茶の面倒な手間を省いてくれ、お湯を注ぐだけの簡単便利なアイテムは必見です。
⑩ COMPASS COFFEE
戸越銀座商店街で本格的なコーヒーを味わいながら足を休めるには、焙煎コーヒー豆専門店「COMPASS COFFEE(コンパスコーヒー)」がおすすめです。「コーヒーの味は焙煎で八割決まる」と断言する代表の考えのもと、オリジナルの焙煎機による焙煎加減にこだわり、焙煎の度合いも7段階でさまざまな味わいを楽しめる工夫がされています。
店内に入るとすぐ世界地図が目に飛び込んできます。ブラジル・ケニア・エチオピア・コロンビアなど、世界各地から集めた約20種類のコーヒー豆は、焙煎方法だけでなく産地や品質へのこだわりも感じます。コーヒー豆はすべて100gから販売していて、注文を受けてから焙煎して提供してくれます。
店内にイートインスペースはありませんが、店先にベンチが設置され、その場で座りながらコーヒーを味わうことができます。本格的なコーヒーでありながら提供価格の安さに驚くはず。筆者も、戸越銀座商店街を行ったり来たりして疲れた足を、程よく休めながら次の目的地を考える穏やかな時間を過ごすことができました。
⑪ おせんべいやさん本舗 煎遊
生活用品から惣菜まで何でもそろう戸越銀座商店街には、煎餅の名店もあります。大正13年に深谷で創業した「煎遊(せんゆう)」は、看板商品である黒胡椒せんを中心に、全国菓子大博覧会でもたびたび受賞される種類豊富な煎餅を販売しています。コンパスコーヒーのすぐそばに店を構えているので、醤油の香ばしさとコーヒーのコクで味の深みが増す体験をしてみても良いかもしれません。
煎遊の店内に入ると、中央に置かれた名物「黒胡椒せん」。ゴルフコンペの景品でもらい病みつきになって遠方からわざわざ買いに来るお客様もいるほどだと言い、ギフト用として丁寧に包装された品と、家庭用に割れ煎を含んだお得なパック品とがあります。
黒胡椒せん初心者の筆者は、黒胡椒せんの中でも辛さひかえめな種類を購入し、自宅で味わってみたところ、確かに病みつきになる胡椒の風味であっという間に無くなってしまうほどでした。戸越銀座に立ち寄ったお土産に、贈答品としてもうってつけな黒胡椒せんを手にしてみてはいかがでしょうか。
⑫ おめで鯛焼き本舗
ちなみに、戸越銀座商店街には有名な鯛焼き屋が2店あります。煎遊の真横に店を構える「おめで鯛焼き本舗」は、キャベツとベーコンが入ったお好み鯛焼きや、デニッシュたい焼き、チョコたい焼きなど、バリエーション豊富な鯛焼きを楽しむことができます。小腹を満たす食べ歩きにも最適で、なんと大泉洋さん定番の差し入れでもあるそうです。
⑬ 鳴門鯛焼本舗
東急池上線・戸越銀座駅の鼻先には、2009年からブランド展開を開始し、戸越銀座店は関東26店舗目の出店というたい焼きチェーン「鳴門鯛焼本舗」があります。一匹ずつ丁寧に焼き上げる一丁焼きにこだわった天然鯛焼きで、十勝産あずき・鳴門金時いも・プレミアムカスタードの3種類のみを販売します。店頭で職人がダイナミックに焼き上げる様子も見ていて楽しい本格的な鯛焼きを味わえます。
⑭ 戸越銀座温泉
戸越銀座で特におすすめしたい “あったかスポット” が、2007年にリニューアルオープンした温泉銭湯「戸越銀座温泉」です。飲酒後のサウナやお風呂はとても危険なので注意が必要ですが、寒い日にカラダを温めたり歩き回って疲れた足をリフレッシュするには最適な温浴施設。金曜定休で通常は15時から、日祝は8時からの朝湯があります。
暖簾をくぐると清掃が行き届いた玄関に券売機と靴棚がお出迎え。入浴料は500円で、サウナに入るのであれば入浴料込み800円です。現在は貸しタオルは販売していないそうですが、タオルや石鹸がセットになった入浴手ぶらセットが100円で販売されているので、不意に訪れた場合でも困りません。
戸越銀座温泉の最たる特徴は、品川区で唯一の療養泉の銭湯であること。神経痛や関節痛など適応症に効果がある認められた効能は、厳しい条件をクリアした温泉のみが謳うことができるそうです。軟水のお湯は肌にやさしく「美肌の湯」とも呼ばれています。浴場は「月の湯」と「陽の湯」の2種類で、日替わりで男女交替。どちらにも黒湯があり、陽の湯は露天風呂がテレビ付き黒湯温泉になっています。
1階の休憩所には、定番の瓶コーヒー牛乳やヨーグルトドリンクが販売され、テーブルと椅子が設置された広々スペースで銭湯の余韻に浸ることができます。コミック本や雑誌なども置かれていたので、男女できて相手を待つ時間も苦になりません。師走の寒空のもとで歩き疲れた足がとてもスッキリしたので、戸越銀座まち歩きの終盤戦に意気揚々と出かけましょう。
⑮ おつけもの慶
戸越銀座温泉でカラダをポカポカに温めたら、まち歩きの醍醐味でもあるお土産を物色しましょう。「おつけもの慶」は、神奈川や川崎の名産品にも選ばれた「王道の白菜キムチ」が名物のキムチ専門店です。店頭には “TVなどで話題沸騰” と書かれたイカキムチのサンプルが置かれ、キムチ好きな筆者としては期待感が膨らみます。
店内に歩みを進めると、種類豊富なキムチのラインナップに驚かされます。チャンジャ、カクテキ、オイキムチなど定番のキムチから、セロリキムチ、長芋キムチなど、らっきょうキムチ、小かぶキムチまで幅広い品揃えにトキメキが隠せません。食べたら分かるスーパーの市販品との違いは他の人にも共有してみたくなる、イチオシ土産です。
⑯ 後藤蒲鉾店
今晩のおかずは何にしよう? とお考えなら、おでんの具材がすべて揃ってしまう創業50年のおでん老舗「後藤蒲鉾店(ごとうかまぼこてん)」で買い出しをしましょう。お店の横には商品をその場で食べられるお食事コーナーもあり、アルコール各種やコロッケなどお酒のアテを販売しているのでちょい呑みにもうってつけです。
おでんの具材は、定番から変わり種まで30種類以上。蒲鉾店だけあってさつま揚げのバリエーションが特に豊富で、ついつい多めに注文してしまいます。おでんの定番である大根・昆布・餅入りきんちゃく・コンニャクなども手に入るため、後藤蒲鉾店だけですべての具材は揃います。下ごしらえ済みでおでんの素が入った「簡単おでんセット」も、忙しい夕飯時には嬉しい詰め合わせです。
⑰ 米粉パン専門店 米魂
夕暮れ時に差し掛かると気になることは、今日の夕食と明日の朝食でしょうか。戸越銀座でパンを買うなら、米粉パン専門店「米魂(べいこん)」が絶対におすすめ。2016年にグルテンフリーベーカリーとして商品を全面リニューアルし、厳選された国産米粉と天然酵母、こだわりの原材料でつくられた素材の風味を感じるパン屋さんです。
シンプルな塩バターロールやクルミパンだけでなく、小さめサイズのピザや可愛らしい動物の形をしたクリームパンなど、大人から子供まで楽しめる嬉しい商品ラインナップ。もちろん戸越銀座名物のコロッケサンドやメロンパンもあって、食べ歩きにも事欠きません。
⑱ ドーナツのフロレスタ
戸越銀座には大手のドーナツ店もありますが、からだにやさしいドーナツをお求めなら、手作りドーナツ専門店「floresta(フロレスタ)」を訪ねてみてください。日持ちさせるための防腐剤や保存料などの添加物は一切使用せず、できるだけ国産・有機素材が使用された安全な美味しさを提供しています。
ドーナツのラインナップは、塩キャラメル・きなこ・アップルシナモン・塩バター・チョコレート・アールグレイ・あんバターサンド・ココナッツなど常時20種類ほど取り揃えられます。商店街のマスコットである銀次郎やハローキティのマイメロディなどとのコラボレーション商品も随時お目見えし、戸越銀座土産や子供へのサプライズギフトにも重宝します。
⑲ 亀屋万年堂
この旅も終わりに近づき、東急池上線の戸越銀座駅に向かう途中で忘れず立ち寄りたいお店が「亀屋万年堂」。それならどこでも買えそうと思うなかれ、店内厨房を併設した戸越銀座店では、亀屋万年堂の人気No.1商品であるナボナのフレッシュタイプ「生ナボナ」をいただくことができます(生ナボナは戸越銀座店と阿佐ヶ谷店だけ)。新感覚の生ナボナや店内仕上げでしか実現できない商品を是非お試しください。
おわりに
午前の神社・公園散策にはじまり、お昼ご飯・ショッピング・コーヒー休憩・銭湯・晩ご飯や朝食の買い出しなど、盛り沢山の内容で歩きまわった戸越銀座の一日散策。今回ご紹介しきれなかった飲食店や惣菜店は数知れず。数百あると言われる”あやかり銀座”の中でも、何度でも訪れたいと本気で思わせてくれる商店街として随一の魅力をもったスポットでした。
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