季節の移ろいを感じる「秋の虫」にまつわる縁起物のおはなし

気づけば暑さが落ち着き、爽やかな秋風が吹いていますね。第一回の縁起物コラムでご紹介した栗や、菊、月の使者であるウサギなど、秋という季節にも数多くの縁起物が存在します。

秋の虫にまつわる縁起物のおはなし

そんな中から、今回は縁起物としての「秋の虫」をピックアップ。虫に抵抗感を抱く方もいるかもしれませんが、幸せを運んできてくれる良い虫たちなので、少しばかりお付き合いください。

秋の虫の代表格として知られる「トンボ」

どこからともなくスーッと目の前を横切るトンボ。この姿に、秋がやってきたと感じる方は多いのでは?夕焼けに泳ぐ赤とんぼは、時間を忘れて駆け回った幼少期を懐古させます。

トンボ

トンボは「あきづ」という古名があることをご存知ですか。漢字で「秋津虫」と書き、ドンズバで「秋の虫」の意味を持ちます。名前からも、昔の人にとってトンボが秋の風物詩であったことがわかります。

秋

「日本書紀」によると、初代天皇といわれる神武天皇が高地から領地を眺めた際に、トンボが交尾をしている姿に似ていると言ったことから、日本を「秋津島(あきつしま/あきづしま)」と呼んだ時期もあったそうです。なんだか急に偉大な虫のように感じられてきます。

日本列島

日本の古称にもなっていたトンボですが、古くより害虫を取り除く貴重な益虫として、「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」の象徴とされてきました。

五穀豊穣

戦国時代になると、前方にしか進まない習性から、何があっても決して諦めないの意味を持つ「不退転」とされ「勝軍虫」「勝ち虫(かちむし)」と呼ばれ武士の間で好まれました。戦での縁起をかついで、武具や装束のデザインにもトンボが使われたようです。トンボを刺繍で表し背には九曜紋を配す夏用の袖無陣羽織「蜻蛉模様刺繍(とんぼもようししゅう)陣羽織(じんばおり)」なども現存しています。

鎧

デフォルメされたトンボが描かれた手ぬぐいは、秋によく見かけますが、剣道や柔道、居合などの習い事をしている方へ贈ると喜ばれるかもしれませんね。トンボモチーフのカフスボタンやピンブローチなどもあるので、普段からスーツを着用する方に贈るとビジネスの商談などがうまくいきそうな贈り物になりそうです。

手ぬぐい

また、トンボはお盆頃からみられることから、一部の地域ではご先祖様の送り迎えの遣いとしたり、ご先祖様が姿を変えて帰ってきたとされています。なので、この時期のトンボを捕獲してはいけない、とも言われているそうです。故人を思い出したくなる、素敵な言い伝えですね。

田舎

一方で、海外ではトンボは災いをもたらすとされています。邪悪な存在であるドラゴンから名前をとり、「dragonfly(ドラゴンフライ)」と呼ばれ、その見た目から「魔女の針」「悪魔の針」「嘘をつくと口(耳)を縫い付けてしまう」なんて、調べてみると怖い言い伝えがズラリ。ここまで言われると、子供たちにとっては遭遇したくない虫なのでしょうね。国や地域によって、これほど立場に違いがあるのだから驚きです。

ドラゴン

秋の夜長の音色に癒される「コオロギ」

綺麗な音色が心を落ち着かせてくれるコオロギ。見た目はお世辞にも美しいとは思えないので、音色だけ楽しみたいところですが…。

コオロギ

ヨーロッパでは、人家の近くにいて姿を見せないのに美しい声で鳴くことから、幸運をもたらす家の精の化身とされているそうです。

人家

また、白いコオロギを見ると運気が上昇するといわれています。アメリカでは、色を問わず、家の中に入ってくるだけでラッキーとされているのだとか。「ギャー!!!」とパニックになって、うっかり退治してしまうと、罰があたりそうですね(でも、許して欲しい)。

運気

アジアには、コオロギが食卓に並ぶ地域もあります。これは、単に栄養価が高いからという理由だけでなく、家族の安全と幸せを願うという意味もあるそうです。

アジア

何気なく眺めていたトンボや、歌声に癒されていたコオロギ。馴染みのある秋の風物詩に縁起のいい話があったなんて、知りませんでした。「虫、イヤー!」と毛嫌いせず、スタイリッシュにデザインされたブローチなど、「秋の虫」に関するアイテムを贈り物にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

こうの ひろこ

ギフトコンシェルジュ兼webライター。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きと、ショップ巡りをライフワークにしている。

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