スイーツや餃子になってもラッキー! 栗にまつわる縁起物のおはなし

秋の味覚として知られる「栗(chestnuts)」。

モンブラン、栗きんとん、栗パウンドケーキ・・・、スイーツ好きにはたまらない季節ですね。

スイーツ好きの中には、「1年のうちで一番体重が増えちゃう季節だわ!」なんて方もいるのではないでしょうか。

栗にまつわる縁起物のおはなし

そんな栗ですが、縁起物ということをご存知でしたか? お正月のおせちに栗きんとんが入っていることから、なんとなく縁起がいいのだろう、と感じている方も多いことでしょう。

栗にまつわる縁起物のおはなし

チクっと鋭いトゲの中に隠れた、ほっくり甘い木の実。今回は、そんな「栗」が、なぜ縁起物なのかというお話をご紹介します。

栗が縁起物と言われるようになった由来とは

栗は、はるか昔の縄文時代から、人々の暮らしに欠かせないものでした。栗の実は保存がきき食料として重宝され、栗の木は耐久性や耐水性があることから、建材としても広く用いられていました。

栗の木

栗の実を蒸してから乾燥させ臼で軽くつき、殻と渋皮を取り除いたものを「搗栗(かちぐり)」と呼びます。この「搗ち」が「勝ち」に通じたことから、武家では出陣や勝利の祝い、祝言(三献の儀)の際に使われたそうです。

三献の儀

このことから、栗は勝負運向上を願った縁起物とされています。受験や試合直前の家族へ栗ご飯として食卓に並べたり、発表会間近の友人へ栗スイーツをプレゼントすると、応援の気持ちを感じられるうえに気分転換もできて喜ばれそうですね。

試験勉強

ちなみに、三献の儀は、打ち鮑・搗栗・昆布の3つを肴に三度ずつ酒を飲み干す儀式ですが、この流れは結婚式の三々九度のルーツとなっています。

黄金に輝く丸い栗は、まさに縁起物の象徴

栗は、季節の行事とも密接な関わりをもっています。お正月は栗きんとん、9月9日の栗(菊)の節句は栗ご飯、旧暦9月の十三夜の栗名月のお供えなど、様々な場面で栗を見かけることから、古くから栗が重要な縁起物であったことがわかります。

満月

栗の色が黄色(黄金色)であることも、人々が縁起の良さを感じた所以です。お正月のおせち料理で出される栗きんとんは、まさに財宝をイメージしたもの。「きんとん」は漢字で「金団」と書き、金の団子を意味します。大判小判を思わせる鮮やかな黄色は、いかにも金運が上がりそうですね。昔の人は、栗を持ち歩くだけで懐が温かい気持ちになっていたのかも……。

小判

黄色くて真ん丸な姿は、満月にもみえてきませんか? 秋の行事にお供えされる理由は、旬であることや縁起物であることだけではなさそうな気もします。栗を月に見立ててお月見をより一層楽しんでいたのかもしれません。2020年の十五夜は10月1日(木)。月夜の晩に、手のひらサイズの美味しいお月様を楽しんでみてはいかがでしょう?

ヨーロッパ諸国で親しまれる栗の定番スイーツ

それでは視野を広げて、世界における栗の贈り物をみてみましょう。皮をむいた栗を丸ごと密につけた贅沢スイーツ「マロングラッセ(candied chestnuts)」は、永遠の愛を誓う証として、男性から女性に贈るお菓子なのだそうです。

これは、マケドニアの英雄であるアレキサンダー大王が、最愛の妻へ贈ったことに由来しています。

マロングラッセ

ヨーロッパで収穫できる栗は、日本で栽培されている栗と品種が異なり、渋皮が剥けやすいため、マロングラッセに向いているのだとか。

収穫

クリスマスやホワイトデーに、マロングラッセを贈るなんてロマンチックじゃありませんか? 手間暇がかかった甘く贅沢なスイーツは、女性の笑顔を引き出すことでしょう。

中国の一部地域では、餃子にも縁起物の栗を入れる

所変わって中国の一部の地域では、年越しに栗が登場します。年越しにあわせて餃子を大量に作るのですが、その具材に、ナツメ、栗、落花生、干し柿などの縁起を担ぐ具材を入れます。当たった具材によってその年を占うおみくじのような風習だそうです。

餃子

栗は「利益につながる」という意味合いを持つといいます(ちなみに、ナツメは良いことが早く来るように、落花生は不老長寿、柿は良いことが起こるように)。美味しく占う、新年の楽しいイベントですね。

新年のイベント

金運や恋愛など、世界各地で縁起のいい食材として使われている栗。あなたはどの場面で食べたいですか? 是非とも、ラッキーな意味合いを意識して食べてみてくださいね。

この記事を書いた人

こうの ひろこ

ギフトコンシェルジュ兼webライター。看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントの見立てを得意とする。子育てに奮闘しながらも、週に1回以上の東京まち歩きと、ショップ巡りをライフワークにしている。

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