マイホームは一生モノといわれるように、一戸建ては人生で最も高額な買い物になることも多く、自分だけの城を一度は持ってみたいと願う人も少なくないのでは。そんなマイホームの夢を叶えた人には、素敵な新築祝いを贈って、盛大にお祝いしてあげたいですよね。
今回は、新築祝いの一般的な金額相場から、ギフトに付ける熨斗(のし)、渡し方に関するマナーを紹介し、新築祝いに避けるべきものについて解説します。また、内祝い(お返し)の注意点も併せて掲載しますので、是非とも参考にしてみてください。
新築祝いの金額相場はいくらか
新築祝いを贈るときにまず悩むのが、現金にするか品物を贈るかという選択肢ですよね。相手との関係性によっても変わりますが、数ある中からひとつの贈り物を選んだという気持ちが伝わるため、品物を贈ることをおすすめします。
特に現金の場合は、目上の人に対しては失礼にあたることもあると念頭に置いておきましょう。ただし、現金は使い道に自由度があるため、「正直言うと現金が良い」なんて人も多く、相手が現金を希望するような雰囲気であればマナーとして問題ありません。
それでは、新築祝いの金額相場はいくらかというと、これも相手との関係性によってバラつきがありますが、現金でも品物でも同じくらいの金額相場になります。一般的には、友人や知人、上司や部下を含む会社の同僚には「5千円~1万円」、兄妹や姉妹など近しい家族には「1万円~3万円」、いとこなど親戚には「5千円~3万円」程度が新築祝いの金額相場だといわれています。
そのほかに、長年にわたり面倒をみてもらった実家の親に対しては、5万円〜10万円もの高額な新築祝いを贈るケースもあり、地域コミュニティの仲間やママ友などには、周りの目も気になって相場が上がってしまうこともあります。相場はあくまでも目安ですので、基本的にはお祝いする気持ちが伝われば、金額を気にする人は少ないと考えましょう。
友人・知人・上司・同僚・部下:5千円~1万円
兄弟・姉妹などの家族:1万円~3万円
いとこなどの親戚:5千円~3万円
新築祝いの熨斗(のし)
新築祝いを贈るとき、現金の場合はご祝儀袋に包みます。品物の場合、包装紙の上から熨斗(のし)や水引きと呼ばれる、飾りがプリントされた熨斗紙(のしがみ)をかけることがマナーとなります。
現金(ご祝儀袋)であっても品物(のし紙)であっても、のしや水引きの種類は同じになります。新築祝いなどの、何回も繰り返してよいお祝いでは、何度でも結べるという意味から「蝶結び(花結び)」の水引き、もしくは、慶事と弔事の両方で使われる「あわじ(あわび)結び」の水引きを使うことがマナーです。
水引きの本数は、紅白の五本一組が主流ですが、本数が多いほど丁寧な意味になるため、新築祝いの金額とバランスを合わせて、三本・五本・七本の中から選びます(十本だったり金銀の水引きは基本的に結婚祝いのみ)。
ご祝儀袋やのし紙の表書きには、「新築御祝」や「御祝」を用い、会社の新社屋や新庁舎などの場合は「祝御落成」や「新社屋完成御祝」を用います。表書きの下段(名入れ)が連名となる場合は、右から格付けの順に書き連ね、夫婦の場合は中央に書いた世帯主の左側に他の者の名前だけを書きます。連名が4人以上となる場合は、代表者の氏名の左側に小さく「外一同」や「他家族一同」と書きましょう。
新築祝いの渡し方
一般的に、新築祝いを渡すタイミングは、新居のお披露目の時だといわれています。現金の場合は、袱紗(ふくさ)に包んで持っていき、品物の場合は、風呂敷に包んで持っていくことが渡し方のマナーとされています。どちらの場合も、相手の目の前で包みをといて渡すようにしましょう。
遠方に住んでいていたり、都合が合わず訪問することが難しい場合や、お披露目会がなかったり、招待されなかった場合は、新居が完成する1か月前〜完成してから2か月以内に、郵送する方法をとります。郵送する場合は、事前に送り状と呼ばれる手紙で、新築祝いを郵送する旨を相手に伝えましょう。
新築祝いで避けるもの
新築祝いに品物を贈るケースで、特に目上の人に対しては、贈ることを避けるべき品物があります。気にしない人もいますが、お互いに気持ちよく過ごせるよう、最低限のマナーは知っておくだけで損はありません。以下に、新築祝いとして避けるべきと考えられるものをいくつかご紹介します。
火を連想させる品物
新居にとって、一番の災難は火事だといわれています。そのため、火を連想させるような品物は、新築祝いに相応しくないとされます。具体的には、キャンドルやランタンなど火で灯りをともすもの、ライターなど火を発生させるもの、灰皿のようなタバコ関連のもの、火を連想させる赤色のものなどが挙げられます。
壁に穴を開けてしまう品物
折角の新居に、穴を開けさせるような品物も、新築祝いには相応しくありません。具体的には、壁掛け時計や絵画など、吊るして飾るものが挙げられます。
場所を取る品物
新築の家は、まだスペースにゆとりがあることも多いですが、相手にスペースの使い方を限定させてしまうような、場所を取る品物は控えましょう。具体的には、家具や観葉植物、キッチン周りのスペースを奪うような食器などが挙げられます。
新築祝いのお返し(内祝い)
新築祝いをもらったら、内祝いと呼ばれる日本の伝統的なお返しの習慣を意識しましょう。ただし、新居の完成後に招待して、そのお披露目会で十分にもてなした場合は、内祝いを改めて贈る必要はありません。
一般的に、内祝い(お返し)の金額は「半返し」といわれるように、もらった品物や金額の3分の1~半分が相場とされています。もらった金額が大きい場合、お返しの品が高額になりすぎると逆に失礼となってしまうため、金額については注意が必要です。
新築祝いの内祝い(お返し)にかける
新築祝いは、誕生日やクリスマスなど毎年ある贈答イベントとは異なり、人生で一度あるかないかという、ビッグイベントをお祝いする贈り物です。新築祝いのマナーを知っておくことで、あなたの大切な人が喜んでくれるような、品物のチョイスにきっと役立つはずですよ。