ビジネスシーンからプライベートな付き合いまで、人と交流を深めていると、お祝いのプレゼントをもらったり、食事をご馳走になる機会がありますよね。気を遣わせてしまうのでお返しは出来ないと感じたり、お返しをするほどではないと判断できるとき、あなたならどうしていますか?
今後も末永く付き合いを続けていきたいのであれば、やはりその気持ちを相手に伝えることが大切です。手紙を送りたいけど相手の住所まで把握していない。メールでは儀礼的で少しばかり冷たく感じてしまう。そんなときは、電話でお礼を伝えてみるのも悪くないでしょう。
電話には、生の声で会話する良さがある一方で、相手の貴重な時間を取らせてしまうといった欠点があったりします。ここでは、お礼の電話をかけるときに知っておきたいマナーや注意点について、筆者なりの考察をまじえてご紹介します。かけて良かった、受けて良かったと双方が思える電話になれば幸いです。
お礼の電話はどんなときに必要?
それではまず、お礼の電話が必要なシチュエーションについて考えてみましょう。きっかけとしては、自分におめでたい出来事があってお祝いの品物をもらったときや、食事をご馳走になったときが中心になってきます。何かをしてもらったりしたときだけでなく、会をセッティングしてくれたり、遠路はるばる足を運んでくれたときも該当します。
電話という手段を選ぶべき相手としては、普段からメールやメッセンジャーを利用しない人をはじめとして、先方からの連絡が電話中心の場合や、遠方に住んでいたり多忙であまり会えない人、家族・身内で声を聞かせたい人などでしょうか。特に親戚や義両親などの近しくも礼儀を尽くしたい人が主に当てはまります。
具体的なシチュエーションを挙げてみるとすれば、婚礼の挨拶となる両家顔合わせ後、目上の人から卒業祝い・快気祝い・お中元・お歳暮をもらったとき、ビジネスシーンの飲み会でご馳走になったときなどがあります。その他に、年賀状をもらいながらお正月の時期に送り返せなかったときや、葬儀・法事で香典やお供えをもらったときなどもあります。
こうして考えてみると、お礼の電話が必要となるケースは、目上の人に何かしてもらったときに、そのお返しをするまでもないか、理由があってお返しを出来なかったことがきっかけになるケースが多いでしょう。このケースでは、電話という手段に限らず、お礼の気持ちを伝えることが今後の良好な関係を続けていくうえでも大切です。
お礼の仕方はメールと電話のどちらが良いか
それでは、お礼の気持ちを伝える手段として、何を選択すれば良いかという点について考えてみます。最も気持ちが伝わるのはやはり直接会ってお返しの品物を渡すことですが、すぐに会うことが難しかったり、訪問することで逆に相手に気を遣わせてしまうことがあるので、基本的には間接的な手段がオススメです。
間接的な手段としては、手軽さの順番でいうと、ラインなどのSNSメッセージ機能、メール、電話、はがき(手紙)などがあります。メッセンジャーによる連絡は非常に便利で手軽である一方、目上の人に対してお礼を伝える手段としては軽すぎて、相手によっては失礼とも受け取られてしまうことに注意すべきです。また、はがき(手紙)は直筆の手間から気持ちが存分に伝わり礼儀正しい印象を与えますが、相手に届くまでに数日はかかるため、即刻お礼を伝えたいときに不向きです。
消去法でいくと、たいていのケースはメールもしくは電話が無難であるといえるでしょう。そして、この二つのどちらを選ぶかは、ズバリ「人による」ことになります。近年では、ほとんどの人が携帯電話やスマホを持っているため、どちらを選択しても良さそうですが、電話は相手と自分とのタイミングが合わないと、かえって迷惑になってしまうこともあります。
ただし、メールであったとしても、お礼のメールに対して相手が返信する手間があったり、テンプレートのような文面になると温かみが伝わらないといった欠点があります。手段で迷うのであれば、メールなどで相手の都合の良い時間を聞き、電話でお礼を伝えてみてはいかがでしょう。
お礼の電話で注意したいこと
お礼の手段として電話をチョイスする場合に、注意すべきことについて考えてみます。最も気をつけることは、やはり電話をかけるタイミングや時間帯です。現代において電話を使うシチュエーションは、急用や緊急の案件という印象が強いので、相手が忙しい人であればなおさら。これについては後述することにします。
電話をかけるタイミングと同じくらい大事なことが、会話のネタを用意することだと感じます。ただお礼を伝えるだけでは、「それだけで電話してきたの?」と思われてしまうこともあるでしょう。贈り物をもらったのであれば、その品物の使い心地や味を伝えたり、そうでなくとも未来のことを話したり、次の約束を取り付けても良いでしょう。
他に注意したいことが、電話をかけたときに相手が不在だったケースです。単に着信だけが残っていると、相手が急用だと思いすぐにかけ直してくるかもしれません。お礼を伝えるのであればこちらからかけるのが筋なので、不在の場合は留守電などでまたかけ直す旨を伝言として残すと良いでしょう。
お礼のタイミングや時間帯
それでは、お礼の電話をかけるうえで注意することの一環として、タイミングや時間帯について考えてみることにします。お礼の電話のタイミング、つまり何かをしてもらってからどれくらい経過して電話をかけるのが良いか。手紙ではなく電話という手段を使うのであれば、事案が発生した翌日や翌々日が望ましいでしょう。
そして、電話をかける時間帯は、基本的に夜が無難です。仕事をしている人であればビジネスのコアタイムは避けるべきですし、そうでなくとも日中や食事時は忙しいことが多いので、夜もしくは夕方に電話をかけるのがベターです。気をつけたいのが休日で、家族や親戚ならまだしも、仕事上の付き合いや目上の人には休日のプライベートタイムに電話をかけることは避けましょう。
お礼の電話のかけ方・言葉の例
電話はその場での受け答えになるため、メールや手紙とは違った難しさがあります。しかし、基本的な会話の内容を事前に練っておけば安心できるもの。ここでは、お礼の電話における言葉の例文を示しますので、是非とも参考にしてみてください。
お礼の電話に関するマナーはいかがでしたでしょうか? これからも、贈答マナーに関する、皆様の疑問を解決していきます。「これってどうすればいいの?」という疑問も大募集していますので、ご遠慮なくお問い合わせフォームからご連絡ください。