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街歩き 番外編 - 手紙にまつわるエトセトラ|紙・切手・筆記具をテーマにめぐる東京散策

街歩き 番外編 - 手紙にまつわるエトセトラ|紙・切手・筆記具をテーマにめぐる東京散策
突然ですが「4月20日」が何の日かご存じでしょうか。今ひとつピンとこない方も多いかと思いますが、4月20日は1871年(明治4年)に東京・京都・大阪の三都市で郵便事業が開始された「郵政記念日(旧称:逓信記念日)」です。 郵便ポスト デジタル時代に突入してもう随分と経ち、手軽なメールは頻繁に利用する一方で、紙媒体や手紙に触れる機会は急激に減ってしまいました。かく言う筆者も誰かに手紙を送る機会はほとんど無く、プレゼントに添えるカードと年賀状がギリギリカウントされるかしら?という程度。 手紙 もらうと嬉しいのに、贈る機会がなかなか無い手紙。しかしコロナ禍で親しい人でさえなかなか会えない日々が続く今、その良さが見直されています。字に自信がないからとか、形式に則った文章がうまく書けないとか、もらう側だったら気にしない小さな悩みは横に追いやって、手紙を書いてみませんか? 切手 そんな想いを込めて、今回の街歩きは「手紙にまつわるエトセトラ」をテーマに設定しました。郵政博物館(押上)、紙の博物館(王子)、目白切手の博物館(目白)を筆頭に「紙・切手・筆記具」を取り扱う専門店や各所をめぐる散策にくり出しました。

「 郵便 – Post – 」にまつわるはなし

飛脚 まずは郵便の歴史を簡単にご紹介します。日本における郵便の歴史は明治4年に幕が開けます。江戸時代までは身分に関わらず飛脚を利用した書状のやり取りが一般的でしたが、文明開化の波に乗り「郵便の父」と呼ばれる前島密により現在の郵便制度の礎になる官営の郵便事業が開始。 郵便ポスト 当初郵便役所が設置されたのは京都、大阪、東京の3か所で、翌年には全国に取扱所が設置されていきました。ちなみに郵便のマークに用いる「〒」は、開設当初に郵便業務を担っていた逓信省の頭文字のカタカナ「テ」から来ています。身近ながらよく知られていない豆知識です。

① 郵政博物館(旧逓信総合博物館)[押上]

郵政博物館 郵便の歴史は、墨田区スカイツリータウンのソラマチ内にある「郵政博物館」でも触れることができます。2014年開館、大手町にあった逓信総合博物館(2013年閉館)の展示品を引き継ぎ、郵便に関する収蔵品約400点を展示しています。 郵政博物館 ソラマチの9階にあるこの施設は、館内の中では比較的人の行き交いが少なく静かで落ち着いた雰囲気です。館内はエリアごとにテーマが分けられ、郵政の歴史や郵便局で使用されていた計器や制服などを展示。他では見ることができない郵便にまつわる貴重な資料を見ることができます。 郵政博物館 青いポスト、初めてみました。解説によると昭和4年から始まった航空郵便専用のポストだそう。この青色ポストはその後、1950年代から速達郵便専用ポストとして全国に設置され、現在でも都内に数か所残っているようです。次の機会には青いポスト探しの散策をしてみようかしら。 郵政博物館 展示品のなかでも33万点にものぼる世界各国の切手のコレクションは圧巻です。入場料も300円と気軽に入れるので、ソラマチへ買い物にお越しの際はぜひこちらの博物館へも足を伸ばしてみてください。 郵政博物館 ずらりと並ぶ引き出しを引っ張り出すと、切手たちが丁寧に整理され展示してあります。国ごと、年代ごとに区分けされており、時代や地域によってデザインのテイストが変化するのも見ていて楽しいです。現在では見ることのできない古い時代の貴重な切手もあり、引き出しのすべてを引っ張り出して見るには丸一日かかりそう。

ちなみに

1949年の最初の「お年玉つき郵便葉書」は特等が高級ミシン、末等が切手シートでした

「 紙 – Paper – 」にまつわるはなし

メッセージカード どのような「紙」に気持ちをしたためるか。いざ手紙を書こうと思うとレターセットやカード選びは案外難しいものです。相手の年齢や性別、手紙の内容によって最適なデザインは変わります。上手に使用するものを使い分け、相手に喜ばれるものを丁寧に選びたいところ。 メッセージカード 筆者は慣れない手紙(カード)選びにいつも即決できず、売り場をウロウロしてしまいます。スマートに選べるよう、いくつかお気に入りのお店を見つけられたらいいな。ということで、今回は気になっていた博物館といくつかの紙の専門店を訪ねました。

② 紙の博物館(旧製紙博物館)[王子]

紙の博物館 王子駅を出てすぐ、飛鳥山公園内にある「紙の博物館」。渋沢栄一が日本初の洋紙の製紙会社「抄紙会社」を設立したゆかりで王子に博物館が建てられました。飛鳥山公園は桜や紫陽花の時期にたびたび来ていたので博物館があることは知っていました。いつか行ってみたいと思っていたので、紙を巡る散策にはうってつけと満を持しての訪問です。 紙の博物館 2020年の創立70周年を機に常設展示がリニューアルされ、「紙の歴史をたどり、現在を知り、未来を考える」をテーマに製紙の歴史や現代の製造過程などを展示。紙の作り方や、SDGsが叫ばれる今日関心度も高いリサイクルの仕組みまで丁寧かつ専門的に解説しています。 紙の博物館 小学生向けの体験型展示もあるのでお子様と一緒に普段使用している紙について改めて考える良い機会にもなりそうです。 北区飛鳥山博物館 ちなみに紙の博物館は「北区飛鳥山博物館」「渋沢史料館」が隣接しており、飛鳥山公園内の3博物館共通の入館券も販売されているので、渋沢栄一の人生と郷土史にゆっくり触れる休日を過ごすのも良いかもしれません。 カフェ・ヴァーチュ 紙の博物館を出た後、飛鳥山博物館内の喫茶店「カフェ・ヴァーチュ」にて一服。名物との謳い文句に誘われておはぎを食べました。程よく甘く、柔らかい苦みが余韻に残るブレンドコーヒーに合います。 アポロン 洋菓子派にはこちらのお店をご紹介。2021年オープンの「apollon(アポロン)」は、赤羽岩淵にある「AERU COFFEE SHOP」の2号店です。王子駅から徒歩7~8分と少し足を延ばした場所にあります。 アポロン 落ち着いたおしゃれな内装で、若い女性のお客さんが多いよう。店内ではコーヒー・紅茶と一緒に手作りの焼き菓子を頂けます。お菓子はボリュームがありますが甘すぎず、最後まで美味しくぺろり。オススメの抹茶ケーキはテイクアウトも可能なので自宅でのお茶会にぜひ。

ちなみに

事前に予約すれば、一本単位でパウンドケーキを購入することも出来るそうです

③ paper message/Billboard[吉祥寺]

ペーパーメッセージ ここからは紙製品を扱うお店をいくつかご紹介します。まずは吉祥寺、中道通りある「paper message(ペーパーメッセージ)」。専属デザイナーのデザインを印刷、製品に仕立てるまでの工程を全て自社でおこない、紙の楽しさを伝え続けるお店です。 ペーパーメッセージ 眺めているだけで楽しい紙製品が並ぶ店内。封筒や便せんの他にマスキングテープやカレンダーなどを販売しています。どれもカラフルで可愛らしい雰囲気で、女性やお子さんへの贈り物に喜ばれそうです。 ペーパーメッセージ 便せんと仕事で使用するメモパッドを購入してみました。カラフルなメモ用紙が仕事中のふとした瞬間に目に入るだけで気分も少し上向きます。

ちなみに

paper messageでは活版印刷やウェディングなどペーパーアイテムを1枚から作れます

吉祥寺を訪れたならあわせて寄りたいのが、「散歩No.16 吉祥寺|旅する吉祥寺をテーマに、世界の輸入雑貨をめぐる」でもご紹介した輸入雑貨・カード専門店「Billboard(ビルボード)」。 ビルボード インポート物のグリーティングカードを中心に取り扱っており、男女問わず送れる茶目っ気のあるデザインと相手をクスリと笑わせてくれるユーモアが魅力です。気軽にメッセージカードを贈りたい方はこちらのお店ならぴったりのものが見つかるはず。 ビルボード

④ 鳩居堂(きゅうきょどう)[銀座]

ご年配の方に向けたお便りやしっかりした書式を取った文章をしたためたい時は、縦書きの落ち着いた雰囲気の封筒と便せんを選び、お相手に失礼の無いようにしたいもの。 鳩居堂 そういったとき1663年創業の老舗「鳩居堂」でレターセットを選べば間違いありません。縦書きで和風の品のいい商品が揃っています。銀座という立地良い場所にあるのも利点。急に入用になった時のために、ストックしておく品を選ぶのもオススメです。

ちなみに

鳩居堂のロゴマーク「向かい鳩」は源頼朝が熊谷直実の活躍を称えて贈った家紋に由来

⑤ 竹尾 見本帖本店[神保町]

とにかく「紙」そのものにこだわりたい!という方には神保町にある「竹尾見本帖本店」に行くと理想の紙に出会えるかもしれません。明治32年創業の紙専門商社竹尾のショールームで、紙に関連した作品を手掛けるクリエーターやデザイナーも足しげく通う場所です。 竹尾見本帖本店 洗練されたスタイリッシュな店構えで、中に入ると整然とディスプレイされた数千種類の紙サンプルがお出迎え。サンプルは実物を手に取り確認することが可能なので、贈る相手に思いを馳せて、紙を選ぶ楽しいひと時が過ごせます。紙は規定サイズで一枚から購入可能、指定寸法でのオーダーもできます。 竹尾見本帖本店 2階は身近な紙の新たな可能性を発見できる展示スペース。竹尾の新商品の発表や紙をメインにしたクリエーターによる作品展示が行われます。奥の壁面には竹尾が企画したオリジナルの紙製品をディスプレイ、販売しています。 竹尾見本帖本店 便せんと封筒はそれぞればら売りされていて、好きに組み合わせることができます。どれにしよう。こちらでもまた悩んでしまいます。 竹尾見本帖本店 春らしい綺麗な色味のものを選んでみました。紙の厚み(斤量)もしっかりあるのでシンプルながら高級感があります。ダイヤ張りの封筒も美しいフォルムです。 竹尾見本帖本店 カード型の便せんには折り目が付けられています。折り目も綺麗に見えるようにという紙専門商社ならではの細やかな気配り。 竹尾見本帖本店 オリジナル商品は封筒・便せんだけではありません。「文庫本を上製本に。」がコンセプトの美篶堂によって手製本で誂えられたブックカバーは、本の街神保町にちなんだ商品。ハードタイプのカバーで、装着すると文庫本が上製本のようにしっかりとした厚みに。シンプルなデザインは性別や年齢を問わず持ちやすく鞄の中で本が折れたりするのを防いでくれます。 竹尾見本帖本店 ショッパーもさすがのクオリティ。紙製品へのこだわりが感じられますね。今回紹介した以外にも、都内には紙を取り扱う専門店がたくさんあります。紙専門店を巡り紙の手触りを楽しむ散策も次の機会でできればと思います。

ちなみに

ショールームで選びきれなくても、2F展示スペースで仕立て済みの封筒と便箋を購入可

「 切手 – Stamp – 」にまつわるはなし

切手は想像している以上にたくさんの種類が存在します。まず、日常的に使用している切手は1枚単位で購入できる「普通切手」と呼ばれるもの。普通切手は普通はがき用や定形郵便用の切手など一枚で使用できるもの他、貨幣価格が低かった時代の切手を使用する際の差額を補填する1円や2円など少額切手があり、普通切手だけでも19種類存在します。 切手 さらに、「特殊切手」という年賀はがきで当たる「お年玉商品の切手シート」のようなシート状の切手。日本郵政より特定の記念日や歴史的な出来事の節目に発行されるものがあり、いずれも発行枚数が限定されていて時期を逃すと正規には購入できなくなります。

ちなみに

今年2022年には節目を迎えた「沖縄復帰50周年」の特殊切手が発行されるそうです

さらにさらに、企業や個人が製作するオリジナルフレームの記念切手を合わせると、年間で発行される切手の種類はとても多く、まさにコレクター心をくすぐる品物なのです。 著者の切手コレクション 筆者自身も親から引き継いだ切手のコレクションがあります。しかしコレクターとしてはまだまだ若輩者。より切手の奥深さを知るために、目白を目指しました。目白には世界的にも珍しい切手専門の博物館があります。

⑥ 目白切手の博物館[目白]

目白切手の博物館 目白駅に到着。山手線30駅の中で3番目に利用客が少ない駅ですが、周辺には学校が多く朝は学生の賑やかな声が響きます。 目白切手の博物館 目白駅前の広場を右手に進むとすぐに学習院大学があります。門前を右に曲がり、線路沿いに池袋方面に2~3分直進した場所に「目白切手の博物館」はあります。(山手線に乗っていると看板が見えます) まことちゃんポスト 楳図かずお先生の「まことちゃんポスト」がぐわしとお出迎え。もちろんこちらのポストからもちゃんと投函できます。 目白切手の博物館 エントランスを入って右手が博物館です。1988年に著名な切手収集家であった水原明窓が私財を投じて設立。企画展の内容に沿って世界中の切手が展示、解説されています。入館料300円。館内はそれほど広くないので予定と予定の間の隙間時間でも気軽に鑑賞することができます。 目白切手の博物館 エントランスを挟んで博物館の反対側は入館料不要でミュージアムショップと切手専門店のテナントが入るエリアです。切手を購入ができ、その種類は海外製の切手や郵便黎明期のプレミア切手など多岐にわたっています。

ちなみに

現在日本で発行される中で最も金額が高い切手は500円切手で、最も安いのは1円切手

お店ごとに取り扱っている商品も異なるので見ごたえ十分。通常切手の料金から少し上乗せされた価格になっていますが、中には切手の料金そのままで購入できるものもあり、宝探し感覚でお気に入りの一枚を探せます。 目白切手の博物館 子供の頃美味しそうなカステラパンケーキに目当てによく読んだ「ぐりとぐら」の可愛らしい切手。小さいお子さんにも喜んでもらえそうなので選んでみました。 目白切手の博物館 個人的な収蔵用にこちらも購入。特殊切手もバラで販売されているので手軽に購入できるのが魅力ですね。世の中は数十万、数百万種類のまだ見ぬ切手があると思うとワクワクします。 デリーモ せっかく目白まで足を延ばしたので、甘いもの好きとしては外せないパティスリー「DEL’IMMO(デリーモ)」に寄りました。こだわりの芸術的な美しいパフェで知られ、季節限定、店舗限定のパフェを求め通うファンも多いお店です。 デリーモ 今回は自宅時間用に焼き菓子を購入しました。パフェだけで無く焼き菓子やチョコアソートも種類が豊富で見た目に美しいばかり。ギフトはもちろんのこと、仕事のブレイクタイムにも気分を上げてくれるのでオススメです。 インクホーンブルーイング 甘いものより美味しいお酒、という方には目白通り沿い、目白駅と雑司ヶ谷駅のちょうど中間に位置する「インクホーンブルーイング」への寄り道はいかがでしょうか。2021年創業開始の醸造所に併設されたテイスティングルームで、数種類の自社醸造のビールを飲むことができます。 インクホーンブルーイング 今回は「Flocc Members」を注文、少し濁った琥珀色が美しい…。苦みが少なくするする飲めます。販売しているのはビール飲みで、おつまみは持ち込み可能です。昼間にお酒を飲む背徳感も一緒に飲み込んで、大人のゆったりした休日を満喫できます。

ちなみに

テイスティングルームではグラウラー(詰め替え容器)での量り売りも行っています

「 ペン – Pen – 」にまつわるはなし

ペン どういった筆記具を使うかで紙の上に落ちる文字の雰囲気も印象も驚くほど変わります。使い勝手の良い手ごろなペンも良いけども、ぜひ一生使うことができるお気に入りの筆記具を見つけてみてください。お手入れすることで愛着が湧き、使うごとに馴染んできます。 ペン また、ビジネスシーンで字を書くときに良い筆記具を使うことで、仕事に対する丁寧な印象を与えることもできますよ。良い筆記具があなたの字の「癖」を小粋な「味」に変えてくれるかもしれません。

⑦ 伊東屋(Ginza Ito-ya)[銀座]

実は筆者も良い万年筆をずっと購入したいと考えていました。文章を書くにもパソコン上、タイピング中心ではありますが、物書きの端くれとして自分に合った手が疲れにくい筆記具が欲しいです。決めたのは良いものの、さて、どんなものが良いのやら。インターネットで検索しているだけでは埒が明かないのでさっそく伊東屋を訪れました。 伊東屋 伊東屋は銀座の瀟洒な大通り沿い、大きなクリップの看板が目印です。高級万年筆・ボールペンの売り場は3階。国内外のメーカーを取り扱い、店員さんにアドバイスをもらいながら書き味を試してみることができます。訪れた3月は入学、卒業祝や送別の季節でもあるためかフロアには多くのお客さんで溢れていました。 伊東屋 線の太さやデザインなど希望を伝えると数種類を見繕い書き比べさせてもらえます。試し書きは線を引いてみるだけでなく、漢字やひらがなを書くのがオススメ。同じ字をペンごとに書き比べてみると、線の強弱や雰囲気が少しずつ違うのです。手への馴染み具合もわずかな重さの違いで変わるとしみじみ実感しました。

ちなみに

店員さん曰く、万年筆を決めるポイントは「重さやグリップの形状、インクの出具合や太さ、文字を書いた時の雰囲気」とのこと

紙によってはインクがにじみやすく線が太く見えるものもあるので、使用したい紙の種類が決まっている場合は購入時に用紙持参で行くのが良さそうです。 伊東屋 迷いに迷って「ウォーターマン」にしました。ルイス・エドソン・ウォーターハウスが始めた100年以上の歴史を持つメーカーで、世界で初めて毛細管現象を万年筆に採用した万年筆のパイオニアでもあります。 伊東屋 シンプルな黒に金パーツ、やはり一本目はオーソドックスなもので。こだわりを持って作られたフォルムに書く姿勢もピンと伸びます。気分は文豪、一魂込める文章仕事ができますように。 書斎館 さらに背を伸ばして、いつか行ってみたい憧れのお店が表参道にあります。骨董通りから一本入った路地に静かに店を構える「書斎館」です。入口に続く通路にはガラス張りのディスプレイ棚に万年筆の名品たちが美しく並びそこが特別な空間であることを示してくれています。万年筆のプロに丁寧な接客を受けながら一生物の特別な万年筆に出会える…憧れの場所です。

⑧ カキモリ/inkstand by kakimori[蔵前]

カキモリ 万年筆はインクの入ったカートリッジを装着して使用する他に、自分でインクを選んでコンバーターと呼ばれる吸引器にインクを補充して使用することも出来ます。スタンダードなブラック以外に最近ではカラフルなインクも相次いで発売され、インク選びも併せてこだわりたいポイントになっています。 蔵前にあるオリジナルノートを作れることで有名な「カキモリ」も、オリジナルインクを扱うお店のひとつです。販売されているインクは万年筆の他、同店で扱っているオリジナルボールペンでも使用することができます。万年筆は少し敷居が高いかたにも気軽に使用できます。 カキモリ お店オリジナルカラーのインク「むくり」。色にはそれぞれ擬音語の名前が付けられています。もったりした丸いフォルム瓶も可愛らしいです。 カキモリ 購入した万年筆で早速インクを使用してみました。書き慣れてない感じがすごいですが、真っ黒ではなく赤みのある濃いグレーといった色合いで、なんだか普段より字がおしゃれに見える気がします。万年筆自体の線は比較的太めのものです。 カキモリ 他のペン先で書いた文字との比較。線の丸みや強弱が違うのが分かりますか? 自分の字と雰囲気と合う筆記具を見つけると、字を書くのが好きになりそうです。カキモリでは万年筆やボールペンとインクをセットでラッピングできるギフトボックスもあるので、普段お世話になっている方への贈り物としてとても喜ばれると思います。 さらに中二階には「inkstand by kakimori(インクスタンド)」があり、自分だけのオリジナルのインクカラーを製作することができます。好きな色を2~3種類選び、それぞれのインク量によって色味を調整して作成します。オリジナルインクを作成してプレゼントするのも素敵ですよね。 インクスタンド カキモリから東にまっすぐ進み新堀通りを渡った場所、ぷらりと歩いて行ける距離にこちらも手紙にまつわるお店があります。2019年にオープンした「自由丁」です。読書をしたり仕事をしたり、考えたりときには悩んだり。訪れた人が自由に過ごすことのできるスペースを提供しています。 自由丁 1年後の自分に手紙が書ける「TOMOSHIBI LETTER」というちょっと変わったメニューがあります。用意されているレターセットの中から自分好みのものを選び、書いた手紙をお店で大切に保管、1年後に自分の手元に届けてくれます。ちょっと気恥ずかしい気もしますが、忙しい日常で忘れられがちな自分と向き合う貴重な時間です。あれやこれやと悩みながら手紙を書いて過ごしてみませんか。

ちなみに

インクスタンドも自由丁も、事前に予約して行くことをオススメします

おわりに 「手紙にまつわるエトセトラ」は如何でしたでしょうか。手紙を書く時間は自分や大切な相手のことを考える時間です。じっくりと思いを馳せながら丁寧に手を動かすことで、改めて人とのつながりを考えることができます。それはきっと、あなたにとっても充実した時間になるはずです。

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柳澤 翔子

柳澤 翔子

フクロモモンガと暮らすジュエリーデザイナー。ショールームコーディネーター、ジュエリーアドバイザーなどの豊富な接客経験から「人の気持ちに寄り添った商品提案」を行うことをモットーとしている。ヴィンテージマグカップ集めと刺繍が趣味。

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