寒さがひと段落して梅雨入りを迎えると、次第にお中元ギフトを考えはじめる頃だと感じます。お中元の時期は地域差があるものの、全国的には7月1日から15日までに贈ることが一般的。本州だと、梅雨明けは平年で7月中旬から8月初旬となるため、梅雨明けを待っていては間に合わない計算になります。
毎年のことでしばしば悩みの種となるお中元ギフトは、ミートグルメやスイーツなど食べ物を贈ることが定番。その理由については後述しますが、好みが分かっている関係性であれば、食べ物以外のお中元ギフトにチャレンジしてみてはいかがでしょう。本格的な夏が到来する前に、涼しげなモノギフトでご挨拶なんて素敵ですよね。
食べ物以外のお中元ジャンル
どうしても食べ物に目が行きがちなお中元ギフトは、テーマを設定してみると食べ物以外でも目ぼしいものを見つけやすいはず。ここではまず、設定したテーマを基に絞り込んだ、食べ物以外のお中元ジャンルをご紹介します。
相手の負担にならない消えもの
お中元のように形式ばったギフトを贈るときに気をつけたいポイントが、相手の負担にならない品物を選ぶこと。食べ物なら食べて無くなるので便利ですが、モノギフトでは相手の居住スペースを狭めてしまう可能性を考慮しなければなりません。
そういった問題を解決するひとつの手段として、消耗品や生活雑貨など「消えもの」と呼ばれるジャンルを贈る方法が挙げられます。ただし、普段使うような消耗品を贈ると、ギフトとしての特別感や見栄えが劣るので、少しばかり高級でスタイリッシュな品物をセレクトすることがオススメです。
「入浴剤」や「石鹸」などの浴室アイテムなら、手に入れやすい日本製の汎用品ではなく、海外製の限定アイテムに注目したいところ。日中に汗をかいてそのままにしがちな夏場の不快感を、スカッと爽快に洗い流してくれることでしょう。
「タオル」や「ハンカチ」、「手ぬぐい」などの拭きもの系も、代表的な消えものギフトです。生地が弱い安価なものではなく、今治タオルやオーガニックコットンなどの高品質なものを選ぶと、贈り相手に長く使ってもらえるギフトになるはずです。
近年では男女ともに品数が豊富なコスメも、自分ではなかなか手が出せないプライス帯で選ぶと喜ばれます。乳液や化粧水がセットになった「スキンケア」、クリームやオイルなどの「ボディケア」は、夏場も気の抜けない肌荒れ対策にもってこい。爽快感のある「フレグランス」を贈っても良いでしょう。
涼を感じさせる暑さ対策グッズ
夏真っ盛りに贈るお中元ギフトなら、暑さ和らぐ涼しげなアイテムは外せません。自宅で快適ライフを送るにも、外出先で一息つける瞬間を生みだすにも、暑さ対策グッズが一役買ってくれます。
肌感覚で直接的に涼を感じてもらいたいのであれば、送風する道具が候補に挙がります。外出が多い人なら「扇子」、自宅にいる時間が多い人なら「うちわ」や「扇風機」、「サーキュレーター」などのギフトがパッと思い付きます。
オシャレで見た目や音色にも涼を感じるアイテムなら、「グラス」や「小鉢」などの食器類、「風鈴」などがあります。相手の生活スタイルに合わせて選んでみると良いかもしれません。家族に贈るお中元ギフトなら、「パジャマ」や「甚平」など快適なルームウェアも喜ばれます。
夏場でも冷房が効きすぎた室内に長くいると、かえって体が冷えてくることもあります。そんな夏の冷え対策に「ストール」や「カーディガン」、「ひざ掛け」を贈ってみるのも逆転の発想で面白いかもしれません。秋口から冬場にかけても使える便利な通年ギフトです。
夏場の日差し除け・紫外線対策
夏は晴天が多く日照時間も長いため、旅行やレジャーを楽しむ人も多いでしょう。そういったシーンで活躍するアイテムが、日差し除けや紫外線対策グッズです。熱中症の対策になるだけでなく、目や頭皮を守るやさしい心遣いが伝わるギフトになることでしょう。
相手が女性なら、UVカットの「日傘」が定番の贈りもの。好みがよく分かっているのなら「ハット」や「キャップ」などの帽子をチョイスしても良いかもしれません。また、車を運転する人には、UVカットの「サングラス」がよく選ばれています。
相手に品物を選んでもらう気遣い
夏場だけでなく年間通して言えることですが、相手に品物を選んでもらうという贈り方があります。相手の好みが分からない場合や、モノを贈り尽くしてしまっている場合にも使い勝手が良く、建前から本音にシフトする時代の救世主ともいえます。
代表的な例としては、カタログ形式で相手が選ぶことのできる「体験ギフト」や「カタログギフト」、百貨店・スターバックスコーヒーなどで使える「商品券」や「金券」。わんぱく盛りな子供がいる家庭なら、マックカードやハーゲンダッツギフト券なども良いかもしれません。
オススメしたい食べ物以外のお中元ギフト 10選
お中元ギフトのジャンルについて解説してきましたが、ここでは筆者が特にオススメしたい、食べ物以外のお中元ギフトを具体的にご紹介します。価格帯も様々で男性も女性も使えるアイテムを中心にセレクトしましたので、どなたも今年のお中元候補として探してみてください。
体験ギフトは、モノではなくコトの贈りもの
贈り相手が自分で選べる使い勝手とカタログ/チケット形式のコンパクトさがウケて、近年めざましい発展を遂げている体験ギフト。国内最大手である「SOW EXPERIENCE(ソウ・エクスペリエンス)」は、安心の実績と豊富なバリエーションが魅力です。オーソドックスな体験カタログを贈るなら、選べる体験数が最も多い定番商品「総合版カタログ」がオススメです。
相手が夫婦なら2人向けの「FOR2ギフト」、小さい子供がいる家庭なら「WITH BABY GIFT PLUS」など、家族構成によっても選べるところが嬉しいポイント。人気急上昇のカスタムオーダーギフトは、男性に最適な「オーダーシャツチケット」や、女性が喜びそうな「パーソナライズコスメギフト」など、贈られた人が自分仕様に注文できるパーソナル体験が収録されています。
粋な大人感を演出する、京扇子の贈り物
父の日で定番の扇子は、本格的な夏を前にお中元ギフトとしても活躍します。オシャレな扇子を手にした男性は、涼しげな印象を与えるだけでなく大人の色気すら感じるもの。夏のご挨拶にうってつけな扇子をプレゼントするのなら、1823年創業の老舗の京扇子店「宮脇賣扇庵」がオススメです。
歴史と風格を体現した京扇子は、手触りや使い勝手など高い評価を受けている逸品です。和装時だけでなく、普段から使うことができる粋なデザインは、大人の男性なら誰しもが憧れるはず。この夏は、趣向をかえて涼を感じさせる扇子のお中元ギフトを贈ってみてはいかがでしょう。
涼しげな「うすはり」グラスで喉ごし爽快
夏といえば、喉を爽快に潤してくれるビール! でも、ビールの詰め合わせでは何だか味気ないと感じますよね。そんなときは、うすはりタンブラーで晩酌の楽しみを増幅して差し上げましょう。うすはりは、味わい・口当たり・温度感など、飲み物の美味しさを格段に上げてくれると専ら評判です。
うすはりを登録商標とする「松徳硝子」は、大正11年創業の受け継がれた伝統技術が目を見張ります。通常のグラスの半分以下、極限の薄さを実現した職人技で、ひとつひとつ丹精込めて作られています。この薄硝子制作の製法は、江戸硝子として東京都の伝統工芸品指定を受けた逸品です。
晴雨兼用の日傘で、夏の安心感をおくる
夏の強い日差しを遮ってくれる日傘は、晴雨兼用ともなると年中活躍する、持っておいて損がないアイテム。つまり、貰って困らないギフトとも言えますよね。そんな日傘を選ぶなら、傘の企画・製造・卸で国内シェアトップ「シューズセレクション」の旗艦店、自由が丘にある世界最大級の傘専門店「Waterfront(ウォーターフロント)」が一押しです。
1階から4階まで傘で埋め尽くされた傘のエンターテイメントビルは、眺めているだけでもワクワクが止まりません。ファッションの一部として傘を楽しめるデザインで、日傘の種類も専門店ならではの品揃え。超軽量で華やかな折りたたみ傘は、バッグに入れてお出掛けするのに最適な使い心地です。
快適なバスタイムに欠かせないボディケアの逸品
汗をかくことの多い夏場は、お風呂やシャワーの充実感が欠かせませんよね。1921年から続く、スイス発オーガニックコスメブランド「WELEDA(ヴェレダ)」は、バスタイム中や入浴後の肌をいたわるスキンケア・ボディケア用品が豊富で、世界50カ国以上で愛される知名度・実績ともに申し分ないブランドです。
ちょっとしたギフトなら、5つの香りを楽しめて創設100周年の特別デザインがオシャレな「バスミルクミニセット」がオススメ。程よくボリューム感が欲しいなら、保湿力のあるバスミルクとボディウォッシュで肌乾燥を防ぐ「バスタイムギフト」、さらに入浴剤がセットになった「ボディケアギフト」も年齢性別を問わず贈れて便利です。
手洗い後の手肌を保湿するハンドクリーム
手からのウイルスや細菌の接触感染を防ぐために、手洗いを徹底することはとても大事なこと。しかしながら、頻繁に手を洗うと、その分しっかり保湿をする必要性も出てきます。そんな夏でも潤いをもたらす気の利いたギフトとして、ハンドクリームのお中元はいかがでしょう。
創業1899年の老舗金箔屋から生まれた「MAKANAI」は、作業場で働く女性達が美しくあるために知恵を出し合って生み出した、手づくり化粧品をルーツとするコスメブランド。不動の人気を誇る「絶妙レシピのハンドクリーム」は、スーッと肌なじみが良く、べたつかないのにしっとり手肌をもたらす逸品です。
日常に華を添えるオリジナルハンカチーフ
ハンカチは、プライベートでもビジネスシーンでも活躍するとともに、慌ただしい日常のテンションをプチ上げしてくれる素敵な贈りもの。世界で初めてのハンカチーフ専門店「クラシクス・ザ・スモールラグジュアリ」では、刺繍を施したオリジナルハンカチを創り出すことができます。
専門店として200種類にも及ぶハンカチーフの品揃え、そして、好きな場所にイニシャルを縫い付けることできる刺繍サービスが人気の同店。書体や糸色を選べたり、イラスト刺繍で遊び心をプラスできるサービスは他に類を見ません。幅広い価格帯のラインナップは、相手との関係によってセレクトできて応用が利きます。
注染手ぬぐいは、伝統的なお役立ちアイテム
ランチョンマットやタペストリーなど、生活雑貨として様々な使い方ができる手ぬぐいは、ギフトで重宝する気の利いた一品です。注染手ぬぐいの専門店「<にじゆら」は、伝統的な注染工場のオリジナルブランド。山登りやサイクリング、剣道など、スポーツをしている人の汗拭き用にもぴったりです。 [itemlink post_id="15270" price="-" size ="L"] 注染は、異なる色の染料が優しいグラデーションを生み、独特のやさしい風合いに仕上がります。また、糸の目をふさがずに染めるため、驚くほど通気性や吸水性がよく、速乾性があるので雑菌が増えにくくて衛生的。洗うほど手触りが柔らかくなるのも、注染手ぬぐいの魅力的な特徴のひとつです。
眠りやすさを追求、大人かわいいルームウェア
疲れが溜まっていたり、眠りで悩んでいる人にオススメしたいのがルームウェアのプレゼント。人生の3分の1を占める睡眠時間を快適に過ごしてもらうご褒美ギフトは、家族など身近な人に贈るシーンで最適です。大人かわいいルームウェアブランド「SLEEPY SLEEPY」では、素材だけでなくデザインにも眠りやすさが追求されています。
寝ているときに違和感を与えないよう、体にあたる部分にはボタンやスナップを付けず、首にあたって痛くないように襟元の幅を細かく計算。カーディガンやガウンなどは、腕まくりしても袖が落ちてこないようリブを長めにつくり、丈も引きずってしまわない丁度よい長さに調整しています。レディースもメンズも品揃え豊富なので、両親へのプレゼントにいかがでしょう。
やっぱりダイソン、年中活躍する羽根なし扇風機
夏場はつい冷房を効かせすぎてしまいますが、冷えの原因ともなり兼ねないため、設定温度を高めにすると同時に扇風機を使うのがオススメです。ただ、小さい子供がいる家庭では扇風機はとても危険。実のところ、我が家でも扇風機に指を突っ込む大事件がありました。そんな問題を一挙解決してくれる逸品が「Dyson(ダイソン)」の羽根のない扇風機です。
春先の花粉症対策に空気清浄機能の付いた「空気清浄ファン」、乾燥しがちな季節で活躍する「加湿空気清浄機」、肌寒い冬場でもサッと温めてくれる「空気清浄ファンヒーター」など、年中活躍するオールインワン家電は誰もが欲しがるはず。ご案内するのは直営ショップでの正規品販売なので、購入後のアフターサービスも安心です。
お中元に食べ物をおくる意味とは
お中元ギフトと聞くと、真っ先に「食べ物」や「飲み物」を想像しませんか? 食べ物や飲み物をおくる理由は諸説あるものの、実はお中元の由来が深く関わっているのかもしれません。ここでは、食べ物に関連したお中元の由来や起源について解説していきます。
現代で言うところのお中元とは、日頃お世話になっている人や、いつも心にかけていながらご無沙汰している人に感謝の気持ちを込めてギフトを贈る、日本独自の贈答習慣のこと。元々は、中国道教の習わしである「中元」と仏教行事の「盂蘭盆」が重なった時期に、神仏に対してお供えしたことが起源といわれています。
神事としての時期を指す「中元」の解釈は時代とともに変化していき、江戸時代に広まった庶民の習慣では、その時期の贈り物自体を「お中元」と呼ぶようになります。神仏へのお供え物は、古来より特別な力があると考えられていた酒や米など食べ物が専らだったため、庶民間でもそれが活かされ現代にも通じていると考えられます。
「食べることは生きること」や「医食同源」などと言いますが、今昔欠かせない営みが食であり、食べ物を贈ることは当時から最大のおもてなしだったのでしょう。そういった根底にある系譜を辿ると、お中元ギフトは食べ物が良さそうにも感じますが、ルールに縛られない自由なセレクトが現代流の解釈ともいえますよね。
食べ物以外を贈るシチュエーション
現代におけるお中元ギフトで、食べ物以外を贈るシチュエーションはどのようなものがあるのでしょうか。そのひとつに、夏場は食べ物がいたみやすく、賞味期限が気になるケースがあります。子供がいる家庭は、夏休みシーズンが間近なタイミングなので、旅行など長期で家を空けることもあるでしょう。ましてや子供が赤ちゃんなら食べ物は贈りにくいですよね。
他には、様々な贈答シーンで食べ物を贈り尽くしているケースがあります。毎年のハムを心待ちにしているなんてこともありますが、それが好物であれば本人が日常的に食しているため特別感が薄らぎますよね。フルーツや海産物なども旬があるため、いつも同じようなものを贈ってしまいがちです。
さらには、好みがよく分かっている身近な人に贈るケースでも、食べ物以外のお中元ギフトは活躍します。スイーツやジュースなどの食べ物・飲み物は、大抵誰もが喜ぶため贈りやすい性質がありますが、お中元の時期に食べ物だらけになる家庭もあるでしょう。好みが分かっているのであれば、よりパーソナルに洗練されたギフトを贈ってみても良いかもしれません。
- おわりに
お中元ギフトは食べ物という固定観念が風潮としてありますが、現代ではさまざまなバリエーションが数多く登場しています。実用性があって現実的に嬉しい「消えもの」、その人の内面に残るような「体験ギフト」、カジュアルにオンライン上で贈れる「e-Gift」など、食べ物以外でも形として残らない便利なギフトもありますので、この機会にセレクトしてみてください。