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TOKYO街歩き

街歩き No.046 浅草|浅草の歴史を感じながら、新たな魅力を発見する小さな旅

街歩き No.046 浅草|浅草の歴史を感じながら、新たな魅力を発見する小さな旅

国内外問わず、都内における定番の観光スポットとして知られる浅草

江戸時代、南方に位置する蔵前に米蔵が設置されるようになって以降、商人が集う文化隆盛の地として発展してきました。随所に江戸の情緒を色濃く残し、歴史と下町の賑わいに触れることができるエリアです。

雷門や仲見世といった定番スポットはもちろん、一本路地を入れば素敵なお店との思わぬ出会いが待ち受けています。

観光地としての魅力だけでなく、ゆっくりと歩くことで見えてくる浅草の奥深さを感じながら、自分のペースで巡る街歩きのひとときを楽しんでみませんか。

街歩きの目的&立ちよるスポット

浅草を訪れるのであれば寺社への参拝と土産物購入というスタンダードな観光はもちろんはずせません。

しかし浅草は歴史のある街であると同時に常に変化している街でもあり、街中には新感覚スイーツや目新しいアイテムを販売するショップも目につきます。ぜひ新しくできたおしゃれなお店との出会いも期待したいところです。

ちょうど毎年何を贈るか頭を悩ませる母の日が近づいてきているので、マンネリ化しがちなプレゼントに新しいアイディアが無いか、という目線でも街を眺めてみました。

街歩きのツボ

このエリアでやりたい3つのこと

  1. 浅草寺から奥浅草まで寺社仏閣を巡り浅草の歴史を感じる
  2. お土産探しと新しくオープンした店舗のチェックする
  3. じっくりと街を巡ることで定番観光スポット浅草の新たな魅力を発見する

街歩き範囲は浅草寺を中心に南北約1キロのエリア

端から端までは徒歩30分程度の範囲ですが観光スポット、ショッピングともに見どころが多く、じっくり見て歩けば一日かけても到底回りきれません。

今回はなるべく多くのお店をチェックしたいので、行列のできるお店への入店は避け比較的観光客が少ないエリアを中心に回りました。

特に訪れたいスポットがある場合は事前に混雑状況をチェックし、時間に余裕を持っての訪問がオススメです。

地図の画像© OpenStreetMap contributors, CC-BY-SA

まずは午前中の比較的観光客の少ないうちに浅草寺の参拝と仲見世のお土産屋をチェック。その後は奥浅草方面に足を伸ばしいくつか歴史スポットを回って、隅田川沿いを南下し浅草駅方面に戻ってきます。

道中気になるお店があれば立ち寄りショッピング。このエリアで飲食店の候補に困ることはないので、特に目当てを決めず、お腹が空いたタイミングで近くにあるお店で食事をとることにしました。

① 浅草寺周辺

みどころポイント

  • 都内最古のお寺と神社を回りご挨拶
  • 仲見世に並ぶお店でお土産選び

午前10時になる少し前に銀座線浅草駅に到着。地上に出て1分程で浅草の玄関ともいえる雷門が見えてきます。

観光客が少ない時間帯といっても土日ということも既に記念撮影中の人でごった返していました。人力車の呼び込みの意気のいい声もあり活気づいています。

浅草に来たからにはやはり雷門はしっかり見ておかないと。この日は快晴で青い空に真っ赤に塗られた門が眩しいです。多くの人に倣って筆者も記念撮影を済ませてから門をくぐります。

仲見世

雷門をくぐった先、約250メートルの直線には仲見世が軒をつらねます。日本最古の商店街のひとつとされていて、店先にはたくさんの土産物が並び見ているだけで楽しいです。

平成の時代にはご当地キーホルダーやハチマキを置く「ザ土産屋」という風情のお店が中心でしたが、最近はインバウンドを意識した和テイストのおしゃれな商品を扱うお店がずいぶん増えました。ディスプレイも凝っていてつい足が止まってしまいます。

人形町から伝わった浅草名物の人形焼きや老舗の和菓子屋は仲見世の中でも奥のほうに多くあります。

仲見世で販売されている和菓子やスナックを扱うお店ではテイクアウト可能なお店がほとんどで、小腹がすいたら気軽に買って食べることができます。食べ歩きは非推奨ですので、マナーを守って人の邪魔にならない場所で立ち止まって美味しくいただきましょう。

まめちしき

宝蔵門周辺には20軒の水茶屋(今でいうカフェ)があり、それぞれが美人の看板娘を置き呼び込みをおこなっていたそう。

浅草寺

左右のお店をきょろきょろと見まわしながら歩くうちに迫力のある宝蔵門が見えてきました。襟を正してご参拝です。

浅草寺の創建は七世紀。都内最古のお寺であることは意外と知られていないのではないでしょうか。ご本尊は聖観音菩薩。江戸時代に流行した観音霊場巡礼のうち江戸三十三観音札所の一番札所でもあります。

1945年の東京大空襲で本殿や五重塔など主要な建造物が焼失してしまいましたが戦後再建され、現在に至るまで浅草の活気の中心であり続けています。

午前中に来たのが功を奏してか特に参拝待ちの列もなく、スムーズに参拝を済ませることができました。参拝者の約6割が海外からの旅行客、といった印象です。

境内をウロウロしていると欧米の方に記念写真の撮影をお願いされました。スマホの撮影ボタンを二度ほど押して返却すると笑顔がかえってきました。いい思い出をたくさん作ってもらえるといいな。

まめちしき

江戸時代より火事の多かった浅草にあり、ご本尊は火の手が回らない場所に非常用の御輿が用意され守られてきました。東京大空襲の折も本殿は焼失しましたが、ご本尊は戦災を免れています。

浅草神社

浅草寺本堂の東側には浅草神社があります。こちらも創建は七世紀で、「日本の神は仏が姿を変えて現れた姿」という習合思想のもと、長らく浅草寺とともに浅草の地をお守りになっています。

毎年5月に開催される三社祭りはこの神社の例大祭です。お祭りしている浅草寺創建に関わった三神が「三社」祭りの名の由来となっています。大きな鳥居の先は広々としていてとても気持ちの良い空間です。

境内ではたくさんの提灯に描かれた神奈川沖浪裏を見ることができました。「浅草江戸風情創出プロジェクト」の一環なんだそう。ちなみに富嶽三十六景には富士山と一緒に浅草寺を描いた図もあり、浅草にも縁のある版画集です。

まめちしき

浅草の街中には兼務社と呼ばれる神職が常駐していない神社がいくつもあり、御祭礼や祈願は浅草神社の神主が出向いて神事を執っています。

② 奥浅草

みどころポイント

  • 喧騒から離れのんびりと街中を散策
  • 奥浅草にある寺社仏閣を巡り、江戸の文化に触れる

浅草寺の北側を走る言問通りを越えた先一帯は「奥浅草」と呼ばれる地域です。江戸時代、遊郭や歌舞伎の江戸三座があった芸者の街で、寺社仏閣も多いエリアです。浅草寺周辺より観光客が少なく、時間の流れをゆったりと感じる街歩きが楽しめます。

この辺りは隠れ家的なカフェやショップも多く、気ままに小路に入って散策してみるのもオススメです。

otaco

浅草寺本堂のちょうど北側、言問い通り沿いにひっそりとした店構えのシフォンケーキの専門店「otaco」を見つけ入ってみました。聞くと米粉を使用していて、厨房内にも一切小麦を持ち込んでいない完全グルテンフリーのお店なんだそう。

とても良い焼き色に惹かれ、プレーンを一つ購入しました。食べたのは翌朝でしたが生地は固くなることなくふわふわ、味の印象も小麦粉製のシフォンケーキとほとんど変わらず優しい甘さのケーキです。

お店のホームページからは全国発送も承っています。数種類の味がセットになったバラエディセットはカット済みで家族で食べられるお土産として喜ばれそうです。

ann fragrance

シフォンケーキを買ってほくほくとしながら言問通りを西に向けて歩いていくと、馬道通りとの交差点にシックで洗練された外観のお店があります。

オリジナルのファブリックミストを調合できるann fragranceです。予約制の店内では約40種類の香りから好きなものを選び、51万通り以上の組み合わせの中から自分だけの香りを創り出る体験を楽しめます。

公式サイトでは香りのプロであるエヴァリュエーター監修のもとブレンドされたファブリックミストを販売しています。洋服やシーツにワンプッシュすると極上の香りに包まれます。

香りの好みがわかる近しい相手への贈りものとして良さそうです。そういった意味では母の日にピッタリのギフトかも

待乳山聖天

ann fragranceから徒歩10分弱のところに今回行きたかった場所の一つ、待乳山聖天(まつちやましょうでん)があります。正式名称は待乳山本龍院で、浅草寺の支院です。

ご本尊の大聖歓喜天はたいへん力な力をお持ちで、浅草の中でも随一のパワースポットとして知られています。

こちらのユニークな点はお賽銭とともに大根をお供えすること

大根の親しみやすい味と「大根おろしは医者いらず」と評されるほど薬効があるとされていたことから、聖天様の「おはたらき」に見立てられ大お供えされるようになりました。身体健全、夫婦和合、商売繁盛にご利益があとされています。

境内には至る所に大根をモチーフとした装飾があるのでぜひ探してみて下さい。

お供えされた大根はお下がりとして無料で一本持ち帰ることができますが、タイミングによっては無いこともあります。筆者は残念ながらタイミングが合わなかったようなので、出会えた場合は運が良いということかもしれませんね。

まめちしき

待乳山は標高10メートルの自然にできた都内で一番標高の低い山です。

あさくさ味噌らぼ

待乳山商店を出て吉野通につづく西側の道路に出ると、幅広の暖簾がかかった気になるお店が。全国の味噌と味噌を使用した加工食品を取り扱う「あさくさ味噌らぼ」です。

店内にはに入ると桶いっぱいに入った全国各地で製造された味噌が並んでいます。味噌は100グラムから購入でき、それぞれの味噌に合う料理法が紹介されているので、一人暮らしで味噌を余らせてしまう方や手軽にいろんな味噌の食べ比べしたい方は重宝しそう。

また店内では味噌を使用したパフェや豚汁を販売していて、イートインスペースでいただくことができます。味噌の新たな可能性を感じるメニューになっていますので、ぜひご賞味あれ。

山谷堀公園

そのまま道路を北上すると山谷堀公園とぶつかります。東西に伸びる細長い敷地の公園で、もとは江戸時代には物資の運搬や遊覧船に利用された水路でした。

浅草寺周辺と隅田川を結ぶ重要な水路でしたが、時代とともに役割を終え現在は埋め立てられて地域の憩いの場として生まれ変わっています。ベンチも設置されているので街歩きの休憩場所としても最適です。

園内には地元の歴史を知ることができる案内板が設置されています。穏やかな空気が流れる奥浅草なので、ここは急がず立ち止まってじっくり説明文を読み込みました。歴史に思いを馳せる時間も心なしかゆっくり過ぎているように感じます。

ところどころに日本ゆかりの生き物のオブジェが置かれていて大変かわいい。画像は河童。この付近には、隅田川に住んでいた河童が親切にしてくれた馬の世話人に恩返しをする「今戸の河童」という昔話が残っています。

今戸神社

今戸の河童の「今戸」は山谷堀公園のすぐ北側のエリアの名称で、今戸神社はまさにこの今戸あります。待乳山聖天同様、願いが叶う神社として奥浅草の中でも参拝する人が多い神社です。

御祭神としてイザナミ・イザナギの日本最古の夫婦を祀ることから縁結び・夫婦円満のご利益があるとされています。

今戸神社は招き猫発祥の地のひとつとしても有名です。ある日老婆の夢枕に手放した愛猫が立ち「自分の姿を人形にしたら福徳を授かる」と言います。

お告げに従い猫の人形を浅草寺境内で売ったところ、たちまち評判になった。これが今戸焼の招き猫の始まりとされています。

この言い伝えから絵馬には可愛らしい2匹の猫の招き猫がマスコットとして描かれ、境内の至る所に掛けられています。風で揺れるとカラコロと音を立て、ぜひとも成就してくださいとお願しているようでした。

ちなみにこの2匹はご祭神に由来して「ナギちゃん」「ナミちゃん」と名付けられています。お守りにもこの2匹が刺繍されていて女性へのお土産として喜ばれそうです。

まめちしき

この地は結核を患った新選組・沖田総司が境内にあった医師の邸宅で最期を迎えたとも伝承されています。歴史好きもご参拝必須の神社です。

先ほど訪れた山谷堀公園にも招き猫がいました。歴史的背景が分かると街歩きに深み増しより楽しくなりますね。

奥浅草はこれよりさらに北の地域も含みます。地域内には他にも一度は訪れたい寺社仏閣がありますが、浅草駅周辺をもう少し散策したいので、ここで隅田川脇を南下することにしました。

ゆっくり歩いて10分程度で言問橋まで来ました。先ほどシフォンケーキを買い歩いてきた言問通りの名前の由来になった橋で、隅田川をはさんだ東西、墨田区と台東区の両岸を結んでいます。スカイツリーがとても綺麗に見える絶好のフォトスポットです。

ORANGE kikaki

その言問橋近くにあるのが「ORANGE kikaki」です。農家直送の国産フルーツを使用し、素材そのものの味を生かしたスイーツを販売しています。

イチオシはオランジェット。その時期の旬にあたる柑橘を使用し甘味の強いものからお酒のおつまみになる控えめものまで、それぞれの特性に合わせた味に仕上げています。季節により商品ラインナップが変わるのでリピートしがいがあります。

公式サイトでも商品の購入が可能です。詰め合わせは母の日のギフトとして日ごろの感謝を伝えるのにピッタリ。贈答用桐箱もおしゃれで特別感のあるスイーツギフトです。

③ 浅草駅周辺エリア

みどころポイント

  • お土産探しに最適のエリア、気になるお店はどんどん覗いてショッピング
  • 日本らしさを新しい切り口から提案するアイテムに出会える

浅草寺東側から浅草駅までは、観光客向けのギフトショップから地元密着の生活用品店まで幅広いショップのあるエリアです。

この地域のインバウンド向けのショップは付加価値を付けた特別感のあるアイテムを提案しているお店も多く、日本人から見ても新鮮な気持ちでショッピングを楽しめます。

TOKYO KIMONO SHOES

言問橋の麓から隅田川沿いに江戸通りを南下してすぐ、観光客の少ない通りに「TOKYO KIMONO SHOES」というお店があります。飾られたシューズは店外から見ても色とりどりで華やかです。

これらのシューズは不要になった着物から生地を切り取り、職人の手によってスニーカーに仕立てられています。アップサイクルされた着物、しかも切り取る場所によって出る柄が異なるため一点物と言っていいのではないでしょうか。

ファッションのアクセントになりそうな鮮やかで緻密な花柄や使い勝手の良い落ち着いた色味の伝統文様、それらは本革と組み合わることで現代の服装にも合わせやすい洗練されたデザインになっています。

店員さんに話を聞くと、お客さんの8割から9割が海外の方だそう。店内にある美しくも実用的なシューズを見渡せば、日本旅行の特別なお土産として買い求めるのも頷けます。

着物を持ち込んでのオーダーメイドも受け付けているとのことなので、箪笥に仕舞われた着物を生まれ変わらせる新しい視点として日本人にもこれから注目されそうです。

Patam

伝法院通りには海外から訪れた人が列をなすお店があります。

店内に並んでいるのは日本人にはなじみ深いカバン。四角いフォルム、丸みを帯びた大きなカブセ、底面についた留め金具、体操着入れを引っ掛けていたサイドのナスカンまで、見れば見るほど紛うことなきランドセルです。

Patamはランドセルにインスパイアされた小型のショルダーバッグを販売しています。丈夫で長持ちのランドセル製作の技術はそのままに、ポップなカラーとショルダーバッグとしての使い勝手の良さをプラスしています。

販売は浅草の直営店のみ。海外のインフルエンサーがSNSで紹介したこともあり口コミで人気が広がっています。入店には公式サイトでの事前予約が必要で、混雑が予想される土日は予約受付開始直後の早いタイミングで枠の確保が確実です。

犬印鞄製作所

同じ伝法院通りにはもう一店カバンのお店があります。

昭和28年創業の犬印鞄製作所です。工房も実店舗二店もすべて浅草、浅草土産としてオススメしたいお店です。帆布製品ならではの素朴な風合いと時代に左右されない飽きのこないデザインが特徴です。

蛇足ですが某YouTubeチャンネルとコラボレーションしたトートバッグが人気で、筆者は再販のたびに購入を試みますがいつも即完売で買えません。

犬印鞄製作所の製品の目印になっているのがこの犬とカバンのイラスト。アルプスの救助犬に倣い、“お客様の大切な荷物をしっかり守れるように”という思いが込められています。

その信念の通り、商品を手に取れば生地の丈夫さ、縫製の良さはすぐに分かります。ジャパンメイドを体現した商品はこだわりを持つ人の間で長年愛されてきました。 

バッグ以外にも財布やブックカバーなど幅広く商品展開されているなか、女性へのギフトとして推したいのはポーチです。マチ付きで収納容量が大きく、色バリエーションも豊富。丈夫で長く使えます。ヌメ革のブランドタグもおしゃれです。

BEE FRIENDSHIP

浅草駅前の我妻橋付近まで戻ってきました。我妻橋のふもとには遊覧船乗り場があり桂離宮やお台場に向かう観光船が出航しています。

午後、人の往来がピークになる時間帯で船を待つ人の姿も多く見えました。風を受けながら陽気のいい日にクルージングなんて最高ですね。

その遊覧船乗り場のすぐ近くに気になるお店を見つけたので立ちよりました。「BEE FRIENDSHIP」です。愛媛県西端、佐田岬半島で採れた蜂蜜とその蜂蜜を使用した食品を販売しています。

ここでも贈り物として喜ばれそうなものを発見しました。同店舗で醸造しているミード(蜂蜜酒)です。

ミードは蜂蜜を水で希釈しアルコール発酵させたもので、太古の昔、石器時代からヨーロッパ各地で愛されてきたお酒です。酵母だけでなく蜜蜂が蜜を採取する植物によっても味が変わる奥深い飲み物です。

このお酒を新婚夫婦が飲むという習慣からハネムーン(honeymoon)という言葉が誕生しました。

BEE FRIENDSHIPのミードは烏山椒の蜂蜜をベースに国内産の蜂蜜ブレンドし、甘く濃厚な香りと飲み口を作り上げています。

甘味が強いので塩気の強い食べ物との相性が良いほか、ミルクで割ってナイトキャップ(寝酒)として飲むのも良さそうです。

④ 雷門通り以南エリア

みどころポイント

  • 世界のカバン博物館でカバンの歴史や文化に触れる
  • 小路で見つけたお店との偶然の出会いを楽しむ

雷門通りを挟んで浅草寺の対岸のエリアは比較的観光客が少ないですが、個人経営のショップや飲食店が点在しています。お気に入りのお店と出会いに小路を散策してみて下さい。

またこのエリアは南下すると蔵前、西に向うと田原町の駅があり、徒歩で歩ける距離なので一駅分の散歩を楽しんでみてもいいかもしれません。

並木藪蕎麦

ここまでずいぶん歩きお腹もすいてきたので昼食をとることにしました。

浅草駅周辺は飲食店が多いのでランチ難民になる心配はしていませんでしたが、運よく有名店の「並木藪蕎麦」に並ばずに入店できました。待乳山聖天で大根をゲットできなかった時に使わなかった運がこちらに回ってきたのかもしれません。

ベーシックにざるそばを頼みました。汁がかなり濃く作られており、蕎麦の先端だけを汁に浸けて食べるスタイルです。

蕎麦を全て汁に浸して食べるより蕎麦の風味をより強く感じ、一口一口味わいながら美味しくいただきました。温かい鴨南蛮も人気があるようなので次の機会にはそちらをいただこう。

まめちしき

お店の創業は大正二年、神田の「かんだやぶそば」、湯島の「池の端藪蕎麦」(2015年閉店)と並んで藪蕎麦御三家として知られています。

世界のカバン博物館(新川柳作記念館)

並木藪蕎麦から歩いて2、3分のところに世界のカバン博物館があります。ビジネスバッグやスーツケースでお馴染みのエース株式会社の持つ企業内博物館で、ビル内のエレベーターで7階まで上がったところに入口があります。

入場は無料。館内にはカバンの歴史や製作・技術にまつわる解説、創業者である新川柳作が50以上の国で蒐集したコレクションの中からセレクトされた品が展示されています。浅草駅から徒歩5分ほどの場所ですがゆったりと観賞でる場所です。

筆者が興味深く見入ったのは客船での船旅が主流だった頃のキャビン・トランクです。当時、最も強度を保つことができた木製の本体を革や装飾金具で華やかに仕上げています。職人の手仕事好きにはたまりません。

それと同時に、ヘビー級の木製トランクからポリカーボネート製スーツケースへの荷運びの劇的な進歩をしみじみと実感じます。

カバンに関するお役立ち情報も。勉強になります。

世界のカバン博物館は企業内博物館のため日曜、祝日は休館です。休日にお出かけの際はご注意ください。

FEBRUARY CAFE

カバンをじっくり鑑賞した後、すぐ近くのFEBRUARY CAFEで休憩をとりました。ちょうどカフェタイムに突入していたので混みあっていましたが、一人ということもありカウンター席の端に収まることができました。

こちらの名物はトースト。昭和17年から続く老舗のパン屋、ペリカンの食パンを使用しています。

ペリカンと言えば飽きのこない優しい味わいのパンの販売で行列ができることもある人気店(実際この日は待ち列ができていました)。お店で味わえるならぜひ、ということでカフェラテと一緒にチーズトーストを注文しました。

トーストにはコショウがたっぷりとかけられていて、何にでもとりあえずコショウをかけるコショウフリークの筆者としては大変そそられるビジュアルです。ラテアートで飾られたカフェラテも美しい。

チーズの塩気は強すぎず、軽い食べ心地。耳までさくっとしていてパンの耳が苦手な人でも食べやすそうです。落ち着いた店内の雰囲気も相まって疲れがほっと息と一緒に出ていく癒しの時間を過ごしました。

まめちしき

ペリカンの本店は創業時からずっと浅草・田原町。このパンも一種の浅草名物です。

Readin’Writin‘ BOOK STORE

FEBRUARY CAFÉを出ると時間はもう夕刻。帰路は銀座線を利用するので、田原町駅まで歩いてみることにしました。徒歩で10分程度の距離です。

大通りを避け小路を歩いていると、田原町駅のすぐそばに本屋がありました。元材木屋の倉庫だという味のある佇まいの「Readin’Writin‘ BOOK STORE」です。店内は間口に対して奥行きがあり、吹き抜け部分のおかげで書店特有の本棚による圧迫感がありません。

並ぶ本のジャンルはジェンダーや宗教、絵本に和菓子などなど。大手の本屋のようなベストセラー本は無く、雑多で、でもどこか興味をそそられる書籍ばかり。今時ちょっと珍しい、店主のセレクトセンスを感じる本屋さんです。

表紙に惹かれて片岡義男著「僕は珈琲」を購入しました。コーヒーと紐づいたちょっとした、決しておおげさではない思い出が日常会話の一つのような気軽さと文字数で書かれています。

休日の朝、コーヒーと一緒に読みたくなる本です。自分への素敵なお土産ができました。

アクセスガイド&モデルコース

今回の街歩きコースへは東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の「浅草駅」の利用が便利です。つくばエクスプレスにも「浅草駅」がありますが今回のコースからはやや距離のある場所に駅があるのでご注意を。

奥浅草方面は周辺に駅が無いので徒歩が基本、歩く距離が長いので靴は歩きやすいものでお越し下さい。

モデルコース

  1. [10:00]浅草駅着、仲見世を物色しながら浅草寺、浅草神をご参拝
  2. [11:00]奥浅草方面へゆったりとした散策を楽しむ
  3. [11:30]待乳山聖天、今戸神社へご参拝
  4. [12:30]隅田川沿いに南下、ギフトショップでお土産選び
  5. [13:30]浅草駅前にて遅めの昼食
  6. [14:30]世界のカバン博物館鑑賞
  7. [15:30]仲見世、浅草駅周辺でお土産の追加購入
  8. [17:00]浅草駅に帰着

寺社仏閣巡りは混み合わない午前中がねらい目。浅草訪問のご挨拶もかねて、朝一で参拝しましょう。昼食は奥浅草方面でとるか、仲見世のテイクアウトで軽く食べ、遅い時間帯になってから飲食店へ入ると混雑を避けられます。

世界のカバン博物館は開館が16時30分なので、時間が押すようなら先に入館し、お土産選びは後からゆっくりおこなうのが◎です。

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柳澤 翔子

柳澤 翔子

フクロモモンガと暮らすジュエリーデザイナー。ショールームコーディネーター、ジュエリーアドバイザーなどの豊富な接客経験から「人の気持ちに寄り添った商品提案」を行うことをモットーとしている。ヴィンテージマグカップ集めと刺繍が趣味。

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