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家族や親戚、友達、同僚などから結婚の報告を受け、結婚式に招待されたなら、気になってくるのがご祝儀のマナーですよね。これまでに多くの結婚式に出席してきた人も、正しい知識を得ることで、大人としてのマナーを身に付けたいもの。
今回は、結婚式に参列する上で必要な、ご祝儀のマナーをご紹介します。ご祝儀の意味・起源から、シチュエーションに応じた一般的な金額相場、そして、ついつい忘れがちなご祝儀袋の書き方や包み方まで、ご祝儀に関するマナー全般を習得して、今度の結婚式の機会に活かしていきましょう。
ご祝儀の意味と起源
結婚式のご祝儀マナーについて説明する前に、ご祝儀という言葉自体の意味と、いつから始まったかなどの起源をご紹介します。正しい意味を知ることで、それぞれのマナーを深く理解することができそうですよね。
御祝儀とは、本来お祝いの儀式を指していう言葉ですが、この場合は「祝儀の際の寸志」という意味合いがあります。婚礼関係やお祝い行事の際に、お世話やお手伝いを頂く方々に対して贈る謝礼としての心付けやチップの表書きの献辞(上書き)に用いられます。
コトバンク「御祝儀」より引用より引用
ご祝儀の起源としては諸説あり、定かではありません。ひとつの説としては、東京オリンピックを契機に、東京中でホテルの建設ラッシュが起き、五輪後の活用法として、結婚式の披露宴会場が浮上。バブル期に、結婚式のホテル開催が一般化され、それに伴って従来の婚礼マナーである参列者の手伝いが不要となり、ご祝儀に代替されるようになったといわれています。
すなわち、ご祝儀の歴史は案外浅いもので、且つ、社会的に好景気だったバブル期の産物といえるかもしれません。ただし、結婚式などお祝い事に対する祝意を示すことに変わりはなく、実際に若い夫婦には負担の大きい結婚式費用を補う、ストレートな方法がご祝儀となります。
結婚式でのご祝儀の金額相場
結婚式に招待されたら、まず気にしなければならないことが、ご祝儀の金額です。相手との関係性や自身の状況などによってもご祝儀の金額は変わりますが、一般的な金額相場を知って、幸せなお祝いの場に対して、失礼のないようマナーを身に付けましょう。
相場は「時価」とも言い換えられるように、その時々で金額が変動するものであり、ここでは本稿の執筆時点(2018年)におけるご祝儀の金額相場を、考え得る様々なシチュエーションに当てはめてご紹介します。本稿で説明する結婚式でのご祝儀の金額相場を、是非とも参考にしてみてください。
一般的に結婚式にかかる費用としては、披露宴で出される飲食代が1~2万円、引き出物が5千円程度になることが多いため、お祝いの気持ちも加味すると、ご祝儀の金額は「3万円」が相場だといわれています。基本的にご祝儀は、新郎新婦の仲を割らないよう、割り切れない数字(お札の枚数)の金額がマナーとされています。
友達に対するご祝儀の相場
現代において最も多いシチュエーションといえるのが、家族よりも友達の結婚式かもしれません。飲食代と引き出物の費用を合わせた金額を満たすようにすると、2万円以上が最低限のマナーと考えられています。万札を割り切れない「奇数」の枚数にすると、「3万円」が一般的な金額相場といえるでしょう。
近年では「ペア」という縁起を担いで「2万円」のご祝儀金額でも良いとされる風潮がありますが、結婚式費用のことを考えると、まだ収入が少ない場合や交通費がかかりすぎて負担が大きいなど、余程の事情がない限り避けるのが無難です。
上司・同僚・部下に対するご祝儀の相場
友達の結婚式に次いで多いシチュエーションが、上司・同僚・部下など、自身が勤める会社のワークメイトの結婚式です。社会人になると会社での付き合いが多くなる上に、普段から顔を合わせる関係なので、金額の相場をよく知っておきましょう。
ワークメイトとの関係性にもよりますが、相手が上司や同僚であれば「3万円」、部下であれば「3万円」もしくは「5万円」が一般的な金額相場だとされています。ただし、あくまでも相場は目安ですので、自身が新入社員で収入が少ない場合などは「2万円」でも問題ないでしょう。金額に迷うようであれば、事前に他の参列者に金額を聞くか、同列の役職の人と金額を合わせるのが無難です。
兄弟・姉妹・親戚に対するご祝儀の相場
兄妹や姉妹の結婚式に出席する場合も、ご祝儀の一般的な金額相場は「3万円」となりますが、自身が年上であれば「5万円」もしくは「7万円」にするケースも多いようです。他の兄妹・姉妹の結婚式や、自身の結婚式が先立って行われたのであれば、その金額と同額にすると良いでしょう。
兄妹・姉妹とは関係性が深いため、他のシチュエーションよりも高額になることも少なくないようですが、「死」や「苦」を連想させる「4万円」や「9万円」は避けることがマナーです。逆に末広がりやキリの良い「8万円」や「10万円」は割り切れない数字ですが、縁起の良い金額だと考えられています。
いとこや甥っ子・姪っ子など親戚の場合も、関係性によりますが一般的には「3万円」、自身が40代以降で甥っ子・姪っ子などの結婚式に参列する場合は「5万円~10万円(実質的に5/7/8/10万円のどれか)」程度がご祝儀の金額相場です。
夫婦で結婚式に出席する場合
自身が既に結婚している場合、共通の友達や家族・親戚の結婚式に、夫婦そろって出席するシチュエーションがあります。その場合、ご祝儀は夫婦の連名で渡すことになり、金額も基本的には倍にすることがマナーとされます。
ただし、「3万円」が一般的なご祝儀の金額相場とされているため、倍にすると割り切れない「6万円」になることから、「5万円」もしくは「7万円」が夫婦で出席する結婚式での金額相場となります。「5万円」が少ないと感じるのであれば、ご祝儀に加えてお祝いの品を贈ることもありますが、引き出物は夫婦でひとつとされることが多いため、5万円も妥当な金額といえます。
どういったご祝儀袋を選べばいいのか
参列する結婚式において、ご祝儀の金額が決まったら、紙幣を包むご祝儀袋を用意しましょう。結婚式などの慶事では、必ず熨斗(のし)と水引きが付いているご祝儀袋を選びます。婚礼行事における水引きは、二度と繰り返すことがないようにと願いを込めた「結び切り」もしくは「あわじ(あわび)結び」にします。
水引きの色は「金銀」もしくは「紅白」のものとし、水引きの本数は「5本」もしくは “喜びが重なるように” 願いを込めて倍にした「10本」にすることがマナーとされています。ご祝儀袋の色は「白色」のものを選ぶことがマナーとされていますが、近年ではカラフルな色のご祝儀袋が増えたため、余程奇抜だったりチープだったりしなければ良いとされる風潮になってきています。
ご祝儀袋を選ぶ上で、ワンポイント気を付けることは、ご祝儀袋のデザインと包む金額のバランスを考えることです。コンビニや文房具店でみかけるご祝儀袋は、シンプルだったり豪華だったり、様々な種類のご祝儀袋が置かれています。包む金額が少ないのにもかかわらず、派手すぎるようなご祝儀袋は避けることがマナーとされています。
また、市販のご祝儀袋には、冠婚葬祭のどれに該当するのかを示す「表書きの名目」が既に印字されていたり、表書き印字された短冊を貼るタイプのものがあります。婚礼行事における「表書きの名目」は、旧字体である「壽」もしくは「寿」と書かれたご祝儀袋を選ぶようにしましょう。
ご祝儀袋の表書きと中袋の書き方
一般的に、ご祝儀袋を構成するパーツには、熨斗(のし)や水引きで飾られた外側の「上包み」と、紙幣を入れる内側の「中袋」もしくは「中包み」があります。中袋は封筒タイプのもので、中包みは和紙などで折られた包み状のものです。
市販のご祝儀袋で既に表書きが印字されていても、「上包み」と「中袋(中包み)」の両方に対して、自身で書き入れる箇所があるため注意してください。また、書き入れるための筆記用具については、「毛筆」もしくは「筆ペン」を用いることがマナーとされており、用意できない場合でもボールペンや万年筆は避け、「太めのサインペン」で書くようにしましょう。
上包み(表書き)の書き方
ご祝儀袋の上包みに、お祝いの名目(壽や寿)が既に書かれている場合、水引きよりも下の中央部分に、自分の氏名を漢字フルネームで書きます。このとき、お祝いの名目の文字よりもやや小さめに書くと良いでしょう。
会社名や肩書を記載する場合は、氏名の右上にやや小さく書き、家族や同僚などと連名にする場合は、中央に書いた代表者の名前の左横に書き連ねます。ただし、連名の人数が多くて書ききれない場合は、代表者の氏名の左横に「他家族一同」や「外一同」と書くことがマナーとされています。
中袋/中包みの書き方
ご祝儀袋の中袋もしくは中包みには、表と裏の両面に対して記載する項目があります。まず、表面の中心には、ご祝儀として包む金額を大きく書きます。このときに注意するポイントが、「金参萬円」のように、数字を旧字体で書くことです(壱・弐・参・伍・六・七・八・拾・萬)。
余談として、「円」の後に「也」をつけるのは、円よりも小さい銭の単位を使っていた時代のなごりです。したがって、現代においては品物を贈るケースのみとし、一般的には「也」を付けないことがマナーです。
中袋もしくは中包みの裏面には、郵便はがきと同じように、左下に小さめの文字で、自分の住所と名前を右から左に向かって書きます。郵便番号や住所に書く数字は、漢数字(一、二、三、・・・)でなくとも算用数字(1、2、3、・・・)で書いても問題ありません。むしろ、101号室などの場合は、算用数字で横書きにした方が読みやすいでしょう。
ご祝儀袋の包み方
ご祝儀袋の上包みと中袋(中包み)に金額・氏名・住所を記載したら、ご祝儀として包む紙幣を中袋(中包み)に入れます。婚礼行事の際、紙幣は新札(ピン札)を用意することが一般的なマナーとされており、事前に銀行や郵便局で新札に交換しておきましょう。
中袋(中包み)へのご祝儀の入れ方は、すべての紙幣の向きを揃えた上で、紙幣に描かれた肖像画が上になるように封入します。このとき、封筒タイプの中袋であっても糊付けは不要です。
中袋(中包み)に紙幣を入れたら、その中袋(中包み)を上包みに入れて完成です。上包みの裏面は上下が重なるつくりになっていますが、結婚式などのお祝い事では、上向きに折り返されている方を表に重ねる(下が上)ことがマナーとされています。
結婚式にご祝儀袋を持っていくときは、袱紗(ふくさ)という布に包み、受付で渡すときに袱紗からご祝儀袋を取り出すことがマナーとされています。袱紗は、一枚布のタイプや金封専用の長財布のようなタイプなど様々あります。最も正式な一枚布のタイプでは、ダイヤ(◆)の形に広げた袱紗の中央やや左にご祝儀袋を置き、袱紗の左側→上側→下側→右側の順で中に折り込み、余った部分を裏に折り返しましょう。
ご祝儀とは別に結婚祝いの品物を贈るなら
結婚式でご祝儀を贈るとき、包む金額が相場よりも少ないと感じた場合や、何かモノとして形に残してもらいたい場合などに、ご祝儀とは別に品物を贈ることがあります。
渡すタイミングとしては、新郎新婦が忙しく荷物の多い、結婚式当日は避けるようにするのがマナーです。一般的には、結婚式の招待状が届いてから(結婚式の1~2か月前)、自宅に伺って手渡しするか、郵送するのが良いでしょう。郵送するときは、事前に都合を聞いてから、必ず受け取れる日時を確認しておきましょう。
結婚祝いの品物としては、「5千円~1万円」程度が相場といわれています。ご祝儀とは別に贈る場合は、相手がお返しを用意する負担を考慮して、「お返しは不要」などと事前に伝えておくと良いかもしれません。
結婚祝いにおすすめの品物
素敵なオリジナルハンカチーフが手に入るのは「CLASSICS the Small Luxury(クラシクス・ザ・スモールラグジュアリ)」。六本木ヒルズ本店をはじめとして、日本橋人形町・丸の内・福岡・神戸など全国に店舗を構えるハンカチーフの専門店です。充実の品揃えと、イニシャルなどの刺繍サービスが人気を博しています。
どこか切なさを感じる絶妙な色合いのタオルは、大切な人の新生活に華を添える、素敵な贈り物になります。「フランジュール」は、神戸三宮や銀座東急プラザにも店舗を構え、バスタオル・ミニタオルなどの生活雑貨や、上質リネンを使用したベッドアイテムを中心に取り扱っています。シンプルなのに贅沢な空間を演出するタオルは、プレゼントに喜ばれること間違いなしです。
おわりに
結婚式のご祝儀に関するマナーを解説してきましたが、最後に重要なポイントだけをまとめて箇条書きにします。ご祝儀マナーを身に付けて、結婚式という晴れの場を、相手も自分も気持ちよく過ごせるようにしましょう。
- ご祝儀袋の種類(金額とのバランス・水引きのタイプ)に注意
- 毛筆・筆ペンなどで、氏名・住所・金額を記載
- 中袋に書く金額の数字は、旧漢字にする
- 紙幣の枚数は割り切れない「奇数」の金額
- 新札を用意し、肖像画が上になるよう入れる
- 上包み裏面の閉じ方は「下が上」になるように
- 結婚式に行く時はご祝儀袋をふくさに包む