INDEX
- ① 東急世田谷線に揺られ、小さな旅をスタート
- ② ブーランジェリースドウで絶品パンをゲット
- ③ ゴン アンブルで気軽にビストロランチ
- ④ 松陰PLAT は、押さえておきたいニュースポット
- ⑤ 1mm market でヨーロッパ文具を吟味
- ⑥ イタリア食材を求めるならクチーナフェリーチェ
- ⑦ 小腹を満たす魔法のたい焼き店 ちよだ
- ⑧ 松崎煎餅は、松陰神社前を代表するお土産店
- ⑨ Cafe Lotta で、ほっこりとカフェ休憩
- ⑩ デザイン&アート本が並ぶ ノストスブックス
- ⑪ 厳選されたハチミツ専門店、山とハチミツ
- ⑫ 進化系コロッケ店、All About My Croquette
- ⑬ 松下村塾學び館で、幕末の歴史をひもとく
- ⑭ 安心食材なら、カネサオーガニック味噌工房
- ⑮ コロッケが有名な老舗の精肉店、肉の染谷
- ⑯ 吉田松陰先生が眠る松陰神社でパワーチャージ
① 東急世田谷線に揺られ、小さな旅をスタート
松陰神社前エリアまでは、三軒茶屋駅を始発とする東急世田谷線の利用をおすすめします。世田谷線は交通ICカードが利用できるものの、江ノ電を思わせるような風情のある駅舎にどこか懐かしさを感じさせられ、旅が始まる高揚感を存分に演出してくれます。始発駅(三軒茶屋/下高井戸)以外は無人駅となっているため、電車内での料金精算となることにご注意ください。 世田谷線の魅力は、何といってもカラフルな車体の数々。路線上には、10編成の電車が走行していて、それぞれ色鮮やかなカラーで塗装されています。今日のラッキーカラーや自分の好きな色を見つけたり、時間があればカメラに収めて全色制覇してみても面白いかもしれません。 車体のカラーバリエーションは、アルプスグリーン(301F)、モーニングブルー(302F)、クラシックブルー(303F)、アップルグリーン(304F)、チェリーレッド(305F)、レリーフイエロー(306F)、ブルーイッシュラベンダー(307F)、サンシャイン(308F)、バーントオレンジ(309F)、ターコイズグリーン(310F)の10種類です。② ブーランジェリースドウで絶品パンをゲット
松陰神社前駅の下高井戸方面ホームを出ると、すぐ正面に見えてくるベーカリーが「Boulangerie Sudo(ブーランジェリースドウ)」です。焼きたてのパンを求めて、平日でも午前中は行列をなすほどの人気店なので、遅くとも昼前には訪れることをおすすめします。 看板商品は、予約必須ともいわれる食パンです(一か月後の一週間分が予約可能)。水分を多く含ませて焼かれた食パンは、しっとりしていて、口に入れると香りが広がり抜けてゆく味わい深い一品。ふんわりとした山型の「世田山食パン」、よりしっとりした角型の「世田谷食パン」はどちらも甲乙つけがたく、パンマニアならまずは2つとも試してみてください。 予約なしで取材班が購入したパンは「北海道ミルクパン」と「メープルスコーン」、「ハニーライム」、「クロックムッシュ」。午前中であれば常に焼きたてのパンが追加されていき、豊かな香りが店内一杯に広がっています。焼き菓子セットなども用意されているため、手土産やギフトで利用してみてもよいかもしれません。③ ゴン アンブルで気軽にビストロランチ
ブーランジェリースドウを出て、東急世田谷線の踏切を渡ったところにあるお店が「Grand Arbre(ゴン アンブル)」。2014年にオープンしたビストロで、フランスの田舎料理を気軽に味わうことのできる松陰神社前の人気店です。今回のまち歩きではこちらでランチをいただくことにしました。 店先では緑が生い茂り、ウッドデッキのテラス席がおしゃれな雰囲気を醸し出しています。店内に入ると素敵なカウンターバーが出迎えてくれ、奥に進むとまさにクラシックな正統派のビストロといった感じ。月に2回は店内でジャズやカントリーミュージックの生演奏が開催されているので、自然体のフランスを五感で味わうことができます。 ランチメニューは日替わりのプレートランチと数種のコースから選択でき、取材班は「キッシュプレート」と「リゾットプレート」を注文しました。運ばれてきた料理はシンプルながらも、他とは一線を画す本格的な味わい。ふわふわのキッシュはまるでスフレのような食感が病みつきになるほどで、リゾットも玉ねぎとクリームの甘みが引き立つバランス感覚に優れた一品。思わず、ここにして良かったねと話も弾みます。 キッシュプレート リゾットプレート ディナーメニューの期待も高まるビストロは、夜に訪れて仲間や家族とワイワイ賑やかに過ごしたくなります。普段はビールや日本酒を嗜む方であっても、ここではワインを傾けてみたくなるはず。松陰神社前に訪れた際には、気軽に一度利用してみてはいかがでしょうか。④ 松陰PLAT は、押さえておきたいニュースポット
松陰神社前の駅からほど近くの世田谷線沿いに佇む「松陰PLAT(プラット)」は、このエリアを散策するのであれば必ず訪れておきたいホットスポットです。9つのショップ&スペースが一体となった建物は、木造アパートをリノベーションして作られた松陰神社前の新しいシンボル。行き交う世田谷線のカラフルな車両とのコントラストに、写真好きならずともカメラを構えたくなります。 松陰PLATに入るショップは、それぞれ開店時間や定休日が異なるため、すべてのお店がオープンしているタイミングを狙うことは難しいですが、一期一会の出逢いを求めて訪ねてみてください。松陰神社前エリアを取材した金曜日の昼過ぎは、ほぼすべてのショップがクローズだったため、土曜日など週末の午後に訪れることをおすすめします(次回取材時に記事を更新予定)。⑤ 1mm market でヨーロッパ文具を吟味
松陰PLATから世田谷駅方面にてくてく歩いていくと「1mm market(イチミリマーケット)」という雑貨店が現れます。ここでは、ドイツやチェコなどヨーロッパから輸入した文房具や雑貨が、店内所狭しと並べられています。 “いつもの生活をちょっとだけ楽しくしてくれること” にこだわってセレクトされたアイテムは、気軽に立ち寄ってウインドウショッピングをするだけでもウキウキした気分になります。ヨーロッパ文具が好きな友人へのプレゼントや、自宅を彩るおしゃれな雑貨を求めて訪れてみてはいかがでしょうか。⑥ イタリア食材を求めるならクチーナフェリーチェ
1mm market から世田谷線の踏切を越え、世田谷通りまで行ったところにイタリア食材とお惣菜のお店「Cucina Felice(クチーナフェリーチェ)」があります。お店に入ると、すぐに色鮮やかなデリが並ぶショーケースとロングカウンターが目に入り、大きな陳列棚には種類豊富なワインと瓶詰め食材が数多く並んでいます。 イタリア料理好きにはたまらないラインナップが魅力で、生ハムやサラミの量り売りも嬉しいポイント。ご夫婦で経営するアットホームなお店では、ワインやイタリア食材についても親身になってアドバイスをしてくれます。⑦ 小腹を満たす魔法のたい焼き店 ちよだ
まち歩きで小腹が空いたなら、世田谷通り沿いの「たい焼き ちよだ」で糖分補給してみてはいかがでしょうか。店内にイートインスペースはないものの、松陰神社通りでの食べ歩き用にもおすすめです。 こちらで購入したのが「チョコクリーム入りのたい焼き」。今川焼きのような厚くボリューム感のある生地で、パリッとした焼き上がりが安定の美味しさ。珍しいこしあんのたい焼きもあり、つぶあんが苦手な方にもおすすめです。⑧ 松崎煎餅は、松陰神社前を代表するお土産店
松陰神社の参道にショップがひしめく松陰神社通り商店街には、個性的でバラエティー豊かなお店が多く立ち並びます。「松崎煎餅(まつざきせんべい)」はその中でも代表的な老舗の煎餅店。お土産に人気の煎餅販売だけでなく、ランチやカフェもおしゃれな店内で味わうことができます。 看板商品は、優しい甘みが特徴の瓦煎餅。商店街のゆるキャラである「しょーいん君」の絵柄が入ったタイプは、見た目にも楽しくお土産に最適です。創業200年を誇る伝統的な味をベースにしながらも、常に進化を止めないコンセプトショップは要注目です。⑨ Cafe Lotta で、ほっこりとカフェ休憩
松陰神社通り商店街で足休めをするときは「Cafe Lotta(カフェ・ロッタ)」をおすすめします。物語に出てくるような真っ白な木目の壁が特徴的な可愛らしい外観。10席ほどの小さなスペースが、常に人で満たされるほど人気の喫茶店です。 店内に入るとおしゃれでキュートな小物やインテリアに胸をときめかされます。こちらで注文したメニューは、ホイップクリームの乗った「チーズケーキセット」と、可愛らしい瓶に入った「アップルジュース」。お客さんの対応に追われながらも優しい笑顔を振りまく店主に親しみを感じながら、絶品のケーキをペロリとたいらげました。 つい長居をしてしまうほど居心地の良い店内は、いつも楽しそうな話し声で溢れています。2001年からオープンしているという意外にも歴史のあるお店は、いまや松陰神社前エリアを代表するカフェに成長しました。心の癒しと安らぎを求めて是非とも訪れてみてください。⑩ デザイン&アート本が並ぶ ノストスブックス
カフェ・ロッタの数軒先にあるガラス張りのおしゃれな古本屋が「nostos books(ノストスブックス)」です。3,000冊以上の在庫を誇る豊富な品揃えで、ひとたび足を踏み入れると時間を忘れて古書に食い入ってしまいます。 “新しい過去を発見できる” をコンセプトに掲げ、建築デザインや美術関係のラインナップを中心に取り揃えられています。アンティーク調の本棚に並べられた本は、インテリアとしても優れたおしゃれなブックカバーばかり。じっくり読めたり、ユニークな内容の本も多くセレクトされているので、外出のままならない妊婦さんや入院中の患者さんへのプレゼントにもおすすめです。⑪ 厳選されたハチミツ専門店、山とハチミツ
松陰神社通り商店街にあるノストスブックスの脇に、昭和レトロな雰囲気が漂う小さな商店街「共悦マーケット」があります。戦後すぐに完成したという趣きのあるアーケードの中に、ひときわ真新しい白塗りのおしゃれなお店がありました。こちらがハチミツ専門店の「山とハチミツ」です。 店主自ら養蜂したハチミツと厳選した養蜂家から仕入れたクオリティの高いハチミツを取り扱っていて、可愛らしい小瓶に入ったハチミツが店内をキラキラと明るく照らしています。店内のハチミツはどれもテイスティングができて、好みを聞き分けておすすめしてくれるため、フルーティーだったり特徴的な風味のあるハチミツをいくつか試してみてはいかがでしょうか。⑫ 進化系コロッケ店、All About My Croquette
松陰神社通り商店街を松陰神社に向かって進み、踏切を渡ったあたりに「All About My Croquette(オールアバウトマイコロッケ)」というコロッケ専門店があります。店内には、その場で食べることのできるイートインスペースもありますが、テイクアウトもできるので晩ご飯のおかずを買っていくのはいかがでしょうか。 進化系コロッケとも称されるオリジナルのコロッケは、他では見られないような具材のバリエーションが多く、割ってみたときの香りと色味も楽しむことができます。それぞれの具材にマッチするよう開発されたソースにもこだわりがあり、いくつかの種類を注文して自分のお気に入りを探してみてください。 取材班が購入したコロッケが「イカスミアランチーニ」、「ポルチーニグラタン」、「ラムクミンメンチ」の3種類。テイクアウトでは温め直し方が同封されているため、ご家庭でもお店と変わらない揚げたての美味しさを味わうことができます。自宅で揚げ物はやりたくないという方にもおすすめの手作りコロッケ専門店です。⑬ 松下村塾學び館で、幕末の歴史をひもとく
さらに商店街を進むと、のぼり旗が風にそよぐ「松陰本舗・松下村塾學び館」があります。こちらは、吉田松陰をはじめ松下村塾の出身者について学ぶことのできる資料館になっています。幕末ファンにとっては垂涎ものなパネル展示やグッズ販売があり、無料で見学できるところが嬉しいポイント。 學び館というだけあって、明治維新の成り立ちを調査・ディスカッションする研究会も開かれており、吉田松陰が眠る街としての誇りを感じずにはいられません。館内では、江戸時代と同じ焙煎方法でつくられた “幕末珈琲” がいただける「幕末カフェ」も常時オープンしています。⑭ 安心食材なら、カネサオーガニック味噌工房
松下村塾學び館のはす向かいには、有機農法でつくられた味噌やお米などを取り扱う「カネサオーガニック味噌工房」があります。”食べてくれる人が、心から安心できるもの” をコンセプトに、生産から加工、販売までをすべて自社で手掛ける工房兼ショップです。 看板商品の有機生味噌を始めとして、麹の甘酒や無添加ドレッシングなども取り扱い、スタイリッシュなギフトボックスも用意されているため、身体をいたわる心遣いの贈り物にも最適です。オンラインショップでも購入可能ですので、是非とも一度お試しください。⑮ コロッケが有名な老舗の精肉店、肉の染谷
カネサオーガニック味噌工房の隣に位置する「肉の染谷(にくのそめたに)」は、松陰神社前エリアでも随一の人気を誇る精肉店です。肉屋ならではの新鮮な精肉ラインの他に、ポテトサラダやお惣菜系が数多く用意され、松陰神社前で古くから親しまれている老舗店となっています。 看板商品は、地名の付いた「松陰コロッケ」と「特製メンチカツ」です。しっとりなめらかな食感で、具材がゴロゴロとたっぷり入っているところが人気の秘訣。近くにあるオールアバウトマイコロッケと悩むところですが、安さと王道の味を求めるならばこちらをおすすめします。⑯ 吉田松陰先生が眠る松陰神社でパワーチャージ
松陰神社通り商店街を突き進むと、いよいよ旅の目的地である「松陰神社」が見えてきます。言わずと知れた幕末の英雄「吉田松陰」が眠る神社です。住宅やショップがひしめく松陰神社前でも、空の広がりを感じることのできるパワースポット的な街のシンボルとなっています。 吉田松陰は、故郷である山口県萩市において開かれた私塾「松下村塾」で、後の明治維新で重要な働きをみせる高杉晋作や伊藤博文、山縣有朋ら多くの若者を教えたことで知られています。安政の大獄に反発し、老中暗殺計画を企てたことから江戸伝馬町にて刑死。当初は両国の回向院に祀られましたが、塾生らによって長州藩の藩主別邸があったこの地に改葬されました。 松陰神社の境内には、かつての門下生から奉献され、それぞれに芳名が刻まれた御影石の燈籠が32基も立ち並んでおり、広く慕われていた吉田松陰の人柄と威厳を感じることができます。他にも、吉田松陰のブロンズ像や萩市の松下村塾を再現した建物などが設置され、幕末ファンならずとも見所満載のスポットになっています。 御影石の燈籠 吉田松陰先生像 境内を左に進んだ墓域には、吉田松陰の墓碑があり、「学問の神」と称された吉田松陰にちなんで、学力向上や合格祈願のご利益を求めた参拝者が多く訪れています。また、松陰神社の隣に位置する若林公園の入り口付近には、松下村塾の出身ではないものの、吉田松陰に大きな影響を受け慕っていた桂太郎(木戸孝允)の墓碑もあるため、帰り際に立ち寄ってみてください。 松陰神社の墓域 桂太郎の墓碑 松陰神社前エリアは、近年おしゃれなショップやカフェが増えてきてはいるものの、歴史が息づく穏やかな街として今もなお多くの人に愛され続けています。年に一度の「幕末維新祭り」以外にも、月に一度の「松陰神社通りのみの市」も開催されているため、イベント日を狙って訪れてみてはいかがでしょうか。訪れる際には、明治維新や吉田松陰のことを軽く復習してくるとより楽しめるかもしれません。他におすすめしたい街歩きスポット